60代で日本語教師になったわけ。 原点は「君の発音はいいね。」
先月、歳が一つ増えた。毎年、一年の過ぎていくのを早く感じる。
ベトナム生活2年目のスタート記念として私が日本語教師を目指した過程を再確認してみよう。
英語教師に褒められた一言「君の発音はいいね。」
中学校で初めて手にした英語テキスト、英語を話す先生をまぶしく感じたあの頃。コツコツ学習する私に自信を与えてくれた一言「君の発音はいいね。」を55年たった今でも忘れることはない。
あの時から英語学習が大好きになった。
この経験が私の日本教師志望の原点である。
付け加えれば次のような下地があったかもしれない。
幼少のころハイカラ好きの父親に連れられて観たアメリカ映画「ターザン」初めて聞くスクリーンの中の異国の言葉
小学校の図書館でむさぼるように読んだ外国のシリーズ物語、おしゃれな言い回しや、生活にあこがれて全巻、読破した「名探偵シャーロックホームズ」「ルパン物語」
中学校時代 毎月、ワクワクしながら外国のニュースや歴史物に触れた「中1~3コース」(残念ながら1999年に廃刊となった。)
語学学習で夢と自信をもらった
その後の私の好きな音楽は当然、流行りの洋楽。ビートルズに始まり、ひいきのカーペンターズ、ビージーズの歌に聞きほれる日々。それらしく歌えることに自己満足する一般的な青春時代が懐かしい。
就職1年目、「どうしてもアメリカに行ってみたい。」の思いが募り、40日間のアメリカ中部コロラド大サマースクール英語コースに参加。貴重な体験。世界の広さ、生活の豊かさ、文化の違いなど様々なことに感動した。
その後、子育ての間も語学学習の熱は衰えず、様々な講座を受講した。
出会った外国人や教師たちは私のつたない発音や間違いを直し、あたたかく、正しく教え自信を持たせてくれた。
日本語教師を目指したわけその2 私もいつかこんな方法で自信と夢を与えられることがしたい。
ベトナムに縁があったかも・夢の実現
長年勤めた教師生活も退職が近くなり、「できれば外国での日本語教師」を目指しながら様々な道を探り始めた。いくつかのチャレンジで失敗を繰り返しながら、62歳になり日本語教師養成講座を受講。イギリス、ベトナムで実習制度もあるという養成校を選んだ。
講座終了後、未曾有の世界的コロナ騒動で日本語教師の夢をあきらめかけた頃、養成校の募集案内があり、ベトナムの日本語教師となった。
どうしてベトナムに来ましたか?とよく聞かれた。
以前、ベトナム旅行であった若者たち、外国語を学ぶことで得られる夢や可能性を持ってほしいと心の奥底で思い続けていたことを話した。
これはベトナムにご縁があったからだろうと思う。
見知らぬ土地、人々。なぜかここに導かれてきたような・・・。
また、選んだ養成校ともご縁があったのだろう。縁つながりである。
この地で語学学習ではぐくんだ私の夢は実現している。
今、ベトナムの若者たちに日本語学習を通して「世界は広い、外国語を学ぶことで得られる自信、夢や希望を持て」とメッセージをおくる日々である。
感謝
60代後半に入る私を採用してくださったセンターの会長さん、社長さん、祖母ほどの年齢になる私に優しく接してくれる職場の若い同僚たち、何より笑顔で私を迎えてくれる日本語を学ぶ若者たちに感謝、感謝。
私の得た経験が少しでも何かの役に立つことを願っている。
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