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妊産婦さんに効果的なペルビックフロア(骨盤底筋群)エクササイズ

1.はじめに(ペルビックフロアエクササイズとは)
 ペルビックフロアエクササイズという運動をきいたことはありますか?
 妊娠中にこの運動を行うことで、膀胱や子宮を支え、分娩時のトラブルや尿漏れのリスクを減らすことができます。また、産後の骨盤底筋群の回復にも効果的です。
 このように妊婦さんにとって様々な利点のあるペルビックフロアエクササイズを一緒にやってみませんか。

2.ケーゲル運動
 ケーゲル体操、あるいは、骨盤底運動は、骨盤底の一部を形成する筋肉を繰り返し収縮および弛緩させることを含む運動です。この運動は一日に何度も、一度に数分間行うことができるが、効果が現れるまでに1〜3ヶ月かかります。
①正しい筋肉を使うために準備をする:座って、立って、または横になってください。筋肉に意識を向け、恥骨と尾骨の間にある骨盤底筋群を締めるように意識してください。お腹やお尻、太ももなど、他の筋肉は締めないでください。
②強化する:骨盤底筋群を5秒間緊張させ、10秒間休憩して、10回程度繰り返してください。緩急や回数は徐々に増やしても良いです。難しい場合は、最初は2〜3秒で始めても構いません。
③毎日練習する:日常生活で積極的に筋肉を意識し、運動するようにしてください。トイレで用をたす時に、意図的に筋肉を締め、解放してみるのも効果的です。
☆注意点としては、排尿中に筋肉を無理に緊張させるのは避けるようにしてください。また、呼吸を止めたり、腹筋や臀筋を同時に緊張させるのも避けてください。適度な強さで練習してください。

3.ペルビックフロアリフト
ペルビックとは骨盤底筋のことです。骨盤底筋を鍛える方法として
 おしりを引き締めることが効果的です。
①姿勢:まず、仰臥位になり両膝を90°に曲げた状態で両脚を浮かせましょう。両手は「前に習え」のように挙げてください
②動作:①の姿勢のまま軽く「お尻の穴を閉めて緩める」を繰り返しおこないます。
③呼吸:エクササイズ中は自然な鼻呼吸を心がけてください
④10~20回を1セットとし2~3セットおこないます

4.ペルビックフロアスクワット
①姿勢:立位で両足を肩幅に広げ、足を少し外側に開きます。
足先は前を向け、体重を均等に分散させます。
骨盤を前傾や後傾させずに、中立の位置に保ちます。
背中はまっすぐに保ち、猫背や前かがみを避けます。
肩はリラックスさせ、胸を膨らませます。
手は前方に伸ばし、バランスを保つために使うことができます。
②スクワットの動作:膝をゆっくりと曲げて、スクワットのポジションに移行します。両膝が90度に曲がるようにし、太ももが床と平行になるようにします。膝がつま先よりも前に出ないように注意してください。
スクワットの底で一時停止し、骨盤底筋を収縮させることを意識します。骨盤底筋を引き締める感覚を持ちながら、ゆっくりと上昇します。

5.呼吸と連動したエクササイズ
 呼吸を使いながらペルビックフロア(骨盤底筋群)を緊張させるエクササイズです。ぜひ呼吸を意識しておこなってみましょう。
①姿勢:まず、姿勢を整えることが大切です。座った状態でも立っている状態でもどちらでも良いので、背筋をまっすぐに伸ばし、リラックスした状態でいましょう。
②深呼吸:鼻からゆっくりと息を吸い込み、胸や肩ではなくお腹を膨らませるように意識をします。お腹が膨らむくらい息を吸ったら、口からゆっくりと息を吐き出します。お腹が徐々に凹むように行うと良いです。
③ペルビックフロアの緊張:息を吐ききったら、ゆっくりとペルビックフロア(骨盤底筋)を緊張させます。そのまま数秒間キープしましょう。その後ゆっくりとリラックスさせます。

 これらの手順を繰り返し行います。呼吸とペルビックフロアの緊張を連動させることで、骨盤底筋群の筋力を強化することができます。このエクササイズは姿勢が正しく、リラックスした状態で行うことが重要です。また、ゆっくりと呼吸をし、ペルビックフロアの緊張を感じながら行うと効果的です。

6.おわりに
ペルビックフロアエクササイズは妊婦にとって特に重要です。妊娠中及び出産後にペルビックフロアが強化されると尿漏れや骨盤の不安定感を軽減するのに役立ちます。ただし、正しい方法で行うことが重要です。医師や助産師に相談して適切な指導を受けるようにしましょう。

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