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第59回理学療法士・作業療法士国家試験PM共通問題・解説

理学療法士・作業療法士国家試験対策まとめ

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51.関節の組合せで正しいのはどれか。

  1. 肩関節-臼状関節

  2. 胸鎖関節-蝶番関節

  3. 上橈尺関節-車軸関節

  4. 腕尺関節-球関節

  5. MCP 関節-鞍関節


正答:3


  1. 肩関節は球関節である。

  2. 胸鎖関節は鞍関節である。

  3. 正しい。上橈尺関節は車軸関節である。

  4. 腕尺関節はらせん関節である。

  5. MCP関節は顆状関節である。

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52.ヤコビー〈Jacoby〉線上に位置する椎骨はどれか。

  1. T12

  2. L1

  3. L2

  4. L3

  5. L4


正答:5

ヤコビー線はL4の高さにある。L4,L5の間という報告もある。

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53.滑車神経が支配する外眼筋はどれか。

  1. 下斜筋

  2. 下直筋

  3. 上斜筋

  4. 上直筋

  5. 外側直筋


正答:3


  1. 下斜筋は動眼神経支配です

  2. 下直筋は動眼神経支配です

  3. 正しい。上直筋は滑車神経支配です

  4. 上直筋は動眼神経支配です

  5. 外側直筋は外転神経支配です。

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54.温痛覚の経路はどれか。

  1. 脊髄小脳路

  2. 皮質脊髄路

  3. 前脊髄視床路

  4. 網様体脊髄路

  5. 外側脊髄視床路


正答:5


  1. 脊髄小脳路は深部感覚など小脳系の伝導路である。

  2. 皮質脊髄路は錐体路と呼ばれ、運動系の伝導路である。

  3. 前脊髄視床路は触覚の伝導路である。

  4. 網様体脊髄視床路主に運動と姿勢の制御に関与する。

  5. 正しい。外側脊髄視床路は温痛覚の伝導路である

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55.一次ニューロンの細胞体が主に存在する部位はどれか。

  1. 後 角

  2. 後 索

  3. 前 角

  4. 側 索

  5. 後根神経節


正答:5

5.すべての感覚神経(体性感覚)の一次ニューロンの細胞体は後根神経節に存在する。

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56.腋窩神経で正しいのはどれか。

  1. 三角筋を支配する。

  2. 広背筋を支配する。

  3. 後骨間神経を分枝する。

  4. 上腕内側の皮膚感覚を支配する。

  5. 腕神経叢の外側神経束から分枝する。


正答:1


  1. 正しい。腋窩神経は三角筋を支配します。

  2. 広背筋を支配するのは胸背神経である。

  3. 後骨間神経を分岐するのは橈骨神経である。

  4. 上腕内側を支配するのは内側上皮神経である。

  5. 腕神経叢は後神経束から分岐する。

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57.後腹膜に存在するのはどれか。 2 つ選べ。

  1. 空 腸

  2. 腎 臓

  3. 横行結腸

  4. 十二指腸


正答:3,5


  1. 胃は小弯側と大弯側に間膜を有する腹腔内臓器である。

  2. 空調は腹腔内臓器である。

  3. 正しい。

  4. 横行結腸は腹腔内臓器である。

  5. 正しい。

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58.甲状腺が分泌するホルモンはどれか。

  1. メラトニン

  2. オキシトシン

  3. カルシトニン

  4. バソプレシン

  5. パラトルモン


正答:3


  1. メラトニンは松果体から分泌される。

  2. オキシトシンは下垂体後葉から分泌される。

  3. カルシトニンは甲状腺から分泌される。

  4. バソプレシンは下垂体後葉から分泌される

  5. パラトルモンは副甲状腺から分泌される。

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59.平衡聴覚器で正しいのはどれか。

  1. 耳石器は鼓室にある。

  2. 蝸牛神経は耳管を通る。

  3. 半規管は角加速度を知覚する。

  4. アブミ骨筋は前庭神経に支配される。

  5. 内耳道は内リンパ液で満たされている。


正答:3


  1. 耳石器は前庭部にある。加速度を感知する。鼓室はツチ骨、アブミ骨、ツチ骨がある中耳の空間のこと

  2. 蝸牛神経は耳管は通らない。

  3. 正しい。角速度を検知する。

  4. アブミ骨筋は顔面神経に支配される。

  5. 内耳道は外リンパ液で満たされている。

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60.体細胞分裂の開始に関わる細胞内小器官はどれか。

  1. 核小体

  2. 小胞体

  3. 中心小体

  4. Golgi 装置

  5. ミトコンドリア


正答:3


  1. 核小体は3種の核酸RNAを合成する。

  2. 滑面小胞体はリボソームが付着していない小胞体総称で、糖や脂質代謝、薬物代謝に関与する。粗面小胞体はリボソームが付着する小胞体で、遺伝情報をもとにタンパク質を合成する。

  3. 正しい。中心小体は細胞分裂の際、紡錘糸を形成して染色体の移動に関与する。

  4. 粗面小胞体でタンパク質が合成、脂質成分をつくります。タンパク質合成後、ゴルジ装置を経由して、分泌される。リボソームが付着する。

  5. ミトコンドリアはATPを合成する細胞小器官である。

細胞内小器官の働きについてはこちら

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61.末梢神経の C 線維で正しいのはどれか。

  1. 有髄線維である

  2. 骨格筋を支配する。

  3. 受容器は筋紡錘である

  4. B 線維より直径が小さい。

  5. Aα 線維より伝導速度が速い。


正答:4


  1. C線維は無髄神経である。

  2. C線維は痛覚を伝える。

  3. 受容器が筋紡錘なのはIaとⅡ線維である。

  4. 正しい。A>B>Cで太い

  5. C線維は伝導速度は最も遅い

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62.交感神経の節前線維で直接支配されるのはどれか。

  1. 肝 臓

  2. 心 臓

  3. 気管支

  4. 唾液腺

  5. 副腎髄質


正答:5

選択肢の中で交感神経の節前線維で直接支配されるのは副腎皮質である。


交感神経の節前線維の神経伝達物質のアセチルコリンによって

節後線維の副腎髄質へと伝達される。

副腎髄質からノルアドレナリンが分泌されます。

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63.呼吸の生理で正しいのはどれか。

  1. 呼気時に横隔神経の活動電位が生じる。

  2. 迷走神経が亢進すると気道抵抗は低下する。

  3. 肺コンプライアンスが増加すると機能的残気量は減少する。

  4. pH が上昇すると酸素はヘモグロビンから解離しやすくなる。

  5. 呼吸商は単位時間あたりの二酸化炭素産生量と酸素消費量の比である。


正答:5


  1. 横隔膜は吸気に働くので吸気で活動電位が生じる。

  2. 迷走神経(副交感神経)が亢進すると気管支は収縮するため、気道抵抗は上昇する。

  3. 肺コンプライアンスが増加すると肺はやわらかくなるので機能的残気量は増加します。

  4. pHが減少すると酸素がヘモグロビンから解離しやすくなる。

  5. 正しい。

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64.各臓器と血流量の局所性調節の組合せで正しいのはどれか。

  1. 骨格筋-乳酸の蓄積が血管を収縮

  2. 心 臓-低酸素が冠細動脈を収縮

  3. 脳-二酸化炭素分圧上昇が細動脈を収縮

  4. 肺-低酸素が細動脈を収縮

  5. 皮 膚-交感神経亢進が細動脈を拡張


正答:4(難易度高すぎ不適切問題)


  1. 乳酸が蓄積すると血管は拡張する。

  2. 低酸素になると冠動脈は拡張する。

  3. 二酸化炭素分圧が上昇するとphは低下し、脳血流量を増やそうとするので細血管は拡張する。

  4. 正しい。

  5. 交感神経が亢進すると、皮膚で細動脈は収縮する。

65.ワルファリンの抗凝固作用に拮抗するのはどれか。

  1. ビタミン A

  2. ビタミン C

  3. ビタミン D

  4. ビタミン E

  5. ビタミン K


正答:5


  1. ビタミンAは視覚に関与する。

  2. ビタミンCはホルモン合成や薬物代謝に関わる。

  3. ビタミンDはカルシウムとリンの吸収を促進する。

  4. ビタミンEは体内の抗酸化作用に働く。

  5. ワルファリンはビタミンKと競合し、ビタミンK依存性の凝固因子をの合成を阻害する。

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66.脂質の消化と吸収で誤っているのはどれか。

  1. Langerhans〈ランゲルハンス〉島からリパーゼが分泌される

  2. リパーゼは脂質を脂肪酸とグリセリンに消化する。

  3. 胆汁酸は脂肪酸を乳化しミセルを形成する。

  4. ミセルは小腸粘膜で吸収される。

  5. 小腸で吸収された胆汁酸は門脈を介して肝臓へ運ばれる。


正答:1


  1. 間違い膵臓は外分泌系と内分泌系に分けられ、ランゲルハンス島は内分泌系に分類する。リパーゼは外分泌系から分泌される。

  2. 正しい。リパーゼはトリグリセリドを脂肪酸とグリセリンに分解する

  3. 正しい。胆汁酸は脂肪酸とミセルを形成し、吸収しやすくする。

  4. 正しい。

  5. 正しい。

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67.近位尿細管における再吸収率が最も高いのはどれか。

  1. グルコース

  2. 水素イオン

  3. クレアチニン

  4. ナトリウムイオン


正答:2


  1. 水は近位尿細管と集合管から再吸収される。

  2. 正しい。グルコースは近位尿細管でのみ再吸収される。

  3. 水素イオンは近位尿細管で分泌される。

  4. クレアチニンは糸球体でろ過され尿細管で再吸収されずほとんど尿中に排泄される。

  5. ナトリウムイオンは近位尿細管でも遠位尿細管でも再吸収される。

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68.体温の調節機構で正しいのはどれか。

  1. 体温の調節中枢は間脳にある。

  2. 体温は午前より午後の方が低い。

  3. 精神性発汗によって体温は上昇する。

  4. 体温が上昇すると骨格筋は収縮する。

  5. 甲状腺ホルモンは熱生産を低下させる。


正答:1


  1. 正しい。

  2. 体温は午後の方が低い。夕方に高くなる。

  3. 発汗によって汗が蒸発し熱エネルギーを奪うので体温は減少する。

  4. 体温が上昇すすると骨格筋は弛緩する。

  5. 甲状腺ホルモンは代謝を活性化させ、熱産生を上昇させる。

69.骨格筋の筋張力で正しいのはどれか。

  1. 全張力と静止張力の和が活動張力となる。

  2. 活動張力は筋長が長くなるほど大きくなる。

  3. 求心性運動では速度が速いほど最大筋張力が大きい。

  4. 筋張力が一定の場合、短縮速度は負荷が小さいほど速い。

  5. 求心性運動は遠心性運動より大きな筋張力を発揮することができる。


正答:4


  1. 全張力=静止張力+活動張力

  2. 活動張力は筋長が長いほど大きくなるわけではなく、適した長さで大きくなる。

  3. 求心性収縮では速度が大きいほど最大筋張力は小さくなる。

  4. 正しい。筋張力は一定なので負荷が小さいと短縮速度は速くなる。

  5. 遠心性運動は求心性運動より筋張力は大きい。

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70.肩甲上腕関節の内旋作用をもつのはどれか。

  1. 棘下筋

  2. 広背筋

  3. 小円筋

  4. 三角筋後部線維

  5. 上腕二頭筋長頭


正答:2


  1. 棘下筋は主に肩関節外旋に作用する。

  2. 正しい。

  3. 小円筋は主に肩関節外旋に作用する。

  4. 三角筋後部線維は主に肩関節伸展に作用する。

  5. 上腕二頭筋長頭は主に肩関節屈曲に作用する。

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71.膝関節で正しいのはどれか。

  1. 膝関節は顆状関節である。

  2. 内側半月は O 字状の形状である。

  3. 外側側副靱帯は屈曲時に緊張する。

  4. 前十字靱帯は脛骨の後方への逸脱を防いでいる。

  5. 完全伸展位に近づくと脛骨は大腿に対し外旋する。


正答:1,5


  1. 正しい。

  2. 内側半月はC字状である。外側半月はO字状である。

  3. 外側副靭帯は屈曲時弛緩する。

  4. 前十字靭帯は脛骨の前方へ制動してる

  5. 正しい。

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72.距骨上面の高さの足関節部と下腿筋との位置関係を図に示す。正しいのはどれか。



  1. ①-長腓骨筋

  2. ②-前脛骨筋

  3. ③-長指伸筋

  4. ④-後脛骨筋

  5. ⑤-第 3 腓骨筋


正答:2


  1. ①は長母趾伸筋

  2. 正しい。

  3. ③は後脛骨筋

  4. ④は第三腓骨筋

  5. ⑤は長腓骨筋

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73.成人の正常立位姿勢で正しいのはどれか

  1. 仙骨は前弯を示す。

  2. 腰仙角は約 5 度である。

  3. 重心の位置は小児より相対的に頭部に近い。

  4. 矢状面における重心は仙骨の前方に位置する。

  5. 矢状面上における身体の重心線は大転子の前方を通る。


正答:4


  1. 仙骨は後弯する。

  2. 陽仙角は第5腰椎と仙骨軸とのなす角のことで平均143°である。

  3. 小児の方が頭部に近い

  4. 正しい。

  5. 大転子を通る。

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74.運動学習で最も適切なのはどれか

  1. 学習初期から二重課題法を取り入れる

  2. 学習課題の難易度は高いほど効果がある

  3. 療法士の助言は内在的フィードバックである。

  4. 記憶障害がある場合は試行錯誤学習を適応する。

  5. 運動技能が向上すればエネルギー効率が良くなる。


正答:5


  1. 二重課題は難易度が高いため、学習初期から取り入れる必要はない。

  2. 学習課題の難易度が高いほど効果があるわけではない。

  3. 療法士の助言は外在的フィードバックである。

  4. 記憶障害がある場合、試行錯誤学習をする必要はない。

  5. 正しい

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75.疾患と病因・病理学的変化の組合せで正しいのはどれか。

  1. Creutzfeldt Jakob 病-神経変性疾患

  2. Parkinson 病-腫瘍性疾患

  3. 肝性脳症-感染性疾患

  4. 多系統萎縮症-脳血管疾患

  5. 多発性硬化症-脱髄疾患


正答:5


  1. Creutzfeldt Jakob 病は感染性疾患である。

  2. パーキンソン病は神経変性疾患である

  3. 肝性脳症は肝臓の機能低下による疾患である。

  4. 多系統萎縮症は神経変性疾患である。

  5. 正しい。

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76.前頭葉の損傷による高次脳機能障害で生じるのはどれか。 2 つ選べ

  1. 視覚失調

  2. 肢節運動失行

  3. 触覚失認

  4. 相貌失認

  5. Broca 失語


正答:2,5


  1. 視覚失調は後頭葉の損傷である。

  2. 正しい。肢節運動失行は前頭葉の損傷である。

  3. 触覚失認は頭頂葉~側頭葉の損傷である。

  4. 相貌失認は後頭葉~側頭葉の損傷である。

  5. 正しい。Broca失語は前頭葉の損傷である

損傷部位に関する過去問題はこちら

77.アポトーシスによる細胞の変化はどれか。

  1. 核の融解

  2. 細胞の膨化

  3. 細胞内容の放出

  4. 散在性の細胞死

  5. 周囲の炎症反応


正答:4

核の融解、細胞の膨化、細胞内容の放出、周囲の炎症反応はネクローシスによる細胞の変化である。

4.正しい。散在性の細胞死はアポトーシスによる細胞変化である。

アポトーシスに関する過去問題はこちら

78.Duchenne 型筋ジストロフィーで正しいのはどれか。

  1. 幼少期に発症する。

  2. 心筋障害はまれである。

  3. 下肢に伸展拘縮をきたす。

  4. 常染色体劣性遺伝である。

  5. 筋形質膜にジストロフィン蛋白がみられる


正答:1


  1. 正しい。幼少期に発症する。

  2. 心筋障害を呈することはある。

  3. 下肢に屈曲拘縮を呈する。

  4. X連鎖劣性遺伝である。

  5. 筋形質膜にジストロフィン蛋白を欠損する。

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79.無意識の願望と思考を意識的に気付きから排除する防衛機制はどれか。

  1. 昇 華

  2. 統 制

  3. 抑 圧

  4. 抑 制

  5. 歪 曲


正答:3,4(解2つ)


  1. 昇華は性欲や支配欲などの基本的欲求を社会的に容認された方法で解消することである。

  2. 統制は周囲の人や環境などの出来事や対象を、過度に管理したり統制すること

  3. 正しい。抑圧は容認しがたい自分の欲求を無意識のうちに押さえつけてしまうことである

  4. 正しい。抑制は容認しがたい自分の欲求や考えを意図的に意識させないようにすることである。

  5. 歪曲とは防衛機制のひとつで、現実を歪曲して自分の都合の良いように解釈し認識すること。

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80.Freud の発達論で 6 ~12 歳ころはどれか。

  1. 感覚運動期

  2. 形式的操作期

  3. 性器期

  4. 潜在期

  5. 前操作期


正答:4


  1. 感覚運動期はピアジェの認知認識理論である。

  2. 感覚運動期はピアジェの認知認識理論である。

  3. 性器期はFreudの発達論のエディプス期のことである。

  4. 正しい。潜在期はFreudの発達論の6~12歳ころである。

  5. 前操作期はピアジェの認知認識理論である。

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81.日常生活場面で必要とされる記憶の障害を検出するのに最も適した検査はどれか

  1. HDS-R

  2. MMSE

  3. RAVLT

  4. RBMT

  5. WMS-R


正答:4


  1. HDS-Rは改定長谷川式簡易知能評価スケールであり、認知機能を検査する評価指標である。

  2. MMSEはMini-Mental State Examinationであり、認知機能を検査する評価指標である。

  3. RAVLT(Rey Auditory Verbal Learning Test)はレイ聴覚性言語学習検査といい、言語性記憶機能を検査する評価指標である。

  4. 正しい。RBMT(Rivermead behavioral memory test)はリバーミード行動記憶検査といい、日常生活で遭遇する状況を想定して行う記憶障害検査である。

  5. WMS-R(ウェクスラー記憶検査)は見当識障害や視覚性記憶など、様々な観点から測定できる総合的な記憶検査である。

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82.フレイルの高齢者の特徴で正しいのはどれか。

  1. 筋量が増加する。

  2. TUG 時間が短くなる。

  3. 長座位前屈距離が短くなる

  4. 運動負荷時の Borg 指数が低値になる

  5. FBS〈Functional balance scale〉が低値になる。


正答:5


  1. フレイルの高齢者の特徴で筋力低下がある。

  2. フレイルの高齢者の特徴で歩行速度の低下がある。

  3. フレイルの高齢者で長座位前屈距離が短くなるとは限らない。

  4. フレイルの高齢者は運動強度が低下するため、Borg指数は高値になる。

  5. 正しい。フレイルの高齢者では筋力低下などによりバランス機能も低下する。FBSは低値になる

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83.不動による廃用症候群で生じやすい病態はどれか。

  1. 安静時心拍数の低下

  2. 間質性肺疾患

  3. 自律神経過反射

  4. 深部静脈血栓

  5. 低カルシウム血症


正答:4


  1. 安静時心拍数は増加する。循環機能が低下するため、1回拍出量が低下する。

  2. 関節性肺疾患は廃用との関連は低い。

  3. 自律神経過反射と廃用の関連は低い

  4. 正しい。深部静脈血栓症は不動による廃用により引き起こされる

  5. 不動による廃用では高カルシウム血症を生じる。不動によって骨吸収が促進する。

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84.抗てんかん薬の副作用で最も頻度の低いのはどれか。

  1. 傾 眠

  2. 複 視

  3. めまい

  4. 肝機能障害

  5. 末梢神経障害


正答:5


  1. 傾眠は抗てんかん薬の副作用である。

  2. 複視は抗てんかん薬の副作用である。

  3. めまいは抗てんかん薬の副作用である。

  4. 肝機能障害は抗てんかん薬の副作用である。

  5. 末梢神経障害は抗てんかん薬の副作用として頻度は低い。

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85.Guillain-Barré 症候群の診断で有用なのはどれか。

  1. CT

  2. MRI

  3. 髄液検査

  4. 脳波検査

  5. 血液培養検査


正答:3

Guillain-Barré 症候群の診断は髄液所見、電気生理学的検査などで診断する。

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86.便秘を最も生じやすい薬剤はどれか。

  1. モルヒネ

  2. グリセリン

  3. センノシド

  4. ラクツロース

  5. 酸化マグネシウム


正答:1


  1. 正しい。モルヒネはオピオイド鎮痛剤であり、腸の活動を低下させたり、消化液の分泌を低下させる。

  2. グリセリンは排便を促す

  3. センノシドは下剤であり、排便を促す

  4. ラクツロースは下剤であり、肝性脳症の治療薬である

  5. 酸化マグネシウムは下剤であり、軟便にする。

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87.装具療法の主たる目的でないのはどれか。

  1. 機能の補助

  2. 局所の免荷

  3. 筋力の強化

  4. 疼痛の軽減

  5. 変形の矯正


正答:3


  1. 歩行時の底屈の動きを制動するためのゲイトソリューション継手などがあります。

  2. 短下肢装具でPTB免荷用の装具などがあります。

  3. 間違い。装具療法は筋力強化が主な目的ではありません。

  4. 関節リウマチも疼痛軽減目的で装具が使われることがあります。

  5. ミルウォーキー型側弯矯正装具は脊柱の変形および回旋の治療を目的とした装具である。

88.変形性股関節症で正しいのはどれか。

  1. 発症は遺伝の影響を受けない。

  2. 有病率は女性より男性が高い。

  3. 一次性の頻度は二次性より高い。

  4. 変形性膝関節症の合併リスクは低い。

  5. 重量物作業を伴う職業は発症のリスク要因である。


正答:5


  1. 発症は遺伝の影響を受けるとの報告もある。遺伝が影響ないとは言い切れない。

  2. 有病率は女性の方が高い

  3. 二次性の方が一次性より高い。一次性は原因がわからないもの、二次性は他の病気が起因でおこるもの

  4. 変形性膝関節症発生頻度は高い

  5. 正しい。重量物作業、肥満、スポーツなどが要因となる。

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89.後縦靭帯骨化症で正しいのはどれか。

  1. 日本人より欧米人に多い。

  2. 腰椎部に最も多く発生する。

  3. 進行すれば痙性麻痺を生じる。

  4. 発症は遺伝の影響を受けない。

  5. 有病率は男性より女性が高い。


正答:3


  1. 欧米よりアジアに多い。

  2. 頸椎に多く発症する

  3. 正しい。中枢神経系のによる筋支配が障害されるため筋緊張亢進する。

  4. 遺伝の影響を受けないとはいえない。

  5. 有病率は女性より男性の方が高い

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90.骨粗鬆症の危険因子で誤っているのはどれか。

  1. 長期の臥床

  2. ビタミンAの不足

  3. エストロゲンの減少

  4. 原発性副甲状腺機能亢進症

  5. 副腎皮質ステロイドの長期投与


正答:2


  1. 正しい。長期の臥床は骨吸収が促進され、骨量が減少する。

  2. ビタミンA は皮膚などを健康に保ち、抵抗力を高める役割があり、骨粗鬆症とは関連しづらい。

  3. 正しい。エストロゲンは破骨細胞と骨芽細胞に関与している。

  4. 正しい。原発性副甲状腺機能亢進症は骨吸収を促進する

  5. 正しい。ステロイドの副作用で骨粗鬆症がある。

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91.筋萎縮性側索硬化症における典型的な筋電図検査所見で正しいのはどれか。

  1. 運動神経伝導検査における遠位潜時延長

  2. 感覚神経伝導検査における伝導ブロック

  3. 針筋電図検査における線維束攣縮の電位出現

  4. 反復刺激試験における漸減現象〈Waning〉

  5. 反復刺激試験における漸増現象〈Waxing〉


正答:3

筋萎縮性側索硬化症における典型的な筋電図検査所見は線維束攣縮の電位出現である。

線維束攣縮は不随意な筋の収縮と弛緩の運動である。

筋萎縮性側索硬化症の過去問題はこちら

92.先天性心疾患の中で頻度が高いのはどれか。

  1. 三尖弁狭窄症

  2. 動脈管開存症

  3. 肺動脈狭窄症

  4. 心室中隔欠損症

  5. 心房中隔欠損症


正答:4


  1. 三尖弁狭窄症の患者数は全国に約500人程である。

  2. わが国先天性心疾患のなかで3番目に多いです。

  3. 肺動脈狭窄症は心臓の先天性疾患の8~10%である。

  4. 正しい。わが国の先天性心疾患の中で最も多い。

  5. 心室中隔欠損症よりは少ない。

循環器疾患の過去問題はこちら

93.感染症で正しいのはどれか。

  1. 疥癬はネズミによって媒介される。

  2. 帯状疱疹は麻疹と同じウイルスが原因で発症する。

  3. ボツリヌス菌による食中毒は感染型である。

  4. ポリオは血液を介して感染する。

  5. レジオネラ症は空調設備が感染源となる。


正答:5


  1. 疥癬はヒゼンダにが媒介する。

  2. 帯状疱疹は水疱瘡と同じウィルスが原因である。

  3. ボツリヌス菌は毒素型食中毒である。

  4. ポリオは経口から感染する。

  5. 正しい。

感染症に関する過去問はこちら

94.転移性骨腫瘍で正しいのはどれか。

  1. 頭蓋骨に好発する。

  2. 前立腺癌では溶骨性転移が多い。

  3. 高率に低カルシウム血症をきたす。

  4. 痛みには温熱療法が第一選択となる。

  5. 造骨性の骨転移では病的骨折は少ない。


正答:5


  1. 脊椎、骨盤、大腿骨、上腕骨、肋骨などに発生します。

  2. 溶骨性転移で多いのは乳がんです。前立腺がんは造骨性骨転移があります。

  3. 高カルシウム血症が腫瘍随伴症状の代表的なものです。

  4. 鎮痛剤も使用することもあるが、放射線治療もしくは薬物療法が第一選択となります。

  5. 正しい。

腫瘍に関する過去問題はこちら

95.広範囲熱傷の病態と急性期治療で誤っているのはどれか。

  1. 高血糖になる。

  2. 全身浮腫を生じる。

  3. 輸液量を制限する。

  4. 基礎代謝量は増加する。

  5. 高蛋白の栄養療法にする。


正答:3


  1. 正しい

  2. 正しい

  3. 間違い。熱傷では水分不足になりやすいため、大量に輸液しなければならない。

  4. 正しい

  5. 正しい

熱傷に関する過去問題はこちら

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96.うつ病と比較した場合の双極性障害の特徴はどれか。

  1. 発症年齢が低い。

  2. 生涯有病率が高い。

  3. 遺伝的素因が少ない。

  4. 自殺のリスクが低い。

  5. 生涯有病率の男女差が大きい。


正答:1


  1. 正しい。発症年齢は双極性障害よりうつ病のほうが高い

  2. 生涯有病率は双極性障害よりうつ病のほうが高い

  3. 双極性障害はうつ病より遺伝的素因は大きい。

  4. うつ病より双極性障害のほうが自殺のリスクは高い

  5. うつ病の男女比は2:1。双極性障害は1.1:1と言われてる。

気分障害に関する類似問題はこちら

97.せん妄で正しいのはどれか。

  1. 認知機能は保たれる。

  2. 高齢は危険因子となる。

  3. 睡眠覚醒リズムは保たれる。

  4. 症状の経過は不可逆的である。

  5. 夜間に起こることはまれである。


正答:2


  1. 認知機能は低下する

  2. 正しい。

  3. せん妄では睡眠覚醒リズムは崩れます。

  4. 症状の経過は可逆的である。

  5. 夜間せん妄などでは夜間に不穏になり暴れたり大声を発したりすることがある。

せん妄に関する類似問題はこちら

98.統合失調症の陰性症状はどれか。 2 つ選べ。

  1. 意欲低下

  2. 感情の平板化

  3. 幻 覚

  4. 妄 想

  5. 連合弛緩


正答:1,2


  1. 正しい。

  2. 正しい。

  3. 幻覚は統合失調症の陽性症状です

  4. 妄想は統合失調症の陽性症状です

  5. 連合弛緩は統合失調症の陽性症状です。

統合失調症の類似問題はこちら

99.自閉症スペクトラム障害児が母親の手をとり目的の物に持っていく行動はどれか。

  1. 常同運動

  2. 運動チック

  3. オウム返し

  4. クレーン現象

  5. タイムスリップ現象


正答:4


  1. 常同運動は自閉症スペクトラム障害児にみられる症状であり、目的のないように見える行動を繰り返し行うことです。

  2. 運動チックとはトゥレット症候群ともよばれ、突発的な不規則な体の動きや発声を繰り返すことです。

  3. オウム返しは自閉症スペクトラム障害児にみられる症状であり、他人が言った言葉をそのまま繰り返して話してしまう話し方のことです

  4. 正しい。クレーン現象は自閉症スペクトラム障害児が母親の手をとり目的の物に持っていく行動である。

  5. タイムスリップ現象は時間の概念や時間を理解できない時に、過去に起こったことが今起こったことだと思い込んでしまうことです。

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100.振戦せん妄で正しいのはどれか。

  1. 生命への危険性は低い。

  2. 羽ばたき振戦がみられる。

  3. ベンゾジアゼピン系薬を使用する。

  4. 飲酒停止後 24 時間以内に多くみられる。

  5. アルコール血中濃度の上昇に伴って生じる。


正答:3


  1. 生命への危険が低いとは言えない。

  2. 羽ばたき振戦はCO2ナルコーシスなどでみられる。

  3. 正しい。

  4. 飲酒停止後48時間後におおくみられる。

  5. 振戦せん妄はアルコール血中濃度が低下した時におこる。

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