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私が「制約人材」になるまで

こんにちは。
育休プチMBA@大手町の認定ファシリテーター小澤亜季子です。

「育休プチMBA」は、子どもを持つことで労働時間や場所に制約を抱えることとなった人材(制約人材)が、組織で活躍するために必要なマネジメント思考をケースメソッドで学ぶ勉強会です。

私自身、保育園児を抱えるワーママなのですが、育休プチMBAの認定ファシリテーターとして、私自身が「制約人材」になるまでの道のりを少しお話したいと思います。
(厳密には、制約を抱えていない人なんていないので、「制約(を直視するようになった)人材」とでもいうのかもしれません。)

恥ずかしい話ですので、どうぞ笑って読んでやってください。

「女って不利??」学生時代&DINKS時代

小学校から高校までは、光塩女子学院という、カトリック系の女子高(シスターが先生で、挨拶は「ごきげんよう」)に通っていました。
女子校ですので、当然ながら女子しかおらず、あまり性別を意識することもありませんでした。部活で宝塚の真似事のようなことをしながら、伸び伸びと過ごしていました。

大学は、早稲田大学に入学し、幼稚園ぶりの共学に通うことになりました。
友だちが「女の子なんだから奢ってほしいよね~」と言っているのを聞いて、「世の中そんなもんか!」と新鮮に感じたのを今でも覚えています。
男女問わず友人に恵まれ、バンドサークルで飲んだり歌ったりして大学生活を謳歌し、特に女性であることを不利に感じたことはありませんでした。


就職活動はせずに、ロースクール(法科大学院)に進学し、半ベソをかきながら必死に勉強して、司法試験に合格し、何とか弁護士になりました。
司法試験は、当然ですが(いえ、医学部受験の女子差別を思うと悲しいことに当然ではないのかもしれませんが)、女性だから下駄を履かせてくれることもなければ、女性ゆえに足切りにあうこともありません。
男だろうと女だろうと、一生懸命頑張れば評価されるフェアな世界ですので、ここでも特段性別を意識したことはありませんでした。

司法試験合格後、就職活動を始めたところ、面接で「結婚の予定はあるか?」などと聞かれ、「???」と思ったこともありましたが、無事、現在所属している弁護士事務所に就職することができました。
弁護士になってからは、仕事が楽しくて楽しくて、夜も休日も関係なく全力で働いていました。
そうはいっても、男性弁護士よりは体力がなかったり、「おねえちゃん」扱いされたりすることもありましたが、他方で、女性ゆえに担当させていただける事件もあり、女性であることで不利な面と有利な面と両方あるし、不利な面も努力で乗り越えられるものだと信じていました。

妊娠=努力では乗り越えられない壁

こんな青臭く全能感にあふれた私が、ついに女であることのハードルにぶち当たったのが「妊娠」です。
弊事務所には女性弁護士が私しかおらず、身近なロールモデルは不在。弁護士会には優秀なワーママ弁護士が多くいましたが、スーパーマン過ぎて、ちょっと参考にならない。
妊娠を言い訳にしたくないと焦るものの、常に迫りくる吐き気、疲れやすく踏ん張りがきかない体、しかも、医師より絶対安静を命じられてしまい、もう自分の努力ではどうにもなりませんでした。
ここでようやく、キャリアを築く上で、女であることってハードルなんだな~と思い知らされました。

無事出産し、育休を頂いている間も、子どもを抱えて復職することに対する不安は強く、「どうやったら産前と同じように働けるだろう」と必死にシュミレーションしていました。
この間、育休プチMBAのことを知り、受講生として複数回参加しました。色々と学ぶことも多かったし、何より同じ境遇のエネルギッシュな女性にたくさん出会えて、とても勇気づけられたものです。

ワーママ生活で心がぽっきぽき

妊娠でも十分に心が折れたと思っていたのですが、なんのなんの序の口でした。ついに復職し、「制約人材」として本格デビューです。

子どもが0歳の時に保育園に入園できたのですが、保育園の「洗礼」はすさまじく、1週間フルで登園できる週がないくらい。子どもはすぐに体調を崩し、お迎えコールの嵐。
母乳神話にとらわれていたため、なかなか断乳できず、復職後も複数回夜間授乳を行い、睡眠不足でフラフラ。子どもからうつされた風邪、ぎっくり腰、帯状疱疹、インフルエンザと、体はボロボロ。
全然保育園に慣れてくれず、毎朝毎朝飽きもせずに「ママ―ママ―」とギャン泣きする子どもを前に、罪悪感でぺしゃんこ。産前担当していた仕事も出張も残業もできず、ボスにも先輩にも後輩にも申し訳なさと情けなさでいっぱい。メンタルもズタズタでした。

「こんなにママと一緒にいたい可愛い盛りの我が子を放置して、役にも立てないのに仕事に固執して、何の意味があるんだろう・・・仕事辞めようかな・・・」
「(専業主婦だった自分の母親と自分を比べ)育児も家事も仕事も中途半端で何やってるんだろう私・・・仕事辞めようかな・・・」
「専業主婦の奥さんがいて、残業も休日出勤も飲みニケーションも心置きなくできる男性弁護士が羨ましい・・・仕事辞めようかな・・・」
「サポート業務みたいな仕事ばっかりじゃ、成長できない・・・でもこんなお迎えコールだらけなのにチャレンジングな仕事も受けられない・・・仕事辞めようかな・・・」
とか思っていました、この私が。仕事大好き人間だったこの私が!!

ケースメソッドの登場人物そのもの

育休プチMBAでは、ケースメソッドによって学びます。

<ケースメソッドとは>
ケースメソッドとは、職場で起こりうるトラブルなどの事例が描かれたケース教材を使って、疑似的に「経験」することで意思決定力を鍛えるビジネスパーソン向きの思考トレーニングです。
https://workshift.co.jp/service/individual/wsimba/

いやまさに、私も、育プチで扱うケースメソッドの登場人物そのものみたいな、間違いだらけの過程を見事にたどりました。
今でこそ、すっかり元気になり、日々もがきながらも育児も仕事も何とかやっていますが、当時は本当にボロボロのズタズタでした。

ボロズタの私に「わかるわかる」と共感してくださる方、
「わかるけど、でもちょっと変なとこあるよね?」と違和感を感じる方、
「部下が妊娠出産でこんな風になったらどうしよう」と焦る上司の方、
ぜひ育プチでケースメソッドで共に学べたらと思います!

いっしょにディスカッションできる日を楽しみにしています!

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