見出し画像

WCS2024:ホノルルでの挑戦とその背後にあるコスト

割引あり

ポケモンバトルに愛と情熱を捧げて15年。数々の大会で挑戦を続けてきた私が、ついに夢に描いていたポケモン世界大会に初めて出場することができました。この特別な体験を、忘れることがないよう、また来年以降の為にも書き残しておこうと思います。

この記事では、無料部分として、念願のWCS出場までの経緯と世界大会で使用した構築やハワイでの観光エピソード、そして来年に向けた意気込みをお伝えします。また、有料部分では、世界大会出場までにかかった全経費。ウェルカムキット、物販の収益、"TA無しでWCSに行ってもアドが取れるのか?"について詳しくお話しできればと思います。


1.はじめに

念願のWCS出場

ポケモンを競技として始めたきっかけと自分語りをしています。
興味がない方は次の項目まで飛ばしてください。

私がポケモンを競技として始めたきっかけは、中学2年のときに見た新聞広告です。鹿児島でポケモンの大会があることを知り、友達に誘われて参加しました。当初は世界大会の存在など知る由もなく、ただ攻略本を片手に構築を組んでいました。初の大会となったのは、WCS2009鹿児島予選でした。この時、自分なりに考えた最強の構築が、「エテボース+スカーフドーブル」で、「ねこだまし」と「キノコの胞子」を組み合わせて相手を1体ずつ眠らせ、その間に「きあいパンチ」を打つというものでした。後発はなんとなく上から殴るのが強そうだったので「フーディン」「ゲンガー」を使用しました。

実はWCS2009鹿児島予選から相棒

中学生が何の情報もなしに考えた構築としては、かなり強力なギミックになっていたと思います。ちなみに、友達にこの構築を教えたところ、大会本番数日前に「エテボース」が「ゴウカザル」に変わっていて「こっちの方が速いし強いよ」と言われたのを覚えています。当時の私は種族値の概念どころか、タイプ一致技の概念すら知らなかったので、そのまま挑みました。ギミックはハマり続け、順調に勝ち進めました。準々決勝で、鹿児島の大スター、チアキさんと出会うまでは…。

チアキさんの初手は「トゲキッス+ドータクン」でした。いつも通りのプランで「猫+胞子」を押すと、「このゆびとまれ」で両方の技を吸われて「トリックルーム」を決められました。さらに「ラムの実」で「トゲキッス」は眠らなかったので次ターンに「ドーブル」を処理されました。その後、裏から出てきた「ドサイドン」に全てを破壊され、なすすべなく敗北。このとき、力の差を痛感しました。後にチアキさんは世界大会5位という結果を残し、そこで初めて世界大会の存在を知り、憧れを抱くようになりました。

翌年のWCS2010鹿児島予選では、ルールはHGSSのGSルールでした。前年の悔しさをバネに、他県の予選情報を集めながら構築を考えました。その中で、自分の目に止まったのはサブローさんの構築でした。当時の「グラードン」と「カイオーガ」の両採用は自分には思いもよらないものでした。流行りの「ノオツー」や「オーガルンパ」ミラーに強いと考え、「クレセリア」の技を「サイコキネシス」から「いばる」に変えただけで、他の配分は全て同じにして大会に臨みました。当時他の人の構築をパクる行為は改造と同格に叩かれる風潮があったらしく、これが原因で相当叩かれました。今では良い経験だったなと思っています。

2009年のとき同様、構築が強く順調に勝ち進めました。準々決勝ではぎゃらと対戦し、勝利して同い年ということもあり友達になりました。仲が悪かった時もありましたが、今では心の友だと思っています。そして準決勝でチアキさんと再び対戦しました。結果としては、「いばる」で「カイオーガ」の動きを2回止めたことが大きな勝因となり、前年のリベンジを果たして見事優勝することができました。

鹿児島大会が終わり、次は全国大会でした。ルールは同じくGSルールでしたが、形式は見せ合いあり6→4に変更されました。当時の私は勉強もせず、バトル奥義を片手に一生懸命構築を考えていました。教育実習生にDSを没収されたことはいまでも覚えています。

ボロボロになるまで読んだバイブル

出来た構築は「スカーフトゲキッス+ディアルガ」の竜巻+眼鏡高火力を押し付ける構築でした。自分の実力に自信がなかったため、運に頼る構築を選びました。運よく決勝トーナメントに勝ち上がることが出来、TAを賭けたベスト8を決める試合がやってきました。お相手はペンギンさん。「カイオーガ」のメガネ潮吹きダブル急所で「トゲキッス」「ディアルガ」が初ターンで落とされ、なんと1ターンでゲームが終了してしまいました。悔しいというか目の前が真っ白になったのを強く覚えています。勝手に因縁の相手にしていましたが、ペンギンさんはWCS2019で世界優勝しているので、遠い遠い存在になりましたね…。

さて、WCS2010から現在まで、全国大会にはそこそこ出れるものの世界大会とは遠い存在になっていました。そもそも昔は"世界権利"という概念がなく、"世界権利"="TA獲得"だったというのもありましたが。
何年の時かは忘れましたが、日本から多くの選手が自費で世界大会に出場したこともあり、その翌年頃から世界大会に参加できるのは上位64名のみと制限が設けられたかと思います。
一応世界権利自体はWCS2016の時に獲得しましたが、学生で時間もお金もなく断念。
プレイヤーのレベルもオンラインの普及により飛躍的に上がり、もう世界大会に出る事なく、一生を終えるのではと思っていましたが…

構築、運、環境、全てに恵まれやっっっと憧れの舞台に出場することが出来ました。

2.世界大会で使用した構築と観光エピソード

世界大会で使用した構築

まあ長く書きましたが、要約すると”憧れてた舞台にやっと来れた!”これに尽きます。
憧れの舞台に来たからにはもちろん優勝を狙っていましたが、普通の構築で優勝できるとは思っていなかったので、ある程度マッチング運に頼ろうと考えました。私の中で評価が高かった伝説枠「ミライドン」「黒バドレックス」に特に焦点を当てて、かつどんな相手とも五分以上で戦える構築を目指しました。

今回WCS2024で使用した構築はこちら

WCS2024 - 使用構築

画像はバトメモさんのツールで作成いたしました。
https://pamo3.com/web/usage

しろねオフでわとりさんが使用し優勝した構築とかなり似た構築を当時使用していたこともあり、信じて持ち込みました。
結果は0-3(1-2,1-2,0-2)でした。
中身は詳しく知りませんが、ほとんど同じ構築を使っていたわとりさんも0-3を決めていたので、選択した構築を大きく間違えたなと思います。
また、自分らしい構築を持ち込めなかったのは凄く後悔しています。

ハワイでの観光エピソード

0‐3をした時点で敗退が確定した大会をいつまでもやる意味はあんまりないなと考えていたので、ドロップ申請をし、そのまま嫁と観光しました。
完全に合法満足さんムーブを決めてしまいました…かなり楽しめたので良かったですが。(※満足さんを知らない方はこちら)

まずは気になっていた「アラモアナセンター」に行きました。ここはハワイ最大級のショッピングモールで350以上の店舗を有し、中には4つのデパートが入っています。
なかでもハワイの郷土料理である「ポキ」の量り売りが有名との噂を聞いていたので、美味しそうなものを2種類選び購入しました。

真ん中にあるピリ辛のやつがハワイ飯で一番美味しかった

その後はバスを使って海に行きました。バスもJCBカードを持っていると無料で乗車できるので、とても助かりました。
率直な感想としてはハワイの海は景色こそ綺麗でしたが、大体宮崎と同じだなと感じました。というか宮崎がハワイを目指しているんだなと感じましたね。

0-3した男とワイキキビーチ

他は観光したい場所も特になかったので、旅行前にリストアップしていた食べたい物を食べに行きましたね。


ステーキ① - アラモアナセンター内フードコート
ステーキ② - Meataly Boys
マラサダ - Penny’s Waikiki Malasadas
ロコモコ - Goofy Cafe & Dine

3.来年への意気込み

WCS2024を通じて得たもの

WCS2024に向けた練習期間を通じて、BO3の戦い方を学びました。BO3(Best of 3)形式の対戦は、単純な一発勝負とは異なり、相手の戦略やプレイスタイルに対する適応力が求められます。この形式では、初戦で得た情報を基に次の試合でどのように対策を練るかが勝敗を左右します。私は最後までこの形式に完全に適応することは出来ませんでしたが、一度本気で触れた事で多くの事を学ぶことが出来たと思います。

WCS2024を通じて学んだもう一つの重要な教訓は、フィードバックと改善のサイクルの重要性です。各試合後に自分のプレイを振り返り、何がうまくいったのか、何がうまくいかなかったのかを身内と相談しながら分析することで、自分の構築やプレイスタイルを改善し続けることができました。

これらの教訓は、今後のポケモン人生でも確実に活きてくると思います。

次のステップ

前述のとおり、特にBO3の練度が足りないと痛感したので、積極的に経験を積んでいきたいなと考えています。また、次の予選は現段階ですと「レギュレーションG」である可能性が高いようなので、「レギュレーションG」を中心に研鑽を積んでいきたいです。

BO3はレギュH BO1はレギュGをやっていこうかな?

来年以降も、ポケモンバトルへの情熱は変わりません。
これまで積み重ねてきた経験をもとに、さらなる高みを目指していきたいと思います。次の目標は、より安定した対応力を身につけ、大舞台での勝利を掴むことです。

皆さんの支えがあったからこそ、ここまで続けてこられました。これからも切磋琢磨し合いながら成長していきたいと思いますので、応援よろしくお願いします。

みなさん、次はアナハイムでお会いしましょう。
今度こそ、頂点を目指して!

4.ホノルル遠征にかかった全経費の詳細と収益

お待たせしました。
世界大会に出場したことがない方は一番気になっている部分かもしれません。実際、私は毎年めちゃくちゃ気になってました。
結論から書きますと、権利を獲得したら絶対に行った方がいいと私は思います。
以下に、その理由と今回の旅の反省点、来年以降でも使えそうな立ち回りについて書き残しておきます。

出場までにかかった全経費(※1ドル=150円で計算)

ここから先は

2,351字 / 2画像

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?