📛「君の名は」でなぜお互いの名前を思い出せなくなるのか?
『だれだ?だれ?だれに会いにきた?』
『大事な人、忘れたくない人、忘れちゃだめな人!だれだ!』
そんなセリフが、
映画「君の名は。」の
クライマックスのシーンにある。
なんで主人公の2人は、
「自分の世界」に戻ると
お互いの名前を忘れてしまうんだろう。
友達に聞かれて、考えてみた。
絶対忘れたくないのに
覚えておきたいのに
忘れるなんて思ってもいない人なのに。
どうして忘れちゃう
という設定にしたんだろう🤢?
君の名はのこのシーンをみて
私は3.11のときに思ったことを
思い出しました。
忘れたくないこと。
忘れちゃだめなこと。
忘れることなんて一生できないこと。
繰り返し流れる津波の映像をテレビで見た高校生の時の私は、たしかにそう思いました。
東京にいながら、
自分にできることはなんだろう。
できることは限られているけど
まずは友達と一緒に三陸に行って
自分の目でみよう。
東京からでも
自分たちにできることがあると信じよう。
そう考えて三陸の魅力を伝えるお祭りを
東京で開催した。
🌊震災直後にテレビでノンストップで流れていた津波の映像。
💡各地で取りくみが進んだ節電対策。
🌕余震で目が覚め、「お願いだからこれ以上大きくなりませんように」と布団の中にくるまった夜。
🇯🇵世界各国からのpray for japanの応援メッセージ。
🐰自粛モードで中止される終業式や入学式。飽きるほど流れたACのCM。
3.11のことが記憶から消え去ったことはない。
でも、どうしても時間が経過し
自分の日常生活が進みはじめて、
大学入試・留学・就職活動と
目の前に新たなステージが用意されたとき。
日常とともに、3.11の記憶は、
どんどんどんどん
薄まっていってしまいました。
それはまるで「君の名は」で、
主人公のみつはと たきくんが、
お互いの世界で日常生活を歩みはじめるときに
決して忘れるはずのないと思っていた、
お互いの名前を忘れてしまうのと
同じようだなぁと思いました。
「君の名は」は、人間のそんな「忘れてしまう」
という悲しくも現実で起こっている
「弱点」を上手く表していると思った。
3.11のことだけではない。
映画をみたり、本を読んだり、
友達と話をしたりしながら、
日々たくさんの刺激を受けてるけど、
その度に
「よーし!明日から私も
主人公のようにがんばろう😊!」
と自分に約束をする。
でも、2日3日もすると、
日常生活に追われてしまい、
すっかり忘れてしまう。
忘れてしまう自分は意思が弱いとおもった。
意思が固ければ、
忘れることなんてないはずなのに....
「忘れること=意思の弱さ」
人間の最大の弱みは
「忘れてしまう」ことなんじゃないか。
長らくそう思っていました。
🌻
先日この話をお父さんにした。
そしたら
「でも、忘れることができるっていうことは、
人間の最大の強みでもあるんだよ」
と言われて、ハッとしました。
「パパは絶対忘れらないって思ってた過去の辛いことも、忘れることができたから」
大切な人の死。
災害。
失恋。
過去のトラウマ。
絶対に乗り越えられない
と思っていることがあっても、
時間が経つに連れ、傷は癒され、
人は必ず前に進むことができる。
それは、辛いことを時間とともに
どんどんどんどん
「忘れる」ことができるから。
人に「忘れる」という力があるから、
その時の問題を、 時間が解決してくれる。
そう思ったら気持ちが楽になりました。
なんだ、そっかぁ、
忘れてしまうことは
人間の最大の弱みであり、
忘れられることは
人間の最大の強みでもあるのか、
弱みじゃないんだね。
「君の名は」の最後。
お互いの名前を忘れてしまった2人は
無事に再会を果たすことができた。
名前は忘れてしまっていても、
心の中に残ってあるものがあったからだと思う。
忘れたくないこと。
忘れちゃだめなこと。
忘れることなんて一生できないこと。
自分に誓った約束は
時間とともに薄まってしまうものだと思う。
でも、その誓った時の想いと意思の強さは、
しっかり細胞レベルで自分の中に叩き込まれているんだと思う。
少なくともそう信じて生きていきたい。
そろそろまた東北にいきたいなぁ😊✨