逆流少年と枕のアクロバット

　今日も妻から息子の写真が送られてきた。ほぼ全てが寝ている写真だ。特筆すべきは、その写真で息子の頭の上に枕が乗っているという点。枕が頭に乗るって、一体どんなアクロバットをしているのだろう。彼は夜中に隠れてサーカスの稽古でもしているのか？それとも寝ながらも「ピロー・バランス」の世界大会に備えているのか。僕が若いころもよくヘンな寝相で目が覚めたが、枕が頭に乗っている記憶はないな。

　ミルクの量を調整したところ、吐き戻しも少なくなったようだ。アレルギーか、逆流か、ずいぶんと疑われたが、結局は逆流しやすい体質だったようで、これには一安心。医者も様々な専門のチームで集まって協議した結果、息子はただの"逆流少年"だということが確定。息子よ、僕も若いころはよくビールを逆流させていたから、心配するな。

　さらに新しく訪れた先生が息子のお尻を見て、発育が良いと褒めてくれた。まだ3ヶ月なのに4ヶ月かと思った、とのこと。将来が楽しみだ。お腹にいるときから、彼のキックはすごかったから納得する。何か彼は生まれつきパフォーマンスが高いようだ。

　僕が夜中にビールを飲み、枕に頭を乗せて寝ている間に、息子は逆に枕を頭に乗せ、アクロバットなテクニックを磨いている。そんな息子の成長にワクワクしながら、今夜も僕はビールを開ける。きっと彼も大きくなったら、父と同じように何かを逆流させてでも獲得したい楽しさを知るだろう。それが逆流のビールであれ、頭の上の枕であれ、重要なのはその「流れ」を楽しむことだ。息子よ、流れに乗って人生を楽しんでくれ。そして、枕のアクロバットでも何でも、頑張ってくれ。