カメに負けたウサギは、どうしたでしょうか?/イソップ童話「ウサギとカメ」
れんこんnote 045
カメとの競争に負けたウサギは、その後、どうしたでしょうか。
「カメに負けたウサギ」というレッテルを貼られたウサギは、みんなからバカにされました。
ウサギはかけっこでカメに負けたとは思っていません。
ちょっと居眠りしただけで、もう一度、かけっこをすれば必ず勝てると思っています。
でも、もう一度、カメとかけっこをして勝っても、誰もほめてくれないでしょうし、「カメに負けたウサギ」というレッテルは消えそうにありません。
ウサギは悔しくてなりません。
どうしたらよいかと悩みました。
そうして、ウサギは「失敗から学んで、見返すしかない」と思うようになりました。
目標と目的を持たなかった自分を反省したのです。
しかし、そう簡単にウサギは目標と目的を持てるようにはなりませんでした。
カメのようにコツコツと努力することもできませんでした。
ウサギは悩み苦しみ続けました。
結局、ウサギはウサギのままでした。
学校の試験勉強は、前の晩だけの一夜漬けです。
仕事に就いた後も、明日やれる仕事は明日に回して、今日は遊んでしまいます。
今を楽しむことをやめられませんでした。
そういうウサギでしたが、明日に回すと間に合わない仕事は、徹夜してでも終わらせました。
集中力と瞬発力だけが、ウサギの取り柄でした。
やがてウサギは歳をとっていきました。
だんだん体力がなくなり、徹夜ができなくなりました。
明日やれる仕事でも、今日からやり始めないと終わらなくなってしまいました。
困ったウサギは、少しだけ生き方を変えることにしました。
明日のことを考えないで、今日しか考えないことにしました。
明日のことを考えないのですから、明日やれることは何かと考えるのをやめました。
そして、すべてを今日やることにしました。
今を楽しむという生き方は変えられないので、今日やることを楽しむことにしました。
今日やることは、仕事も含めてすべて楽しんでしまうことにしたのです。
すると、ウサギは悩まなくなりました。
今までは明日に回していた仕事のことが気になって、今日を十分に楽しめませんでしたが、今はもう、心おきなく今日を楽しめます。
明日のことを考えなくなったら、昨日のことも思い煩うことがなくなりました。
ウサギは今、会社でそれなりの役職に就いています。
若手社員にはウサギもカメもいます。
どちらのよさもわかる上司となって、活躍しているようです。
さて、ウサギは失敗から学んだと言えるでしょうか。
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