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DARとサビアンシンボル
☆廻廊コラム☆(2)
蟹座30度「アメリカ革命の娘」とは?
サビアンシンボルの蟹座最終度数・30度「アメリカ革命の娘」は、
アメリカの保守系 婦人団体
Daughters of the American Revolution(DAR)がモチーフになっています。
そもそもこのDARとは何なのでしょうか?
DAR ― アメリカ革命の娘たちとは
Daughters of the American Revolution(アメリカ革命の娘たち)は、女性の地位向上に向けて全米各地で盛り上がっていた社会運動のひとつとして、1890年に結成された婦人団体です。
アメリカ革命に一役を担った英雄たちの子孫として、彼女たちは胸を張って「愛国心」を訴えています。
サイトは英文ですが、最近は翻訳も優れていて普通に読むことが可能です。
本文の翻訳から引用します。
DAR のメンバーはさまざまな背景や関心を持っていますが、全員がアメリカ合衆国の独立確保に貢献した先祖を持つという共通の絆を持っています。人種、宗教、民族的背景に関係なく、アメリカ独立戦争の愛国者の直系の子孫であることを証明できる 18 歳以上の女性であれば誰でも入会できます。
DAR (Daughters of the American Revolution) の歴史
全米アメリカ革命娘たちの会は、愛国心の復活とアメリカ合衆国建国への強い関心が高まった1890年10月11日に設立されました。
女性たちは愛国心を表現したいという思いを抱き、この国を自由で独立した国にするために戦った先祖の記憶を永遠に残すために結成された「男性組織」から、排除されていることに不満を感じていました。
その結果、首都の開拓者女性グループが独自の組織を結成し、それ以来アメリカ革命娘たちは愛国心の灯火を灯し続けてきました。
Daughters of the American Revolution; DAR
1890年 10月 11日に結成され,95年 12月2日議会の承認を得たアメリカの保守的な婦人団体。本部は首都ワシントン D.C.。会員はアメリカ独立戦争の兵士あるいは貢献者の直系の子孫であることが条件。アメリカ独立革命の精神を後世に伝え,アメリカの自由の制度の維持と発展をはかり,国民の愛国心を涵養することを目的としている。しかし,現実の活動においてはアメリカニズムや愛国的精神を強調する傾向が多分に認められる。
DARの目的
歴史的 - アメリカ独立を達成した男女の記憶と精神を永続させること
教育的 - ワシントンがアメリカ国民への告別演説で述べた「第一義的な目的として、知識を広く普及させるための制度を推進し、それによって啓蒙された世論を育成する」という命令を実行すること
愛国的 - アメリカの自由の制度を大切にし、維持し、拡大し、真の愛国心と国への愛を育み、人類が自由の恩恵をすべて享受できるように支援すること
アメリカ女性の自由への歴史
日本では馴染みの薄い「DAR」。恐らくアメリカでは、その名前ですぐイメージできる団体なのだと思います。
アメリカの女性運動とそれに関連する歴史を、時系列で整理します。
***
1607 イギリスから新大陸へ移民到着
1612 ポカホンタス人質に
1616 ポカホンタス英国君主に謁見
1617 ポカホンタス死去
1622-1624 ジョン・スミス、ポカホンタスの美談を発表
1775~83 アメリカ革命 独立戦争
1776 アメリカ独立宣言
1848 全米初の女性の権利会議
1861~65 南北戦争
1886 自由の女神像 (ニューヨーク)完成
1887 エリス・フィラー誕生
1890 DAR設立
1920 女性参政権が憲法明記
1925 エリスとジョーンズの実験によりサビアンシンボルの原型誕生
***
アメリカは自由と平等の国といわれますが、一方で保守的な一面も持っています。黒人や女性の権利は、独立後もなお、長年認められないままでした。
女性の権利向上が叫ばれて、一世紀以上も経ってから、やっと参政権が認められたほどです。
サビアンシンボルにおけるDARとは
エリスが生まれたのはちょうど女性の社会運動が盛んな時期にあたり、サビアンシンボルの実験の5年前に、女性に初めて参政権が認められました。
時勢が反映されてか、サビアンシンボルには、双子座16度の「檄を飛ばす女性活動家」など、当時の最先端で活躍する「女性たち」の姿を垣間見ることができます。
一方DARは、女性だけの愛国団体として生まれました。その根底には、最初作られた「アメリカ革命の息子たち」から女性を排除されたことへの怒りがありました。
女性の参政権獲得で活躍した活動家にも、DAR会員が多く存在しています。
しかし一方で、リベラルとは真逆の、保守的な愛国精神を強く打ち出す婦人団体としての一面があるようです。
サビアンシンボルは、20世紀初頭、米国人・エリスのフィルターを通して浮かんだイメージが元となっています。
エリスにとって、DARとはどんな存在だったのでしょうか。
サビアンシンボルでは、各サインの最終度数では、サインの要素を全部解き放つ側面があり、良い面・悪い面が最大限に誇張されるシンボルが配置されます。
そこで全てを出し切ったあと、次のサインに進むのですが、30度が俗に「涙の度数」と呼ばれるのは(実際は蠍座30度が涙の度数ですが)あたかも壁のように、その度数の持ち主は「次のサインへ進めない」葛藤を持つことが多いからだと思います。
蟹座30度は、他サインと同じく、蟹座サインの総決算と言ってもいいでしょう。そこにシンボライズされたDAR。シンボルは単数形ですので、会員の一人と考えられます。
一人の会員が見たDARの有り様が、蟹座の「総決算」なのです。
「DARは愛国心(蟹座のテーマ)の光と闇が凝縮された存在」とエリスは捉えていたのではないか、と私は考えています。
もりむらが考える「アメリカ革命の娘」
私の出生図には、この蟹座30度に木星があります。
木星ですので、私の視点には、この度数にどうしても「寛容」「肯定」という角度が入ります。
私はこの度数を「吉本新喜劇」のようだと思ってました。
ベタでわかりやすい人情劇のドタバタを「またこのパターン…」と呆れながらも、どこか愛おしくて、離れられない…という気持ちが浮かびます。
人が抱く感情という、ややこしくて扱いがたいものを、パターン化した形に入れて安心すること。そこからの発展がないと分かっていても、それでも愛おしいと思ってしまうのです。
パターン化して固定されるのは良くない。そこから離れなきゃ、と思いながらも、つい振り返ったり、やっぱり戻ったり…という葛藤が、この度数にあるのかな、と考えています。