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日本理学療法士協会の新生涯学習制度について④ ~後期研修(登録理学療法士制度)~

 こんにちは、理学療法士いくちゃんです。

 前回は日本理学療法士協会の新生涯学習制度(以下、新制度)の前期研修のうち、実地研修についてまとめてみました。

 今回は後期研修(登録理学療法士制度)についてまとめてみようと思います。

 お時間があれば最後まで読んでいただけると幸いです。

新生涯学習制度イメージ図

1、後期研修(登録理学療法士)の概要

 登録理学療法士制度の前期研修が修了すると、次は後期研修です。

 後期研修は前期研修で学んだことをさらに広く深く学んでいくことができるカリキュラムが組まれているようです。

 後期研修を修了することができれば、晴れて登録理学療法士になることができます。

 ジェネラリストの入り口に立つというわけです。

概要
 前期研修修了後、最短3年間のうちに、所定のカリキュラムを修了することで、登録理学療法士を取得できる。 

目標:
 多様な領域で標準的(スタンダード)理学療法を臨床実践でき、学生や後輩を指導できるレベル

履修内容:
 座学〈対面・eラーニング〉51コマ(76.5時間)+実地経験3年(36か月)

修了までの目安:
 最短3年間(前期研修修了から3年経過、かつ所定のカリキュラム修了で、登録理学療法士を取得することができる)

受講費:有料(金額未定)

日本理学療法士協会ホームページより

 後期研修の目標は「多様な領域で標準的(スタンダード)理学療法を臨床実践でき、学生や後輩を指導できるレベル」とされています。

 前期研修の目標である「必要に応じて指導を求めながら、基礎的(ベーシック)理学療法を実践できるレベル」よりもさらにレベルが上がっていますね。

 ジェネラリストとして一人前の理学療法士になり、後進の指導を行えるようになることが目標として挙げられているようです。

2、カリキュラム


 後期研修のカリキュラムは、以下の6講座に分かれているようです。

A:臨床推論(4コマ、6時間)
B:臨床疫学〔演習〕(4コマ、6時間)
C:領域別研修〔座学〕(19コマ、28.5時間)
D:関連領域(5コマ、7.5時間)
E:領域別研修〔事例〕(6コマ、9時間)
E:領域別研修〔育成〕(5コマ、7.5時間)
F:最近の知見(8コマ、12時間)

 講座の詳細については以下の通りです。

後期研修座学

 A~DおよびE〔育成〕の講座は対面・eラーニングどちらでも受講可能のようです。

 一方、E〔事例〕の講座は対面のみFの講座eラーニングのみでの受講のようです。

 また、C〔座学〕の講座はC-1~C-5にそれぞれ選択必修履修コマ数が設定されており、それらを満たしつつ合計19コマ(28.5時間)履修することになりそうです。

 研修会の会場までの往復や日時の調整などの手間を考慮すると、私はeラーニングの方が気軽に受講しやすそうな気がします。

 そうなってくると肝となってくるのが、履修方法が「対面のみ」のE(事例)の講座です。

 この講座に関しては、開催方法などの規定を含めて別記事にて改めて説明しようと考えています。

 もう一つの修了要件である実地経験3年(36か月)ですが、これに関しては施設等で通常業務を経験することで要件を満たすことができると考えられます。

3、受講費

 受講費については、前期研修とは異なり有料(金額未定)とのことですが、極端に高い値段設定になることはないと思われます。

※新制度の概要では、当初1コマ300円~400円程度という記載がありましたが、そのあたりについては実際に研修を行う都道府県士会との兼ね合いがあって、現在調整中といったところだと推察されます。

4、旧制度からの移行について

 すでに日本理学療法士協会に入会している方にとっては旧制度からの移行によって自分がどの研修を受けなければいけないのかというのも新制度に対する関心のひとつと思われます。

 旧制度からの移行における後期研修の取り扱いについては大まかには以下の通りです。

パターン①
 新制度開始時と同時に登録理学療法士となられる方:後期研修受講免除
 
パターン②
 新制度開始時に登録理学療法士にならない方で旧制度の新人教育プログラム修了している方
 日本理学療法士協会への入会年度や旧制度においてどの程度生涯学習ポイントを獲得していたかによって異なる。

移行パターン

パターン②-1
 生涯学習ポイント数110ポイント以上220ポイント未満:A・B・C・E〔事例〕の講座の受講免除
 ※ただし、2019年度以降に入会した方は対象外

パターン②-2
 生涯学習ポイント数80ポイント以上110ポイント未満:A・B・E〔事例〕の講座の受講免除
 ※ただし、2020年度以降に入会した方は対象外

パターン②-3
 生涯学習ポイント数50ポイント以上80ポイント未満:A・Bの講座の受講免除
 ※ただし、2021年度以降に入会した方は対象外

パターン②-4
 生涯学習ポイント数50ポイント未満:Aの講座の受講免除


パターン③
 新制度開始時に登録理学療法士にならない方で旧制度の新人教育プログラム修了していない方
 後期研修の履修不可。まずは前期研修を修了する必要あり。

 また、2018年度および2019年度に入会し、旧制度にて認定理学療法士を取得した方においては、新制度においては入会後5年経過するまでは「【暫定】認定理学療法士」の扱いになるとともに、後期研修を3コマ(4.5時間)~5コマ(7.5時間)履修する必要があります。

5、まとめ

 今回は日本理学療法士協会の新制度のうち後期研修について説明しました。
 
 制度自体は座学研修と実地経験から構成されており、前期研修の実地研修に比べると複雑ではないため、比較的履修しやすい構成になっていると思われます。

 しかし、旧制度からの移行については、入会年数や旧制度での生涯学習ポイント数によって免除される講座が異なるため、自分がどれに当てはまるのか把握するのに苦労しそうな印象がありました。

 さらに、ベテランに対するアドバンテージ(優位性)なのか、若手の理学療法士に対してはやや厳しい移行システムのように感じました。

 とはいえ、後期研修では前期研修で学んだことを、さらに広く深く学んでいくことができるカリキュラムが組まれているようです。

 ジェネラリストとして活躍していくためにも頑張って受講してくださいね。

 今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。