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高級店でのいたたまれない食卓

土曜日の夜、マッサージの仕事から帰宅したら、テディベアが「どこに食べに行きたい?」と聞いてきた。「もちろんアジアンだけど、息子君も行くんでしょ?みんなが食べられる所がいいよね」と言うと、「ピザが良い」と言う息子君。

正直ピザは飽き飽きで食べたくない。

私一人で簡単に春雨スープでも作って食べた方が美味しいし早い。と言ったのだけど、3人で食べに行くことに意義があると譲らないテディベア。

中華も探したけど息子君が食べられそうなメニューがない。

段々お腹が空いてきたからピザでも食べられる気になってきたから、ピザでいいよと言う。

混んでる時間(夜7時前)だから、ピザの宅配を頼んでも8時になっちゃう。

じゃあサンタルチア(高級ピザレストラン)に行こう、ピザだけじゃなくてステーキやほかのディナーもあるから、とテディベア。

人気店だから混んでるでしょう、ボストンピザでいいよと言うのだけど、テディベアはどこも混んでるから一緒、サンタルチアに行こうと譲らないので、3人で行った。


案の定混み込みで30分待ち。お腹を空かせた息子君がイライラしてるのが分かる。携帯電話もバッテリーの充電が切れてて遊ぶものがない。

なんとか切れずに呼ばれて席に着いてオーダーしたけど、息子君のだけなかなか来ない。結局9時前になってようやく息子君のピザとフレンチフライが来た。

待ってる間、「だから混んでる所に来るのは嫌だったんだよ。」と怒ってる息子君。「機嫌良くしなさい。」とたしなめるテディベア。テディベア自身は携帯でFacebookを見てゲラゲラ笑ったり、先に来たステーキの野菜炒めを堪能したり。あまり息子君のことを気にしてる様子はない。

私は息子君の機嫌の悪さが気になってしょうがない。と言うか、なぜ先に家で少しでも食べさせてあげるとかさせないのか理解できない。お菓子でもいいから。6時半からお腹が空いてると言ってるのに。

でも私の頼んだチキンの串焼きタジキソースも来たから、気になりつつも食べ始めた。

半分くらい食べたところでようやく息子君のピザが来た。

食べ始めた息子君に、テディベアが一言何かを注意した。息子君は「もういいよ!」と言ってフードをかぶって泣いてしまった。「せっかくずっと我慢して待ってたのに....」と。

いたたまれず、美味しかった食事も味がしない。

「お願いだから食べよう。」と声をかけようとしたところに、ちょうどテディベアも同じことを言った。

「ごめん。僕が台無しにしちゃったね。食べて。」

ようやくモソモソと食べる息子君。完食してくれたけどずっと無言で不機嫌。

あー なんでこうなんだろうな。テディベアは私を喜ばすことだけ考えて、息子君の気持ちは二の次のような気がする。子供は親に従うべきだ。赤ちゃんの時から寝室も別の北米文化なのかね。親が楽しむことがまず大事で、親は子供の奴隷じゃないという。

それは良い一面もあるけど、もうちょっと子供の気持ちやお腹が空いたという生理現象を考えてあげてほしいと思ったのだった。

(追記)

さっきこの事をテディベアに話したら、最初は全く問題と考えていなかったけど、可哀想でしょと言ったらそうだねと同意してくれて、その上で「良い親になるためにはもっと学ばなきゃだね。これからもっと僕に言ってね」と言ってくれたのでよかった。

北米は親は親、子は子という厳然とした線引きがある。日本やアジア人の親の方が子供に厳しい(特に勉強など)面も多いけど、個人の線引きが曖昧なのだよね。文化的に色々違う所が面白いなあと思う。

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