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数値サバイバル

 新たな血液検査の結果が僕の手に渡った瞬間、まるでトリビア・クイズ・ショーのセットにいるような気分になる。心の中で僕は司会者になりきって、「今日の数値はどうだったのか、皆さん、ドキドキしていますか?」と独り言をつぶやく。さて、ドラムロールをお願いします。結論:良くない数値は相変わらず良くなっていない。

 その原因は、何と、息子がしっかりと栄養が摂取できていて体重が増えたことらしい。つまり、血液量が増えたが、血液自体をまだ作りきれていない状態なのだ。まるで新しく家を建てて、家具がまだ届いていないようなものだ。心配しなくても、時間とともにちゃんと「家具」が揃うだろうとの見解だった。

 肝臓の数値も今一つな状態で、ちょっとしたミステリーが続いている。しかし、肝炎の検査は陰性。これは一安心。さらにエコー検査も予定されているので、何もないことを祈るばかりだ。

 そして、便の検査。これがまた一筋縄ではいかない問題だ。便がゆるいということで、出血の具合も見てもらったが、結果はかなり良い方向に。これも一安心。つまり、腸内の「赤字」は減っているわけだ。

 考えてみれば、家族というのは、いろいろな数値と向き合い、それぞれの「赤字」と「黒字」を把握しながら日々を過ごすものだ。そう思うと、この数値たちも何だか人間味があって、愛おしくさえ感じる。

 だから僕は、今日も明日も、このトリビア・クイズ・ショーに参加する。数値が変わる日を楽しみに、そして家族と共に新たな「家具」を待つことにする。何せ、生活は常に「編集中」なのだから。

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