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RPG生野未来学園商店街「大阪の新しいお土産を考えよう」~生野未来学園の6年生が会社を作りました!(IKUNO×ものづくり×ICT 次世代の職業体験プログラム)

「大阪の新しいお土産を考えよう!」
生野区「大阪市立義務教育学校 生野未来学園」の6年生は、
今年度も、このテーマに挑みました!

実際の金融機関の方を講師に迎え、
ご指導をいただきながら
RPG(ロールプレイングゲーム)を通して、
会社を設立し、
「大阪の新しいお土産」を考えて販売しよう!というプログラムです。

それでは、
みんなで考えて話し合って・・また考えた末に・・

生野未来学園に開店した「RPG商店街」は、
一体どんな商店街で、その結果はどうなったのか⁉
皆さんと一緒にみていきましょう!

 

(第1回授業 9月11日 「会社を作ろう!」)

「大阪シティ信用金庫」 さんが講師となり、
はじめての授業が開かれました。
多目的室に、みんな集合しています。

(みんな集中しています)

まさしく、金融のプロフェッショナルから「会社」についてお話をお聞きします。

これからみんなは、
会社を設立し、商品を企画し、融資してもらい
商品を販売し、利益を出す・・
これはなかなか大変です!
みんな真剣に聴いています。

・どんな会社がありますか?
・商品はどうやって作られているでしょうか。
・会社とはどのようなところでしょうか。
・会社を作るには何が必要でしょう?  

会社には、“目的”があり、
それを達成するにはアイデア(商品)が必要で、
そのアイデアを実現するしっかりした事業計画が大事です。
思い付きで行動していてはダメなんですね!
そしてその計画を実行する「人と費用(お金です!)」を
準備する必要があります。

なるほど!
そうやって会社を作って、自分たちの商品(もの)を考えていこう!
改めて「ひと・もの・かね」がないと会社は作れないんですね。

そして、その3つを準備するために必要なのは、
人間としての「信用」が一番大切、というお話がありました。
みんな納得顔です。
「会社を設立したあとも、継続して成長していくためには、信頼されるような仕事をいつもする必要がある。」
これは、会社のことだけじゃなさそうです。
大事な学習ができました。

金融機関は「会社」と協力しながら、
産業や社会を支える役割を果たしているんですね!

会社をつくり、長く継続していく為には、
結局、お金儲けだけが目的では、達成出来ないようです。
なんか、少し分かってきたような気がします。

(大事なことばです)

(第2回授業 9月13日 「会社を作る」)

みんなは事前に先生方と相談し、
自分が作ってみたい商品別で、グループに分かれました。

クラスを混合した「作りたい商品」を販売する会社です。

(ですよね~!)

さっそくグループに分かれてみんなで話し合いました。
自分たちが作りたい商品を具体的に考えながら、
まず、その会社が目指すものを決めます。
・世の中の人がよろこぶ事をする?
・あなたは、どんなところで働き、何をしたいですか?
(ちょっと難しいです!)

みんなは、5年生の時に「職業調べ」という授業で、
生野区の会社を勉強しました。
授業の中で知ったいろんな業種の会社を思い出しました。

各グループは、会社設立のために、
メンバーの役割分担を決めました。
「社長」「企画部長」「営業部長」「調達部長」「経理部長」の5つです。

営業部長と経理部長は聞いたことありますね。
調達部長と企画部長って何をする人かわかりますか?
社長だから何でも決めてよい!・・わけではありませんね。

会社でモノづくりするには、みんなの協力が必要で、
チームワークが大事なんですね。

(ぼくはこれだと思います!)

役割も決まり、会社が目指すものをみんなで話し合ったあと、
その内容にふさわしい「会社の名前」も考えます。
名前って大切です! すぐには決まりません。
次に持ち越した会社もありました。 

(第3回授業 9月20日 「商品を考えよう!」)

いよいよ「大阪の新しいお土産」を具体的に考えていきます。
会社を作ったら、
今度はそこで「具体的に何を売るのか?」です。
自分が作ってみたい商品がはっきりしているメンバー(社員)もいるようです。
他の社員へ一生懸命説明しています。
でも違う意見も出ています。

「大阪の・・」というのもポイントです。
今、定番の特産品や大阪名物とはどんなものでしょう?
誰かに大阪みやげを持っていくとしたら、それは何でしょう?
そのお土産はどんな人が喜ぶでしょう?

話し合うことは、たくさんありますね。
話し合いの中で「大阪の新しいお土産」について、
徐々に具体的なアイデアが出てきました。

出てきたアイデアに、
みんなでいろんな意見を出しあい、
1枚のワークシートにまとめていくのは、なかなか難しい作業です。
確かに、話し合って意見を一つにまとめるのは、
どんな場面でも大変ですね。
でも、実はとても貴重な経験となりそうです。

(やっぱりね!)

(第4回授業 9月27日「商品の内容を決めよう!」)

ちょっとずつ、ワークシートがまとまっていきます。
各会社はどうやったら「魅力的なお土産」となるか考えています。
売れるお土産を、出来るだけ安い費用で作りたいですね。
みんな、また話し合います。

その商品の形や色、味や大きさも想像します。
「こんな人に買って欲しい!」
「使ったらこんなに楽しいよ!」
「もっとここを工夫してみよう!」

これで商品名も決まり!
さあ、ワークシートに書き込みましょう!

(確認しよう!)

商品が具体的になっていく中で、
商品のイラストを描いてみます。
誰が描く?

「ちょっとイメージ違うかな・・」「それで大丈夫!」
何回か描き直してから色鉛筆で色も塗りました。
実際にイラストになると、なんかいろんな事がはっきりしてきます。

(質問あります!)

(第5回授業 10月9日~「事業計画書を作成しよう!」)

会社もつくり、販売する商品も決まりました。
きょうは、必要な費用を「大阪シティ信用金庫」さんから借りるための、
「事業計画書」の作成に取り掛かります。

まず商品を作るために必要な費用を計算しましょう。
「製造費を計算するための費用一覧表」を見ながら、
1個あたりの商品にかかる製造費を計算します。
品目別に「基本ポイント」があり、
味・素材・包装など、こだわれば
「こだわりポイント」が加算されます。

そして、売るためには、その他にも経費がかかります。
会社には社員がいて、その人数分の人件費が必要です。
これで、必要な費用~金融機関から借りるお金(融資額)がわかりました。
でも、その借りた金額には利息がかかるんです。 
利息もちゃんと計算してお借りするんですね。
「利息の事、知らなかったです!」

(間違えないぞ~)

これら、すべてにかかる費用を考えて、
必要な売り上げ額を決めて、
1個あたりの販売価格が決まります。
高くしたいけど、
高すぎると売れないかも?
でも安くしすぎると赤字です。
 
借りた費用は、ちゃんと金融機関に返せるようにしなければいけません。
利益を出さないと会社を作った意味がないですね。
料金を決めるって難しいです!

事業計画書を完成するため、決めた数字を入れていきます。
利益額はこれくらいの確保でいいかな。
もう一度計算しよう!

続いて「融資相談プレゼン」の資料作成をします。
金融機関に、きちんと説明するための準備です。
融資担当へのプレゼンを、限られた時間で理解してもらうために
タブレットでポスターを制作し、商品PRをします。
みんなで役割分担しながら共同作業です。
著作権が問題ないフリーイラストを探します。
オリジナルのイラストも描いてみましょう!

(これだ~!)

ついに出来ました!
いい感じにポスター完成です!
ポスターをみんなで見ながら
もう一度、事業計画書を確認します。
そして、プレゼン用の「読み原稿」を準備しました。
各担当で分担し、説明する言葉を具体的に考えます。
  
「事業計画書、計算あってるかな?」
「大丈夫!みんなで準備したから!」

(第6回授業 10月16日「融資相談プレゼン大会」)

きょうは、いよいよ「大阪シティ信用金庫」さんへ融資相談をする日です。

やっぱり、ちょっと緊張します!
でも、先生とプレゼンについて、たくさん練習しましたから
自信をもって部屋へ入りましょう!
「失礼します!」

(提出します!)

さあ、プレゼンがはじまりました。
各会社は順番に部屋に入り、
みんなで協力して商品のアピールをします。
プロジェクターには力作ポスターが映っています。

元気よくはっきり言いたいことが発表できたかな?
ポスターを使って商品アピールできたかな?
質問には答えられたかな?

(みんなでご挨拶!)

がんばりました!
みんなで考えた「大阪の新しいお土産」をしっかりプレゼン出来ました。

大阪シティ信用金庫さんからは・・
「面白い商品ですね。ぜひ実現してください。」
「必要な資金を貸しましょう!」
   
やりました!
みんな無事に 融資成功です! 

(11月1日~:開店準備します!)

「RPG商店街」の開店日にむけて、
各会社は、開店準備の仕上げにかかりました。
たくさんのお客様に来て買ってもらえるように、
いろんな工夫を、みんなで考えます。

(わたべ~です!)

POPや販促物をカラフルに作ります。
商品サンプルもイラスト見ながら考えます。
「名刺も準備しよう!」
「お揃いの髪飾りを作ろう!」
「呼び込みをみんなで録音しよう!」
またアイデアがどんどん出てきます。
これは開店日が楽しみです!

(さあ、声をそろえて!)
(名刺もOK!)

(第6回授業 11月27日「商店街開店!」)

ついに「RPG生野未来学園商店街」の開店日が来ました。
講堂に、みんな集合して、まずは会場づくりからスタートです。
大阪シティ信用金庫さんも見守る中、

各会社はポスターを貼ったり、のぼりを立てたりと、
お店の準備に大忙しです。
まさしく商店街らしくなってきました!

みんなは、各店舗の店員でもありますが、

実は、自分の給料で他店の商品を買えるお客様にもなります。
「気になっていたあの商品を買いに行こう!」
みんなお互いのお店をしっかり見学し、品物を購入しました。

(かわい~!)

その後、授業参観日でたくさんの保護者の方々が、
お客様となって来場されました。
各店舗から呼び込みの声が響きます。
みんなで考えたセリフです。

(にぎわっています!)

「セットで買うと、おまけが付きます!」
「この商品買うと毎日が楽しくなりますよ!」
「これから少し値下げします!」

なかなかやりますね!
ホントの商店街に居るようです。
お客様への対応、お見事です!

(このTシャツ見てください!)

完売の店が続出し、
「RPG生野未来学園商店街」は、無事に閉店となりました。

(第7回授業 12月23日「決算発表・振り返り」)

みんなが一生懸命努力した結果は、
もちろん数字だけで比べるものではありません。
後悔したり失敗するのも、貴重な経験です。

みんなで話し合ってのプレゼンも、大切な思い出になりました。

そんな中で、今回の表彰は、
利益額や販売方法等、
計画通りの結果を出した4チームが受賞しました。
よく話し合い、しっかり準備した成果だと思います。

「優秀賞」   会社名:daily necessities (大阪弁トイレットペーパー)
「アイデア賞」 会社名:株式会社 喜び食堂 (たこ焼き味のだしうどん)
「デザイン賞」 会社名:SMILEフーズ (バキバキOsakaチョコ)
「販売賞」   会社名:Fever会社 (タコップ)

みんなの店舗へいただいた
お客様からの商品カード(購買理由)には、
「実際に買ってみたい!」
「本当に食べてみたい!」
「商品がとてもかわいくて欲しい!」
などが多くありました。
今年度、特に目立ったのは、
「店員さんが元気で明るく熱心だった!」でした。
何よりの嬉しいコメントです。

(おめでとう!)

15チーム中、8チームが
途中で値下げを断行し、まず完売を目指しました。
的確な判断となった会社もありましたが、
その多くは融資金額に足らない売上金額となりました。

「大丈夫かなと思ったけど、
自分の会社だけが売れ残っているように感じると
あせって早めに値下げしてしまいました。」
こんな反省の言葉を言えるのは、
何事にも代えがたい貴重な経験になった証ですね。
まさしく実際の会社経営でもありそうな話です。

今年も、いろんな喜びと反省を残して、
「RPG生野未来学園商店街」は終了しました。

今後のこどもたちの成長を楽しみに、
また「次世代の職業体験プログラム」で
お会いしましょう!