ブレークスルーのきっかけは「わからない」にあった!
「わかれ!」
高校生のとき「わかりません。」と言ったら、「わかれ!(※)」と返してくる英語の先生がいました。
(※) 先生の口癖で、怒気はなく、軽い冗談のような言い方だったので、恐怖を感じることはありませんでした。
高校生だった当時は「そんな理不尽な。」という思いでしたが、今思い返すと、先生なりの励ましだったのだと思います。
「わからないをそのままにしておくなよ。」
「わからないなりに考えてみろ。」
わからないで終わらせようとせずに、わかろうと努力することが大切だということを伝えてくれていたんだと。
確かに、わからないことをそのままにしておいて、後から自然とわかるようになったことはほとんどありませんでした。
でも、わからないことについて考えて、それが「わかった!」につながったとき、とてもうれしくなることが多かったように思います。
それも、わからないことの難しさが高いほど、うれしさも大きく、自分のレベルが上がったような気持ちになれました。
「わからない」を「わかる」に変えた積み重ねが、今のわたしを作っているという気付きでした。
わからないから始まる大きな変化
人はしばしば、「わからない」状態を嫌がります。
特に、コーチングに興味がありながらも、現状維持を優先している方にとって、未知や不確実性は避けたい対象ではないでしょうか。
しかし、私は断言します。
ブレークスルーの鍵は、この「わからない」にこそ隠されているのです。
この記事では、脳科学、心理学、行動心理学の観点から、「わからない」をどう捉え、どのように活用すれば人生に変化をもたらせるのかをお伝えします。
現状維持の心理的な罠
まず、「現状維持が最適だ」と考えてしまう心理について触れましょう。
脳科学的には、人間の脳はエネルギー効率を重視します。
新しいことに挑戦するよりも、既知の行動を繰り返すほうがエネルギー消費が少ないため、脳は現状維持を好むのです。
この特性は進化の過程で安全を確保するために役立ってきました。
しかし、現代社会ではこれが成長や変化を阻む要因となります。
さらに、行動心理学の視点(プロスペクト理論)から、「損失回避バイアス」が強く働くことも重要です。
人は、得る喜びよりも失う痛みを、2倍以上強く感じる傾向があります。
これが、「今の状況は不満だけど、変えるのは怖い」という感覚を引き起こすのです。
なぜ「わからない」が重要なのか
次に、「わからない」がなぜブレークスルーの鍵になるのかを考えてみましょう。
心理学者カール・ロジャースの自己理論では、人は自己概念と現実の間に不一致があるときに成長の機会を得るとされています。
ここでの「不一致」とは、言い換えれば「わからない」状態です。
この状態を避けずに受け入れることで、新たな学びや成長が可能になります。
また、脳科学的には「わからない」状態はドーパミンの分泌を促進します。
ドーパミンはモチベーションを高め、新しい行動を取る原動力となります。
「わからない」ことに向き合うことで、脳は解決策を探し出し、行動を促す仕組みが備わっているのです。
具体的なアプローチ方法
では、「わからない」を活用して現状を打破するにはどうすればよいのでしょうか?
ここでは、実践的なアプローチを3つ紹介します。
1. 「わからない」を正しく定義する
多くの人は「わからない」を「無力感」や「無知」と捉えますが、実際には「可能性の広がり」と考えることができます。
例:
わからないことがある=まだ試していないことがある
わからない選択肢=新たな道が存在する証拠
このように認識を変えるだけで、行動への第一歩が軽くなります。
2. 「小さなわからない」に挑戦する
いきなり大きな決断をする必要はありません。
小さな「わからない」に向き合い、それを解決する経験を積むことが大切です。
例:
新しい道を通ってみる
普段読まないジャンルの本を読む
興味のある分野の無料セミナーに参加する
これらの小さな挑戦が自己効力感を高め、大きな一歩への準備となります。
3. コーチを活用する
コーチは、「わからない」状態を探求するための、強力な助けとなってくれます。
優れたコーチは、「わからない」に隠れた本音や可能性を引き出すスキルを持っています。
例:
あなたの価値観に基づいて優先すべきことを明確化
「本当に怖いことは何か?」を掘り下げる
「現状維持では得られないもの」に気づかせる
具体例:実際に変化した人のストーリー
ここで、あるクライアントの例を紹介します。
彼は40代の会社員で、長年の経験から仕事に安定感がある一方で、先細り感を感じていました。
家族を養う責任感から、「挑戦は無理だ」と自分に言い聞かせていました。
しかし、ある日、「わからない」を受け入れるセッションを行いました。
セッションの中で、「自分の強みを活かして何ができるか?」「何が最も怖いのか?」を探求した結果、彼はとある副業を始める決断をしました。
最初の半年は手探り状態でしたが、徐々に自信がついていき、今では本業と並ぶ収入を得るようになりました。
この成功の鍵は、「わからない」状態を恐れず、その中に飛び込んだことでした。
まとめ:「わからない」に飛び込む勇気を持つ
「わからない」は、あなたの人生に変化をもたらすチャンスの宝庫です。
それを怖がるのではなく、受け入れ、小さくても行動を起こすことが重要です。
現状維持が楽に思えるかもしれませんが、その先にある可能性を想像してください。
もし何かしらの変化を求めているなら、「わからない」をきっかけに、一歩踏み出してみませんか?
コーチはそのプロセスを支える強力なパートナーとなってくれます。
「わからない」を一緒に探求し、あなたの未来を切り開く手助けができれば幸いです。
行動に移すための3つの質問:
今、自分が「わからない」と感じていることは何ですか?
それを解決するための最小の行動は何ですか?
その行動を明日、どのように始められますか?
ぜひ、この記事を参考にして「わからない」の先にある可能性を探求してください。