クリスマス・モノローグ
◇竹本 渚
ブブー。姉からの通知。「今年は帰ってこないの?」
毎年、家族でクリスマスの食事をしていた。今年は下の姉の婚約者も一緒。そう、あのひとも。
笑えそうにないし、黙っていても顔がひきつりそうだし。
「予定があるから」と返事を返す。
あのひとは、姉の幼馴染で、よく小さい俺とも遊んでくれた。優しくて頼れる兄貴。二人が婚約するもの自然な流れなんだろう。
俺があのひとを好きだと気づいたときは、もうそうなっていた。
告白? いやそんな資格なんてないし。姉に気づかれるのも嫌だ。
スタートラインに並ぶ資格さえない俺は、捨て犬みたいにさまようだけだ。煮え切らない思いは、くすぶり続ける。
あのひとが姉と結婚する。文字通り、義兄になる。切りたくても切れない。あまずっぱくも苦い思い。顔を合わせるのが辛い。
酒でも買って、郁たちのところでも行くか。邪魔してやるか。
ブブー。げ、あの後輩からだ。俺に3度告白してきたあいつ。
例えばこいつと付き合えば、雨宮さんと郁みたいなことになる可能性もあるのかな。いやいや、なしなし!
「せーんぱい、みっけ!」ニコニコ顔で突進してくるやつがいた。
「何してんですか?」
「小泉先輩のところにいくんすか。俺も連れてってくださいよ」
しっぽをひきちぎらんばかりにふる、仔犬の目で訴えてくる。
がるるる。困った俺は唸り声をあげながら、後輩をみる。
しょーがねーな。3回告白をがんばったら、つきあうのが俺のポリシーだから、ちょっとだけな。一緒に郁のところに乱入するか・・・。
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