目が覚めた恋人は
やっぱり目が覚めたテディベアはショックから回復して謝ってきた。
日常生活はヘルプしてくれるプロフェッショナルを雇う、ストレスばかりの仕事は辞めて違う仕事を探すと言う。仕事で毎日ストレス、家に帰っても息子君のことでストレス、ストレスから解放される時がないからと。
プロを雇うのもいいけれど、その前に自分の関わり方、対応を変えないといけないよと話した。
テディベアの息子君への接し方を見ていると、帰宅後まっすぐにビデオゲームに向かう息子君に、矢継ぎ早に「部屋を片付けろ。洗濯物を畳め。ゴミを捨てろ。ちゃんとやれよ。約束だぞ」と言う。でも既にゲームに夢中の息子君は「うん。分かった。」と言いながらゲームを続ける。テディベアは他の事をしたり出掛けたりするのでその間は息子君はひたすらゲーム。テディベアがまた「部屋を片付けろ」と言う。でもご飯を食べさせなきゃいけないのでそこで気が逸れる。
何回も部屋を綺麗にしろと指示を出すのだけど、私に言わせればただ上から命令してるだけで息子君には響いてない。ちゃんと動く気にさせる言い方、やり方じゃないから動かない。
だから部屋に行ってウンチ付きオムツが脱いだ服で隠されてるのを発見して怒り狂う。何十回と言ったのに言うことを聞かない!と激怒してしまう。何十回と言った後だから、キツイ口調になって言葉に怒りが混じってる。そうすると息子君も反発したり嫌々モードになる。
「私だったら、息子君を部屋に連れて行って、何を片付けなきゃいけないか目の前で見せて、自分でも片付けを手伝いながら一緒にやるよ。片付けが終わるまではビデオゲームはさせない。目の前に見えないと何をしたらいいか分からないでしょう。口で離れたところから言ってもダメ。
10歳じゃなくて3歳だと思って、怒らないで教えてあげるの。3歳の子が出来なくても激怒しないでしょう。
ADHDが原因なら、彼に必要なのは叱ることじゃなくてヘルプだよ。一緒にしてあげて。
もし構わないのなら私も関わるよ。」と言った。
テディベアは理解してくれたみたい。
テディベアの目が覚める前に、息子君に階段下ですれ違った。目を合わさないように下を向いてるので、「この家から出なくていいのよ。ここで住んでいいよ。」と言うとびっくりした顔で「なんで?」と訊く。「さっきはお父さんはupsetして出て行くって言っただけだから。」と言うとホッとした顔をした。よかった。やっぱり不安に思ってたんだ。
「でもちゃんとお父さんの言うことを聞かなきゃだめよ。分かってるね?」と言うと「うん。分かってる。僕も学習したよ」と答える。
息子君を追い出したいわけじゃない。息子君が一人前になるお手伝いをしたいと思っている。ただテディベアの怒り爆発に耐えられないだけ。
テディベアは期待値が高すぎるから息子君が出来ない時に怒っちゃう。なぜあそこまで期待しちゃうんだろう。ADHDだということを忘れてるみたい。自分が10歳の時にはもっと出来ていた、家事もしてたし新聞配達もして稼いでた、とか言っちゃうのよね。自分と比べるから腹が立つのかな。多分そう。自分は我慢して頑張ってきた。なのに息子は頑張らない。それが許せない。
テディベアに聞いてみた。
「あなたのお父さんってこういう風に怒りを爆発させたことある?」
テ「ごく稀にだけどね。ベルトで叩かれた。でも僕のように物に当たることはなかった。」
「じゃあ、あなた自身がこういう風に感情をコントロール出来なくて怒りを爆発させたことって、息子君に対して以外であった?」
テ「全くなかったよ。いつも誰かに馬鹿にされても黙って耐える方だったから。」
やっぱりそうだと思った。暴力傾向のある人ではない。心優しくナイーブな人。
でも息子君に対しては厳しくなる。最初から抑えつける感じで接している。時々褒めるけど、褒め方もアッサリしてる。カナディアンなのに。自分の育てられ方も影響してるのだろうと思った。
彼が言ったようにサポートを受けようとしてもうまくいってないとフラストレーション溜まるのも分かるけど、なんとかして本当にサポートを受けてほしい。
カナダは医療が無料な代わりにシステムが機能するのが非常に遅い。無料のシステム外の有料のワークショップやカウンセリングだと一回$150とか高くて頼めない。
だから親の会とかあるんじゃない?と思うのだけど、私が探しても英語の問題か、よく分からない。
本気で探してもらい、本気で変わらないと駄目だと思う。息子君自身のself esteem (自尊心)のためにも。
私ももうテディベアに言いつけるのはやめた。今までも直接息子君に注意してたけど、その後テディベアにも言ってたのよね。でもそれがストレスを倍増させてた。自分の子供と同じだと思えば自分の責任だから彼に言う必要はない。
幸い息子君は私をリスペクトしてくれている。私に対してcomfortable な気持ちを持ってくれているらしい。
親業頑張ろう。ぼちぼち。