日本理学療法士協会の新生涯学習制度について② ~前期研修(登録理学療法士制度)~
こんにちは、理学療法士いくちゃんです。
前回は日本理学療法士協会の新生涯学習制度(以下、新制度)の概要についてまとめてみました。
今回からは新制度の詳細についてまとめていこうと考えています。
まずは、前期研修(登録理学療法士制度)についてまとめてみました。
1、前期研修(登録理学療法士)の概要
前回もお伝えした通り、新制度における全体の基盤となる登録理学療法士制度は現行の制度(以下、旧制度)における「新人教育プログラム」にあたる制度です。
そのなかでも「前期研修」は日本理学療法士協会に入会後、最初に受ける研修であり理学療法士として社会に貢献していくうえでの基礎を学ぶために作られた制度のようです。
概要
日本理学療法士協会入会後、最短2年間のうちに、所定のカリキュラムに沿って全54コマ(81時間)の研修を受講する。
目標:必要に応じて指導を求めながら、基礎的(ベーシック)理学療法を実 践できるレベル
研修内容:座学〈対面・eラーニング〉22コマ(33時間)+実地研修32コマ(48時間)
修了までの目安:最短2年間(2年経過、かつ所定のカリキュラム修了で、後期研修に進むことができる)
受講費:無料(対面・eラーニング・実地研修すべて)
日本理学療法士協会ホームページより
前期研修の目標は「必要に応じて指導を求めながら、基礎的(ベーシック)理学療法を実践できるレベル」とされており、養成校卒業時の目標である「基本的理学療法を助言・指導を受けながら行うことができるレベル」に比べるとより一人前の理学療法士に近づくことが目標として挙げられているようです。
2、カリキュラム
前期研修のカリキュラムは、以下の4講座に分かれているようです。
A:初期研修(6コマ、9時間)
B:理学療法の基礎(6コマ、9時間)
C:理学療法専門性(10コマ、15時間)
D:実地研修(32コマ、48時間)
講座の詳細については以下の通りです。
A~Cの講座については対面・eラーニングどちらでも受講可能なようです。
研修会の会場までの往復や日時の調整などの手間を考慮するとeラーニングの方が気軽に受講しやすそうですね。
しかし、入会1年目の方に限ってはeラーニングが受講可能となるのは同年の9月以降となるようで注意が必要です。(4~8月は、都道府県士会の対面研修会に参加してくださいとのことです)
また、Dの実地研修は対面で行うことが基本のようです。
※実地研修については別記事で詳しく説明します。
3、受講費
前期研修は、対面研修・eラーニング・実地研修のいずれも無料のようです。
お財布に優しくてありがたいですね。
4、旧制度からの移行について
すでに日本理学療法士協会に入会している方にとっては、旧制度からの移行によって自分がどの研修を受けなければいけないのかというのも新制度に対する関心のひとつと思われます。
旧制度からの移行における前期研修の取り扱いについては大まかには以下の通りです。
パターン①
新制度開始時と同時に登録理学療法士となられる方:前期研修受講免除
パターン②
新制度開始時に登録理学療法士にならない方で旧制度の新人教育プログラム修了している方:A~Cの講座は受講免除、D実地研修の受講は必要
パターン③
新制度開始時に登録理学療法士にならない方で旧制度の新人教育プログラム修了していない方:A~Dすべての講座の受講が必要
5、まとめ
今回は日本理学療法士協会の新制度のうち前期研修について説明しました。
理学療法士として社会に貢献していくうえでの一番入り口の研修だけあって、基本的な内容を実地研修などと組み合わせながら丁寧に伝えていこうという協会側の意図が読み取れる内容でした。
実地研修についてはやや複雑なため別記事にて改めて説明しますが、A~Cの講座については比較的分かりやすく取り組みやすい内容なのではないかと感じます。
受講される方は養成校で学習したことと照らし合わせて学ぶことで、それぞれが理想としている理学療法士に近づく一助となるのではないかと思いますので、頑張って受講してくださいね。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。