
“感覚過敏?”子どもの感じかた見つめてみよう
「感覚過敏」という言葉もよく聞くようになって、
親御さんたちも、「うちの子感覚過敏かも?」と心配されることがふえています。
お子さんのその様子をどうみていくか?
の視点を今日はお伝えします。
たとえば
聴覚過敏(音への過敏)がわかりやすいので例に上げると、
お子さんが大きな音で音楽を楽しんでいる姿がある一方で、
そんなに大きな音じゃないはずなのに、敏感に反応して耳を塞いだりすると、
「聴覚過敏ではなかろうか?」って思いがちだったりしますが、
まずそれはほんとに聴覚過敏?
という視点です。
具体的にどんな状況があるかというと、
お祭りの太鼓の音は平気で、
自分が好きな音楽とか、あとテーマパークの楽しげな大きな音とかも平気。
だけど
学校のチャイムや、急になったブザーやアラームには耳を塞ぐとか、
運動会の発砲音みたいなものが苦手とか。
そうすると、イヤーマフをつけて音を遮断したりとかっていうこともあると思うのです。
でも実は
そのお子さんの様子や症状って、
体と、思考の認識が正常にはたらいている証拠
だったりします。
どういうことかというと、
「快・不快」は子どもにとって大事な感覚なんですね。(大人もそうですが。)
だから、「音がうるさい!」と感じるのも、
生きる上での大事なサインだったりもするのです。
そして単純に音の「大きさ」だけじゃなくて、音の「種類」によって、
安心できると音とそうでない音をちゃんと聞き分けて感じ取っているからこそ、なのです。
それで、
大人主導で、子どもの感覚を操作していないかな?てところを一度立ち止まってみていただきたいんです。
たとえば、
イヤーマフとかもそうですが、できるだけ刺激を減らすとか、感覚を育てるアプローチも、もちろん時に必要なこともある。
実際困っているお子さんもいる。
ていう前提で、
だけど、
大人の善意で刺激を減らしたり、与えたりしていることが多いのもまた事実です。
だから感覚過敏と決めつける前に、
「この反応は本当に問題なのか?本当に異常なのか?」と、
子どもの体の自然な働きを見つめ直すことが大切です。
「これをすれば落ち着く」とか「こうすれば慣れる」と、大人がいいと思う関わりかた。
でも実際に
子どもがその刺激をどう感じているかがちゃんと見えていますか?
もう一歩具体的に
どんなことがあるかというと、
背中の感覚が過敏な子に対して、
「背中に刺激を入れて、なでおろしてあげましょう」
みたいなこととか。
でもそれは育っていくどころか、
逆に不快を与えているだけになってしまっていたり。
足裏が過敏にならないように、赤ちゃんのころから足裏につんつく刺激を与えて、育ててあげましょう、とかね。
あと最近ふえていて気になるのは、
感覚を育む教室みたいなもの。
整った環境で、大人が決めた刺激をお利口さんに与えられているような状況だったり…。
でも本当に発達に必要なのは、
日常の中でのごく自然な体験かもしれない。
何度も言いますが、本当に大切なのは
子どもがどう感じているか。
子どもの体も心も、本来、自分にとって必要な刺激とか距離をちゃんとわかっているものなのです。
それを大人の善意で、もちろん親心なのですが、
「育ててあげよう」「刺激を与えてあげよう」「刺激が多いから遮ってあげよう」
って思っても、
子どもの育つ力は、大人が思うルートだったり、カリキュラムだったり、大人の思惑のなかでは育たないものなのです。
だから、何かを「してあげる」よりも、
「育つ力を信じて後から大人がついていく」スタンスが必要。
お子さん自身の選択、行動から、大人が学んで、育つ環境を整えていくってことが本質です。
でも、それが難しいんですよね。
だって介入した方が大人はある意味スッキリしますから笑
前回お伝えさせていただいたように、
ここでは、発達の知識じゃなくて、その両輪として欠かせない「考えかた」にフォーカスしてお伝えしているので、
今回も、お子さんの感覚の感じかたをどう見つめていくか、という視点をお伝えさせていただきました。
もちろん、本当に、
本当にというか、じっさい感覚過敏で困っているお子さんがいることも事実で、
その改善方法ももちろんあります。
だからこそ、
子どもの感覚に対してまず大人がたしかな考えを持つことが先。
なぜならその視点がなければ、
お子さんの本当の状態を見極めるのも難しくなってしまう=その子にとって本当に必要な支援にたどり着けないので。
なのでまずは考え方から一緒に見つめていけたらと思いお伝えさせていただきました。
私がやっていることは本質的なので、抽象的に感じる部分もあるかもしれないですが、少しでも伝わっていたらいいなと思います。
こうした考えかたをこれからもお伝えしていきますので、ぜひまたご覧いただけたら嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
無料発達相談はどうぞこちらから^^
↓ ↓