見出し画像

腕の良いエンジニアのあなたが、知っておくべきスタートアップのファイナンスの話

こんばんは。「ご近所SNS マチマチ」を運営する、株式会社マチマチの六人部です。最近noteをがんばって更新しているのでよろしければフォローしてください。
(ちなみにtwitterはコチラ

私はソフトバンクと投資銀行などでM&Aや資金調達を担当してきたいわゆる「ファイナンス出身の社長」です。2009年くらいから、約10年、スタートアップの創業者・経営者として、事業をつくってきました。

そのため、金融畑出身ではあるものの、プルリクを送ったり、BigQueryを叩いたり、ワイヤフレームを書いたりする、「ファイナンスとインターネットサービス」のハイブリッドな感じになっています。ちなみにマチマチは私にとって2社目のチャレンジです。

現在当社ではエンジニアの採用を積極的に行っていて、代表の私を中心に多くのエンジニアの方と面談をしたり食事をしています。
そこで毎回思うのが「エンジニアの人、もっと入社条件にこだわろう、スタートアップのファイナンスを知っておこう」ということなんですね。

もちろんそういうことを一切気にせず「とにかくスタートアップで腕試しがしたいんです!」という気概は大歓迎です。しかし、同じ船に乗り、長い時間を共に過ごす仲間です。

私は、パフォーマンスが高く、成果を出した人がちゃんとしたリターンを得られるフェアな仕組みが業界でちゃんと形成されていくと良いと考えています。

この記事が、スタートアップに飛び込もうか悩んでいるあなた、更に言えばマチマチへ将来ジョインするあなたに届けば嬉しいです。

共同創業するなら、「生株」にこだわるべし

もし、創業時に参画される場合は、必ず出資をして、株式を持つことをおすすめします。

なぜなら、ストックオプション(SO)は退職した場合、日本においては大半が消滅する仕組みになっているからです。株式の場合でもベスティングという、時期の経過に応じて権利を付与する条件がつくことが一般的ですが、SOと比較して退職後も一定比率を保有できる可能性が高いでしょう。

株式をもち、創業者となり、CTOや取締役になると一定の責任も発生します。株が持てるから、肩書があるからというだけではなく、しっかりとその役割や責任を理解することをおすすめします。

逆に、創業時ではなく、後からスタートアップに参画する場合、SOが主なインセンティブとなります。

ストックオプション(SO)をもらう際に気をつけるべきこと

途中から参画し、SOをもらうことになりました。
ちなみにマチマチでは、正社員にストックオプションを付与しています。(もちろん今後の採用フェーズによって条件が変わることはご理解ください)

SOをもらうときに確認してほしいのは以下の3点です。

①発行時のSOの付与株数、持分比率(付与株数÷発行済総株式数)
②上場時の想定の時価総額、持分比率
③退職時及びM&A時の取扱い

「500株のSOをもらった」と、株式数だけしか教えられていない場合があります。株式数だけでは、その付与されたSOの価値がわからない。そのため、「①発行時のSOの付与株数、持分比率」、「②想定時価総額、持分比率」を確認する必要があります。

大前提として認識しておいてほしいことがあります。
100億円のバリュエーションの会社が2つあります。1社は株式を5万株発行しています。もう1社は500万株発行しています。当たり前の話ですが、この2社の1株あたりの価値は全然違います。

①発行時のSOの付与株数、持分比率

SOの付与株式数とともに、その株数が比率としては何%になるかは確認しましょう。SOの株式数÷発行済総株式数で簡単に求めることができます。
(正確には希薄化をすべて考慮する上で、何%になるかを確認するのが良いですが、ここでは省きます。)

②上場時の想定時価総額と想定持分比率

例えば、あなたがシリーズA後に参画して、0.2%のストックオプションをもらいました。その後、上場前にシリーズB、シリーズCと2回資金調達をしました。

話を単純化するために、二回の資金調達における希薄化の比率を下記とします。(希薄化はわからない方はググってみてください)

シリーズB 20%
シリーズC 20%

20%ずつ希薄化しているので、あなたの0.2%の持ち分は、下記の計算のように減少します。

0.2% * (1-20%) * (1-20%)= 0.128%...。

元の持分比率の64%くらいまで希薄化します。それが良いか悪いかではなく、そういうものだと理解しておくのが重要です。

次に、上場時の想定時価総額がわかれば、あなたのストックオプションの上場時点での価値が算出できます。希薄化や上場までのファイナンスがどこまで考慮されているかはわかりませんが、SmartHRさんのシミュレーションなどは親切だと思います。


退職時及びM&A(買収)時の取扱い

日本のスタートアップは、退職時にはストックオプションは消滅する設計となっているところが多いと思います。一部、米国式で、退職したとしても、勤務期間に応じて保有できるところもあると聞きます。

M&A、買収される時の取扱いについては、買い手との交渉次第となるため、参画するタイミングでは明確な回答を得ることが難しいと思います。

経営者が参画してくれた仲間にちゃんとリターンを報いたいかどうかを確認する意味で聞くのも良いかもしれません。

で、私たちマチマチの話

現在、マチマチでは全職種を募集中です!(いきなりの宣伝ですがw)

当社にに参加するメンバーはエンジニアに限らず、フルタイムの正社員にはストックオプションを付与しています。

全員にストックオプションを付与するのは、一緒の船にのってほしいと考えているからです。

また、経営メンバー(COO、CFO、CTOなど)となる方については、ストックオプションではなく株式を保有してもらうのがリスク・リターンとしても見合うのではないかと考えているので、株式の出資枠も提供することも選択肢の一つとして用意しています。

マチマチに興味がある人は、気軽に六人部までDMください〜

最後に

まとめると、下記の3点です。

株式を保有できるなら、株式がいい
ストックオプションは付与株式数だけでなく、比率、時価総額を確認する
退職時、M&A時の取扱について確認する

マチマチ関係なくても、CTOやエンジニアの方でどこかの会社に転職する際に、困ったときは気軽にご連絡ください。

フェアに心地よい形で、スタートアップに関わる方が増えると良いと思っています!

いいなと思ったら応援しよう!