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一寸法師から学ぶ/昔話「一寸法師」

れんこんnote 081


一寸法師から学ぶ


昔話「一寸法師」のあらすじ

 昔、昔、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいた。
 子供のない二人は毎日子供が授かるよう神様に祈っていたところ、小さな赤ん坊を授かった。
 二人は赤ん坊に一寸法師と名付け、宝物のように育てた。

 一寸法師はたくましい頭のいい子供になり、ある日、二人にこう言った。
「父さん、母さん、私に針と藁とおわんと箸を下さい。」
「どうする気ですか」とおばあさん。
「針は剣、藁はさや、おわんは船、箸はかいです。
 都に行って武士になるつもりです。」

 一寸法師は都へと向かった。
 波に揺られ、雨にうたれ、風に吹かれ、やっとのことで都に着いた。
 歩いていくと大きな立派な家が見えたので、働かせてもらいたいと申し出ると、主人は一寸法師の頭の良さを認め、家来にしてくれた。
 家には美しい娘がおり、一寸法師はその娘から読み書きを教わるが、すぐ理解してしまった。

 ある日、娘は一寸法師を連れてお宮参りに出かけた。
 その途中、大きな鬼に出会う。
 鬼は娘をさらいに来たのである。

「悪い鬼め。お嬢さんに手を出せばただではおかないぞ。」
「生意気な。食べてしまうぞ」と鬼は言って、一寸法師を飲み込んだ。
「いたた、いたたたた...」
 一寸法師が針でお腹の中を刺したのである。
「いたた。死んでしまう。降参だ。助けてくれ。」
 鬼は一寸法師を吹き出すと一目散に逃げて行った。

「助けてくれてありがとう。
 あなたは小さいけど、とても勇敢で強いのね。」
「鬼が何か忘れていきました。
 これは何でしょう。」
「これはうちでの小槌というものです。
 これを振ると欲しいものが何でも手に入ります。
 一寸法師、あなたは何が欲しいですか。」
「私は大きくなりたいです。」
 うちでの小槌をふると、一寸法師はぐんぐん大きくなりあっと言う間に立派な大人になった。
 一寸法師は娘と結婚し、望んだ通り立派な武士になった。


昔話「一寸法師」から学ぶ

 昔話「一寸法師」から何を学ぶことができるでしょうか。
 一寸法師から学ぶことを考えてみたいと思います。


自分の力で生き抜く

 一寸法師が生きた時代とは、どんな時代だったと思いますか。
 学校はありませんし、生活保護などの制度もなく、国や市町村などの公共団体が助けてくれることはありません。
 ですから、自分でなんとかして生きていかなければならない時代でした。

 親に大事にされて育ったのに、しかも、たった一寸しかない体なのに、一寸法師は旅に出ました。
 一人で知らない世界へ行き、生きていくのは、とても大変だったでしょう。
 でも、一寸法師は何とか生きていこうとします。

 一寸法師の、他人に頼らず、自分の力で生き抜いていこうという覚悟を学びたいと思います。

 現代は、さまざまな社会保障制度が完備していて、個人を守ってくれる時代になりました。
 しかし、現代においても、自分の力で生き抜いていこうという覚悟が必要です。

 「自助、共助、公助」と言われますが、個人としては「自助」の気持ちで生き抜く覚悟を持ちたいと思います。
 一方、政治家には「公助」を第一に考えてほしいものです。


自分の刀や乗り物を持つ

 一寸法師は針の刀を持ち、お椀の船に乗って都へ出て行きます。
 現代の若者は、社会へ出て行くとき、どんな刀を持ち、どんな乗り物に乗って社会へ出て行くでしょうか。

 現代の若者にとっての刀とは何でしょうか。
 若者にとっての乗り物とは何でしょうか。

 現代の若者にとっての刀とは、約束を守る、決心したことをやり遂げるといった基本的な習慣であったり、勉強して身につけた学力であったり、少しのことではめげない体力・気力であったり、何かのときには頼りになる仲間であったりするのではないでしょうか。
 それらの中で最も大事な刀が、自分の「よさ」「得意なもの」だと思います。



 現代の若者にとっての乗り物とは、高校や専門学校、大学などの上級学校だったり、就職できた会社であったりするのかもしれません。


 高校時代くらいまでに、自分の刀や乗り物を獲得することです。
 特に、自分のよさを見つけ、伸ばすことです。


助けてもらえる人になる

 社会に出ていくと、誰かに助けてもらわなければなかなか生きていけません。
 一寸法師も、大きな家の主人宰に助けてもらっています。

 では、どうしたら助けてもらえるでしょうか。
 他人や国が助けてくれるのは当たり前だ、と考えていたら、なかなか助けてもらえません。
 これからは国にあまり期待しすぎてはいけません。
 みんなが国からしてもらって、国にしてあげる人がいなくなれば、国からしてもらえるはずがありません。
 ですから、助けてもらえる人になることが大事になります。

 あなたは、どんな人であれば助けてあげたいと思いますか。
 自分で何とかしようとしている人の方を、人を頼りにするだけで自分からしようとしない人より、助けたいと思いませんか。

 助けてあげるのなら、信用できる人の方がいいです。
 明るくあいさつする人の方がいいです。

 助けてあげてもいいと思えるような人に、なっていきましょう。
 そして、人を助けてあげられるような人になりましょう。


一寸法師から学んだこと

 一寸法師から3つのことを学ぶことができると考えました。

 自分の力で生き抜く
 自分の刀や乗り物を持つ
 助けてもらえる人になる

の3つです。

 あなたは、昔話「一寸法師」からどんなことを学ぶますか。



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