ハロウィン製作はロックですよ♪
どこの保育園でもだと思うんですが、ハロウィン製作の季節真っ盛り。
有名なオレンジかぼちゃの鬼火のおばけJack -o -Lantern の製作物や壁面を、たぶんどこの園の先生も子供たちも作ってると思います。
私の園では他の先生がJackさんを作って下さってたので、私は3,4,5歳クラスの子供たちにオリジナルで他のものを作ってもらいました。
キャンディカップにもなる黒猫のオーナメント。
(材料…紙コップ、色画用紙で作った猫型、カラーマーカー、目を描く白のポスカか修正液、マスキングテープ、モール、穴あけパンチなど)
製作(クラフト)で、市販のやダウンロードしたテンプレートは私は使わず、基本私が自分で描くか子供たちに好きなように描いてもらいます。
既製のテンプレートを使った方が、みな同じようにきれいに出来るのかも知れませんが、私はその子にしか作れない作品のセンスを磨いてほしいからです。
これが良いことなのか悪いことなのかは、先生や専門家の方には賛否両論あると思ってますが…
私は同じようにきれいに作ることに自分が全く興味がないし、むしろその子だからある良さや個々のセンスを育てたい。
音楽で言うなら、たぶん私のクラフトレッスンはROCKやPOP ROCKやPOPS ということになるんじゃないかと思います。
だから、製作はライブと同じ。
演奏する側(作る側)もわくわくするし、そのライブや曲(作品)を見た他の学年の子供たちにも「かっこいい!」「僕もやりたい!」と影響が波紋する。
まるでカッコいいミュージシャンのライブをみた少年少女が、人生が動くほどの影響を受けて自分もギターやベースやドラムやピアノやコンガを始めるように。
(ちなみに私の人生も、その連続しかなかったし、誰にいくら言われても怒られても興味がないことには、びた一文心も身体も動きませんでした)
こういうことを書くとすぐ、それでプロになるのならないのという二言論を振りかざす人が出てきてウンザリするんですが、他に考えられんのかと思うし、そういう問題ではないんです。
その人にしかない面白さや深さ=センスがどうやって育つのか?の問題なのです。
人のセンスや引き出しの深さとは、そういう強い感動・心の動き・それで実際に自分が動いてやって来たり生きてきた体験や触れたものから作られる!
それを育てるのが、保育者としての私の役割だと、私は思ってます。
これは、自分のセンスを持ってる人なら首をブンブン振るほどわかると思うんですよ。
音楽を始め、芸術とは、「わぁ!素敵!」「カッコいい!」「私もやりたい!」という強い心の動き=感動から、一瞬にしてその人の強い衝動と行動を作ってしまうものです。
そういう意味では、私も生まれたときからずっと芸術への感動に育てられてきたし、育った環境や生い立ちが複雑なので普通の人が死にたいと思うような状況からも、音楽や好きなものに頭がいっぱいだったお陰で救われてきて(というよりも、頭悪いし鈍いので、意識や興味がそちらには全く行かず…)今があります。
きれいなものをお手本通りにきちんと作ることは、もっと上手で知識も実力もある先生方が、私よりも的確に子供たちに教えてくださると思うんです。
だから私は、私みたいな人間だからこそ可能なことをやっていきたい。
私にはない大人としての視点・見解・常識や素晴らしさをお持ちの先生方からは、中身が子供のまま大人になった私が学ばせていただいてることが、実は沢山あります。
ちなみにロックなハロウィン製作、子供達は大よろこび。
「イエーーーーイ!」と言って、まさにノリノリでそれぞれのセンスが爆発する黒猫を作ってました。
うちのバイリンガル保育園は1歳~5歳までの縦割りなんですが、3,4,5歳の彼らがノリノリで作った私のレッスンの黒猫作品を見た2歳クラスの子達が、
「可愛い!」「作りたい!」と、ぴょんぴょん跳ねながらのおおさわぎ。
まるでロックスターの最前列で盛り上がって跳ねてる女の子達じゃないですか。
自分がわくわくしないことなんかびた一文やりたくない人間なので、私にはこういうやり方しかたぶん出来ないと思います。
こんなのがよく先生になったなぁ…、先生の皮をかぶったナントカじゃないか?という葛藤が毎日8-10時間、保育士をしててあることはあるのですが…
「イエーーーーイ!!」と言って楽しそうに作り始めた子供達の目の輝きと、あのPOPでROCKな黒猫達の作品こそが、私が先生でいる意味でいいと思ってます。
Ikuyo Matsubara