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仮想通貨取引所のCoinbaseがダイレクトリスティングで上場の見込み
テスラが15億ドルをビットコインに投じ、今後、長期的に暗号資産を投資・保有する可能性があることを発表しました。これを受けて、ビットコインの相場は過去最高の4.2万ドルを突破しました。
一時は下火になっていた仮想通貨の市場も、昨年来より息を吹き返し、空前の投資ブームも相まり過去最高値の更新を続けています。テスラのような企業が自社の資産として暗号資産を保有する企業が増えていることも仮想通貨が市場が上昇基調にある一因にもなっています。
Coinbaseが上場申請
Coinbaseは、2021年1月29日の同社のブログにてNASDAQに上場申請を実施したことを発表しました。上場申請に使われるS1は、現在、取引所の審査プロセスにあり、審査が終了次第公表されるとのことです。
Coinbaseが伝統的なIPOを避け、直接上場の道を選んだのは不自然ではありません。第一に、同社のような個人投資家に知名度が高い企業はダイレクトリスティングに適しています。
ダイレクトリスティングの利点・欠点は、以前ゲームアプリのRobloxを暑かった記事でまとめています。
コロナで人気のゲームアプリ Roblox がIPO計画を変更:ダイレクトリスティングの魅力とは?
https://note.com/ikujidaddy/n/n3a4175cba8ff
ダイレクトリスティングのメリット
ダイレクトリスティングは伝統的なIPOが行う機関投資家による「引き受け」プロセスを飛ばし、直接株式を市場に上場させるため、個人投資家が市場で買う可能性が高い、個人に知名度が高い企業のほうが有利です。
Coinbaseが顧客とするのはまさに個人投資家層であるので、ダイレクトリスティングには適していると言えます。
第二に、市場は常にアップダウンがあるので、暗号資産の市場が熱いうちに上場を果たしたいと考えているのであれば、スピードある上場が可能なダイレクトリスティングを選ぶのは不自然ではありません。
Coinbaseは2017年にシリーズDで100百万ドル、2018年にシリーズEで300百万ドルを調達し、投資家もTiger GlobalやAndreessen Horowitz、IVPなど著名なVCに支えられています。おそらく資金調達には困っていないと思いますので、資金調達を伴わないダイレクトリスティングの手法を使っても、早期の上場を目指したということでしょう。
投資先としてありか?
ちなみに Coinbaseのような暗号資産取引所は、暗号資産の資産価値ではなく、取引手数料で収益をあげているため、暗号資産の資産価値にかかわらず、この領域により多くの投資家が参入すれば同社の収益もあがるという構造になっています。
市況はあるにせよ、テスラのような企業が呼び水となり、今後暗号資産の市場に参入する投資家が増えると考えられれば、Coinbaseへの投資は非常に魅力的かもしれません。
まだいつ頃上場するかはわかりませんが、2021年の注目IPO株としてウォッチしておいたほうがいいかもしれません。