ヒロインズリーグをあえて擁護してみる
名だたるメジャーアイドルのなかに食い込むくらい若者から人気の高いアイドルグループILiFEなどを抱えるimagenateというアイドル事務所。現在15のグループを抱えていますが、そのなかでヒロインズリーグというものを開催しています。
ヒロインズというのはその15グループの総称なのですが、ヒロインズリーグはリーグⅠとリーグⅡに分かれており
らしいです。
つまり、リーグで競うことで事務所内での待遇が変わったり、ファンから認知されやすくなったりするメリットがあるということです。
一方ファンからはこんな声があがってます。
長いので要約しますが、「リーグ内で待遇変わるのおかしくない?
同じ事務所でしょ。適切にリソースを配分するのが仕事じゃないの?」ということで、この意見には自分も同意です。
ただ、ここまでは客の正論。今回はあえて事務所の視点からリーグ制を敷くメリットについて考えてみます。
リーグ制を敷くメリット
ヒロインズ側のロジックとして考えられるのは、
身内の争いなので評価に対するプレッシャーが低い。仮に負けても痛手が少ない(どこが勝っても負けても事務所的にはプラス)
ヒロインズ内で頑張ろう!というモチベをメンバーに期待できる
最近のアイドル業界は〇〇争奪戦か配信系くらいしか実質的な競争がなく、それも負けてしまったら終わりなので、普段から競わせてパフォーマンスを磨かせたい
などが考えられます。ヒロインズリーグを作ることで、所属メンバーの事務所に対するロイヤリティを上げたいというのもあるし、外部に対しては広報的な意味合いもあります。(身内対バン、事務所内ライブだけだと外部発信のインパクトが弱いので)
こういう競争コンテンツは、AKB総選挙の例を引くまでもなく、盛り上がれば盛り上がるほど、世間の注目を集めやすい傾向があります。
「順位だけつけて待遇を変える必要ないのでは?」という意見に対しては、これはあえて待遇を変えることで、ファンの弱み(推しの喜ぶ顔が見たい)につけ込んでいると言えますが、まあ順位だけつけて特に待遇の変化がなければ、メンバー側も頑張ろうという気も起きないでしょう。そういう意味では、下位人気のグループにもっと頑張ってほしいという思いがあるかもしれません。
一方ファンからすると、お金や時間を浪費するし、その割に負けたら、その投資は無駄になってしまうし、せっかく応援してるのに事務所都合で待遇が悪くなったら、応援する意味がありません。これはファンの無力感につながります。正直大半のファンにとって参加したくないのが本音でしょう。
ファンは特典会でアイドルから「お願い」されてしまうため、精神的負担にもなります。ファンはその子の魅力や実力を分かった上で推してるので、争いの結果、推しの待遇が悪くなったら、一部は自分の責任に感じるファンもいるだろうし、だったら最初から競争に加担しない人もいるでしょう。
とはいえ人間は競争が本能的に好きなので、応援争いに参加する人は一定数います。そういう人たちと、むやみな競争は避けてほしい人たちの間で、ファンが分断されるリスクはあります。ファン同士や、ファンとアイドルの関係がギスギスするのも嫌な人たちがいるので。
いずれにしても、事務所の都合でメンバーが苦しむのはおかしいというのは正論ですが、我々人類は古代から人が苦しんだり、競争したりするコンテンツを外野から見るのが大好きなので、他人が苦しんでるのを見るのも一種のエンターテイメントとして消費するだろうし、だからこそ、適切な距離感で各々が楽しむべきで、やるならやるで運営側には一定の説明責任が求められます。