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意味は、人と人、もの、こととの間に生まれる

れんこんnote 007


宇宙史における意味の生死

 意味の生死について、科学的に考えてみました。
 宗教を信じている方は異なる意見をお持ちでしょうが、科学的に見たとき、意味の生死はこう考えられるという仮説だと、寛大に受け取っていただけたら幸いです。

 宇宙が誕生したとき、意味は存在していませんでした。
 生命が誕生し、意識を持つ生命が意味について考えるようになったとき、意味は生まれました。
 宇宙はいずれ生命体が存在しえない状態になりますので、そのときには、意味も死にます。
 意味は、意識を持つ生命体の誕生とともに生まれ、意識を持つ生命体がすべて死に絶えたとき消滅してしまいます。
 意味も人類も、宇宙史の中ではほんの一瞬だけ存在し、消滅するものなのです。

 だから、生きることは有り難いことだと思うか、虚しいことだと思うかは、人それぞれです。
 私は、有り難いことだと思い、精一杯生きようと思っています。

意味は、人と人、もの、こととの間に生まれる

 意味は、アプリオリに存在するものではないので、探しても見つかりません。
 意味は、一人の人間が作ろうとして作ることができるものではありません。
 意味は、人と人、もの、こととの間に生まれてくるものです。

 私はそう考えるようになりました。その理由をお話ししましょう。

「意味は、人と人、もの、こととの間に生まれる」と、私が考える理由

 細胞の話から始まります。
 これは、分子生物学者の福岡伸一さんが「生物と無生物のあいだ」(講談社現代新書)に書かれていたことを、私なりに理解して整理したものです。

 生物としての私たちの個体ができあがるには、「他者との関係」が重要な役割を果たしています。
 受精卵は2つ、4つ、8つと、どんどん細胞分裂していきますが、当初、細胞には分担が決まっていません。細胞が心臓になる、脳になる、筋肉になる、骨になるという分化は、最初から全部遺伝子にプログラムされているわけではないのです。
 では、どうやって細胞は役割分担をしているのでしょうか。胚という細胞の塊の中で、細胞と細胞が互いに物質やエネルギーを交換し、情報交換をして、自分の役割を決めています。どんなものにもなれる可能性を持っているけれど、周りとの関係や相互作用がないと、細胞は自分が何になるかを決められません。細胞は周りとの関係で、自分の役割や意味を決めているのです。
 細胞が周りとの関係の中で自分の役割や意味を決めて、その結果、わたしたち個体はできあがったのです。

 私たち個体もまた細胞と同じです。人もまた、他者との関係の中で、自分の役目や意味が決まってくるもののようです。

 こうして、私は、「意味は、人と人、もの、こととの間に生まれる」と考えるようになりました。

生きる意味と教育

 生きる意味も、人と人、もの、こととの間に生まれます。
 生きる意味を豊かにするには、多様な人や様々なもの、ワクワクする出来事に出会うよう努めると良いと思います。

 「教育」と「生きる」とは同じことではないかと、私は思っています。
 そこで、子どもたちが多様な人や様々なもの、ワクワクする出来事に出会う機会をたくさん用意してあげることが教育なのではないかと考えるようになりました。

 教育は、遊びと同じで、もっと愉快で痛快で爽快なものであっても良いのではないでしょうか。
 教育は、これからどんなふうに変化していくでしょうか。

追伸

 ところで、「意味って必要なの?」と考えたことはありませんか。
 どうして人は、意味を必要とするのでしょうか。

 人だって、意味を必要とするときと必要としないときがあります。しかも、意味を必要としないときの方が断然多いのです。
 どういうことでしょうか?

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