「Caligula-カリギュラ-」感想・レビュー
リメイク版どころか続編まで出ているにも関わらず、今更まさかのVita版をプレイしたのでレビューしまーす!
レビューするひと
初めて自分で買ったCDはスピッツ。PS Vitaを活かしたい。
■ゲーム基本情報
[タイトル]Caligula-カリギュラ-
[ジャンル]学園ジュブナイルRPG
[ハード]PlayStation Vita
[開発]ヒストリア
[販売]フリュー
[発売日]2016.6.23
[CERO]C
■簡単なストーリー・世界観
人気バーチャルアイドル・μ(ミュウ)は、ユーザー達が作曲した数多の歌を歌っているうちに自我に目覚め、『現実というものが人々を苦しめている』という考えに至った。
そして自らが作り上げた仮想世界「メビウス」に、自分の歌を聴いた人の意識を招き寄せるようになる。
メビウス内での人々は現実での記憶を忘れ、老若男女問わず永遠の高校生活を送る、という形で各々の願いが叶えられていた。
入学式の日。
在校生である主人公は、卒業したはずの少年が新入生として入学してくる、という異常事態が起きていることを認識する。同時に、周囲の人々の顔にノイズが発生している様子を見て、その場から逃げ出してしまう。
世界の秘密に気づいた主人公はμの信者(デジヘッド)に襲われるが、μと同じくバーチャルアイドルのアリアに出会い、カタルシスエフェクトという特殊能力に目覚めることでデジヘッドに対抗する力を得る。
一連の出来事を見ていた上級生・笙悟に誘われ、主人公は「帰宅部」のメンバーとともにメビウスからの脱出を目指すのだった。
■さっくりレビュー
5点満点で4項目、20点満点のさっくりレビュー。
レビュー[総合点:12点]
クリアタイム
62時間
(途中であれこれ寄り道してしまったので、ストーリークリアだけならこんなにかからないはず)
設定・ストーリー[4点]
学園ジュブナイルというジャンルにはペルソナシリーズというビッグタイトルが君臨しているので、どうしてもその気配を感じてしまうのは仕方ないのかなという感じ。加えて、今作は脚本もペルソナ(異聞録、罪/罰)を担当されていた方なので余計に。
でもかなり色々挑戦したな、やってみたいことやったんだなという感じで攻めまくっていて、特に設定周りはビジュアル他かなり色々狙ってるなーというのはあるけど、実際そのこだわりがゲームへ良い影響を与えるばかりかと言われるとちょっと疑問ではある。
基本的に登場人物が全員それぞれ問題を抱えているので、反応を過剰に感じたり、理解できないなと思うことが多いので上手だなぁと思った。ここまで壊れてないとメビウスに取り込まれないんだなと。
それを思うとモブ生徒クエストの闇深さがホントに恐ろしい……
システム・操作感[2点]
今、自分がそのボタンを押したら何に影響を与えるのか(NPCまたはパーティーメンバーあるいはギミック)が分かりにくい。
一番嫌だったのが、セーブするための操作と敵を誘き寄せる操作が同じなのにセーブポイント前を敵がウロウロしてること。
今セーブポイント見てたじゃん!!って叫びながらの戦闘開始が何度かありました。
ちなみにそれで万が一主人公が倒されたら即ゲームオーバーです。
それが怖いからセーブしようとしたんですけどね!!今ね!!
戦闘システムは本当に他で見たことがなくて、行動順を迎えたキャラのスキル選択をするとイマジナリーチェイン(この行動が一番上手くいったときにはこうなるよ、という未来予測)が提示されて、これが今作の売りの一つ。
でもあくまで予測なので結構嘘つき。
しかも複数の敵を相手にしてたりすると結構処理落ちする。
どれくらい実際の行動をイマジナリーチェインに近づけられるかが鍵なので、装備でいかに命中精度をあげられるかが肝。
そんなわけで結構運ゲーなところもあるけど、狙ったコンボが決まるとめちゃくちゃ爽快感があるので、パーティーメンバー選びからコンボのためのスキル選択まで考えるのが面白い。
戦闘がシンボルエンカウントで、本当にうじゃうじゃと言って差し支えないレベルでウロウロしてるので、ステルスゲーではないけど結果的に移動の際の位置取りとタイミングが超重要。真横を通っても許されるときもあれば、思わぬタイミングで気付かれるときもあるので若干運ゲーなのでは疑惑も持っている。
ちなみにゲームの設計的にレベルが上がれば上がるほどモブ敵との戦闘による経験値の旨みがなくなっていくのと、前述の通り半端ない数のモブがウロついているので、目に入るもの全てを薙ぎ払って進む戦法はあまりに効率が悪くて現実的じゃない。
それを考えると、カメラ操作にも若干不満がある。
壁で見えねぇ!柱で見えねぇ!からの敵と真正面ドーーーン!戦闘開始!を結構やらかしたので。戦闘中も壁貫通して攻撃されるときとそうじゃないときがあったり。ギリギリを攻めるなってことですかね。
グラフィック[3点]
マップ上での見た目による人物の見分けは不可能。なんならパーティーメンバーですら紛れ込んでる。特に美笛。
これは制作陣的には意図してやっていることらしいし、個人的にはそこにもある種の強迫観念的なものを感じて設定的にも良いと思う。
奇抜な髪色とかがいなくても成立させられるのは3Dグラフィックだからこそだし。(2Dの場合、どうしても色をハッキリさせないと描き分けに限界があるので)
サウンド・BGM[3点]
音楽が面白くて、ダンジョン内の曲は通常はインストなんだけど戦闘開始時にそのままシームレスにボーカルが入ってくる。
めっちゃ新感覚。
でもさすが大人気ボカロPたちが担当しているだけあって、BGMにしては曲も歌も圧がすごいのでガチで洗脳を受けてる感じになる。
ダンジョン攻略中に1つの曲(歌)をほぼ常に聞き続けるので割とガチで洗脳されてる気分なのだけちょっとキツかった。
良かった点
企画会議のとき、立案者と決定権を持った人は三徹でもしてたんですか?
モブ500人分のプロフィールとクエストとステータスともう諸々全部設定・割り振りしたことも、なによりそれを実装したのもどうかしてる。狂気でしかない。
しかもそれを「やってもやらなくてもいいよ。だって現実でも全校生徒とは友達にならないでしょ?(笑)」のスタンス。
オーケー、一回エンジニアに謝ろう。話はそれからだ。(褒めてます)
悪かった点
ストーリー進行上仕方ないとはいえ、メインメンバーがいきなり離脱するのはちょっときつかった。
今作のレベリングの仕様のこともあるし、各メンバーの加入時期にものすごく差がある訳でも無いので、控えとメインのキャラでかなりレベル差が開いていて辛かった。
その他
アプデは絶対反映させてからプレイするべし。
PSVITAに触るの久しぶりすぎてパッチを当てるという発想が出てこず、苦痛を味わいながら3つめのダンジョン途中までをプレイした私からのアドバイスです。
発売直後に噴出した不満がかなり解消されるので、これは絶対。
ただパッチを当てて以降はバグなのかなんなのか、大人しく後ろを追従してくれるはずの仲間のうち必ず1人はエリア内を無意味にドタバタ走り回ったり壁を貫通して空中に飛び出したりして唐突に笑ってはいけないカリギュラ24時が始まったので、そこだけ注意。