リターンイベントVol.4 開催レポート
2月19日、第4回リターンイベントを開催しました。
第4回イベントは、『育休のリアル』の4章の「迷い・葛藤」がテーマです。
ゲストは「両立チーム育児ラボ」から、城 梨沙さんと浜本 晴菜さんにご登壇頂きました。
表題は「育休中に自分を見つめ直し、仲間との対話で『自分軸』を見つけよう!」で、お二人の経験談を交えながら、産育休中に自分を見つめ直し「自分軸」を見つけることの大切さについてお話頂きました。
<両立チーム育児ラボ>
産育休中のパパママがつながり、家庭に第三者やテクノロジーを取り入れてチームで家事育児をする「チーム育児」に取り組む実践型コミュニティ。産休・育休という仕事から離れる時間を活用して、自分やパートナーと向き合い、仲間と共に内省と対話を繰り返すことで自分たちらしい両立の形を見つけるための1年間のプログラムを運営しています。2021年4月より、「ライフキャリアイノベーションラボ」としてリニューアルスタートを予定。産育休中のワーキングペアレンツが繋がり、内省と対話を通して「自分軸」を見つける1年間のプログラムを運営するオンラインコミュニティです。
城 梨沙さん(写真右)
株式会社エスキャリア・ライフエージェンシー代表、両立チーム育児ラボオーナー
浜本 晴菜さん(写真左)
両立チーム育児ラボコミュニティマネージャー
なぜ育休中に「自分軸」が必要なのか?
育休中は、出産する前まで気にしてなかったことが目につくようになったりと、様々な感情・価値観の変化があります。例えば24時間の使い方が変わったり、子どもを介してこれまで接点となかった人と繋がったり、また自分以外のことに関する意思決定の機会が増えたりします。特に自分軸のキーになるのが、感情のアップダウンが増えることです。夫との会話にイラっときたり、SNSの発信にモヤモヤしたり、他の人がキラキラ見えたり。このような感情の変化がある育休中は、結局自分はどう生きていきたいのか?何を大切していきたいのか?と自問自答する機会が増えます。このようにライフキャリアの見直しなど人生を考える機会が増え、選択基準や価値観を再構築していく「自分軸に向き合うこと」が大切ということをお話頂きました。
また講演中に、「育児中・育休中の一番の悩み・葛藤は何ですか?」という問いに対し、「一日にやりたいことの4割しかできない」「復職後やっていけるのか」など多数の意見がチャットに飛び交い、共感の嵐でした。「今、自分が何を感じているのか?何に悩んでいるのか?」を素直に吐き出し、書き出してみることが大切。またそれを仲間同士で共有し、声を聞くことで安心できるということも伝えて頂きました。
子育てにおける「自分軸」の大切さ
登壇者のお二人の経験談をもとに、子育てにおける「自分軸」の大切さについてお話頂きました。浜本さん「ある程度育児に慣れてくると、周りのママや子どもと比べて落ち込むことがあったりなど、迷いや葛藤が多かった。そして特に仕事が大好きだったので、社会から切り離された感覚や、自分だけが時が止まってしまった感覚が辛かった。そんな状況を抱えながらもコミュニティに属すると、『同じ悩み・葛藤を抱えている人は私だけじゃない!』ということに気付き、この状況をどうにかしたいというエネルギーに変わった。一人でも多くのワーキングペアレンツの葛藤と向き合って一緒に乗り越えていきたいという気持ちが芽生えた。ただ、価値観が違う中で情報共有だけでは不十分で、一人一人どうありたいかという「自分軸」を認識することが大切だと気付いた。」
城さん「育児をしていて劣等感がすごかった。育児に入った瞬間、1日に何を達成したかが分からなくなり、『ただ生きてた』としか言えない喪失感みたいなものがあった。また『〇〇できない』というものにたくさん直面し、自己肯定感が下がりまくりでしんどかった。ただこれを『できない』と捉えるか『仕方ない』と捉えるかは、自分の捉え方をいかにアップデートしていくか次第。また、自分だけでなく、家族でアップデートしていくことが大切。さらに仲間と話すことで、『できないって受け入れていいんじゃない?機械を使ったら?』という気づきがあったり。自分はこれでいいんだ!と捉え方を変えていくことが、まさに自分軸。捉え方をアップデートしていくと楽になった。自分が納得できることが大事。」
パートナーと「自分軸」をすり合わせる大切さ
「自分軸」はパートナーとすり合わせて、「家族としてこうありたい」と考えることが大切です。子育ては1人でできるわけではないし、夫婦だけで抱え込むものでもありません。「チーム育児」の要素を取り入れながら、家族としてどうありたいかを子どもが生まれる前後で話し合うことが大事です。この「家族軸=『STAND』」について、登壇者お二人の「STAND」をご紹介頂きました。
城さんのご家庭では、「『どういう家族でいたいのか』というのをしっかりもっておけば、目先の小さい両立の分担に関しては、そこをもとに考えれば落ちてくる。お互い大事にしたいこと(キャリア)を大切にしようとしているので、夫婦で大変になったときの第三者の手段の提案は建設的な話し合いができるようになった。」とお話頂きました。
また浜本さんのご家庭では、「『チルドレンファーストではなくファミリーファースト』というキーワードでSTANDを掲げている。親と子のどちらかが楽しくないことに無理して付き合うわけではなく、家族単位で楽しめることをやろうよ、と言っている。親がやりたいことに子どもを巻き込んだり、子どもがやりたいことに自分の楽しいことを組み込んだりすることを意識している。夫婦で価値観が共有できているので、疲れた日には外食を提案するなど、家族全員が毎日ハッピーに過ごせるかということを基軸に生活しています。」とお話頂きました。お二人の「STAND」は、自分の家族の「STAND」を考える上で大変参考になりました。
また、「パートナーと会話ではなく『対話』の時間がとれていますか?」という参加者へのアンケートに対しては「はい」が多く、良い意味で意外な結果でした。お互いのために向かい合い、関係性を築くためのコミュニケーションを取ることが大切です。
産休育休は、仕事から少し離れて自分を見つめ直すチャンス!
自分の今の状態や感じたことを、ちょっとずつ言語化していくことが大切です。不快なことやモヤモヤしていることは、「自分の大事なことが満たされてない!」という叫びが隠れているのだそう。そこから「自分は何を満たしたいのか?」を見ていくと、自分が大事にしたい価値観・自分軸に繋がっていくそうです。このように自分一人で向き合うことが大変な時は、コミュニティに所属するのも一つの手段です。育児期は慌ただしい毎日ですが、自分自身を見つめ直し感情をキャッチすることができるようになると少しずつ楽になっていくので、今日の講演で何かヒントが見つかれば幸いです。
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