カメはなぜ、かけっこでウサギに挑んだのでしょうか?/イソップ童話「ウサギとカメ」
れんこんnote 043
イソップ童話「ウサギとカメ」あらすじ
ウサギは足が速いのが自慢で、歩みののろいカメに「世界のうちにお前ほど歩みののろい者はない。どうしてそんなにのろいのか」とからかいます。
バカにされたカメは「それなら、向こうの小山のふもとまでかけっこで競争しよう」とウサギに競争を挑みました。
スタートすると、案の定、ウサギはぐんぐんリードを広げ、カメの姿はすっかり見えなくなりました。
そこで、ウサギは「どんなにカメが急いでも晩までかかるだろう」と安心して一休みして、居眠りしまいます。
その間に、カメは着実に歩みを進め、ウサギがはっと目をさました時には、カメは山のふもとのゴールに到着していました。
そして、やっと到着したウサギに、カメは「のろまのウサギさん、さっきの自慢はどうしたの」とからかいました。
カメはなぜ、勝ち目のない競争をしたのか?
昔話「ウサギとカメ」は、かけっこで、カメがウサギに勝つという信じられない話です。
ウサギが途中で寝てしまったのでカメが勝ちましたが、ウサギが途中で寝てしまうことをカメは予測していたわけではないでしょう。
ということは、カメは勝ち目のない競争をウサギに仕掛けたわけです。
なぜ、カメは勝ち目のない競争をウサギに仕掛けたのでしょうか。
私は子供の頃から、不思議でなりませんでした。
でも、ある人に教えてもらい、納得しました。
カメは、「ウサギはウサギ、自分は自分。ウサギとの競争は考えないで、マイペースでとにかく山のふもとのゴールを目指そう」と、考えたのだそうです。
カメの目標は山のふもとのゴール、目的は自分との戦いに勝つことだったのだと言うのです。
カメは目的と目標を持つ人、ウサギは目的も目標ももたない人、と考えると、「ウサギとカメ」の話が理解できました。
目的も目標も持たなかったから、ウサギは途中で寝てしまうことができたのですね。
カメの生い立ちと行く末
ところで、カメはどのように成長してきたのでしょうか。
走ることも動作もすべてが鈍いカメは、子どもの頃から「のろま」「グズ」と呼ばれてきました。
何をやっても他の人よりのろいので、馬鹿にされることが多かったのです。
しかし、カメには我慢強さがありました。
継続する力があったのです。
カメは、継続する力を活かして、さまざまなことに挑戦し、やり遂げていきました。
その一つが、山のふもとまで走り切るということでした。
そうして、自分に勝つ力を高めていったのです。
カメの行く末は、少し見えてきましたね。
カメはこれからもコツコツと努力を継続し、目的や目標を一つずつ達成していくでしょう。
カメが何を望むかはわかりませんが、カメ自身が望んだ方向に着実に進んでいくだろうことは明らかです。
では、ウサギの未来はどうなっていくのでしょうか?
その辺りを、次回、考えてみようと思います。