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#ハッピーバレンタイン
バレンタインデー side B
朝、いつもより十五分早くセットした目覚まし時計のベルをとめる。
緊張しているせいか、いつもよりスッキリと目が覚める。ベッドの上で小さく伸びをして、枕元に置いてあるデジタル時計で日付を確認した。
今日は二月十四日。勝負の日、バレンタインデーだった。
「あら、おはよう、優香。今日は早いのね」
制服に着替えて一階のリビングに降りていくと、お母さんがまだ朝食を作っているところだった。お父
バレンタインデー side A
いつもより早めにセットした目覚ましが、静かな部屋に鳴り響いた。目を開けずにのばした右手でその音を黙らせた俺は、ゆっくりとベッドの上で起き上がった。
首を回して、凝った肩をほぐす。いつもより目覚めの良い頭で、壁にかけられたカレンダーを確認する。好きなアイドルの写真が載ったポスター型のそのカレンダーには、今日の日付に赤マルが打たれていた。二月十四日の金曜日。そう、今日はバレンタインデーだった。