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総研大 情報学コース 受験日記

この記事は総研大(総合研究大学院大学)の情報学コースを受験した際の記録になります。 コース名称として”情報学”を名乗っている割には、受験に関する情報がインターネット上にほとんどありません。私が受験する際にGoogleやTwitterで検索しても、出てくるのは公式のホームページぐらい… そういうわけで、今後の受験する人の助けになればと思い、記録して残そうとなりました。

入試に関する基本情報

注意

大学院の入試は毎年少しずつ変化していくことが多いです。ですので、必ず自身が受験する年の「入試要項」をご確認してください。
また、この記事は「5年一貫博士課程」の入試記録です。「3年次編入」の入試とは異なる点が多いのでご注意ください。

入試時期

2022年度入試(2023年度入学者向け)は、例年の入試時期より遅い11月秋入試になりました。しかし、皆様が受験されるときには、例年の8月の夏入試と12月の冬入試が行われるかと思います。つまり、私の記録よりも早めに行動する必要がある可能性があるので注意してください。

学力試験の内容

受験当日の学力試験について詳しいことは後述しますが、募集要項に書いてある基本的な情報を書いておきます。

学力試験は基本的に面接で判断します。内容としては10分の自分のプレゼンと30分の質疑応答です。人によって入学後の研究内容が異なりますので、プレゼンの内容と質疑応答の内容が人によって異なります。おそらく、これの影響で受験の日記的なものが無いのでしょう。(そもそも知名度が低すぎて、受験者が少ないってのもあるんでしょうけれど…)

学力試験が面接だけですので、簡単なのか?誰でも受かるのか?っていうとそういうわけでは無いようです。毎年、一定数不合格者が出ています。 また、筆記試験をやらない分、不安定要素が大きいようにも感じます。

受験までの流れ

概要

総研大情報学コースを受験するときの、大まかな流れをまず紹介していきます。

  1. 指導教員の選択

  2. 指導教員との面談

  3. 研究テーマ決定

  4. 志望理由書の作成

  5. 試験当日プレゼン用のスライド作成

  6. 試験当日の対策

指導教員の選択

情報学研究所のホームページから指導教員を選択します。選び方は、自分の興味がある分野に近い教員を選べばいいかと思います。

指導教員との面談

指導教員を選択したら、今度はその教員と面談を申し込みます。情報学コースの受験では、この面談が必須ですので必ず行ってください。
いわゆる研究室訪問みたいなもので、メールで「面談したいです」と申込み、話すことになります。内容については、なぜその教員を選んだのか、興味ある分野の話、雑談になるでしょう。
自分が興味を持った先生がどんな人なのかを知ることができる、いい機会ですので、思うがままに話してみましょう。

【補足】国立情報学研究所がある東京まで行くのは経済的に厳しいという方
この面談では、交通費支援が使えます。事前に指導教員に「交通費支援が使いたいです」と言えば手続きに必要なことを教えてもらえると思います。

研究テーマ決定

指導教員と面談をして、この指導教員の下で学びたいとなったならば研究テーマを決定していきます。この過程も教員によって違うかとは思います。
私の場合は、先生と話しながら技術的な歴史と課題を話していた流れで生まれました。

志望理由書の作成

2000文字以内で志望理由書を書きます。私が書いた内容は

  1. 研究テーマの紹介と理由

  2. 総研大(情報学コース)を受験する理由

  3. 学部の機械工学科から情報工学科へ専攻を変更した理由

1は研究テーマの紹介と、選択した背景などについて書きます。
2は数ある大学院からなぜ総研大を選んだのかを書きます。私の場合は総研大の特色である、「5年一貫性」や「国立情報学研究所で学べる」ということを書きました。
3は私の特殊な事例です。学部は機械工学科に所属していました。しかし、そこから大学院では情報工学科へ変更するという特殊な事例です。一応志望理由として説明しておこうということで書いておきました。

分量としては、1が最も多く3分の2ほど。2と3は同じくらいです。

プレゼン用スライドの作成

メインの話は、提案する、もしくは総研大で行いたい研究テーマの話です。
作成したスライドを使って、一度友達の前で発表することをオススメします。一度他の人に発表することで、話に行間が無いかを指摘してもらったりと、より伝わる発表になるでしょう。

試験当日の対策

主に想定質問を考えます。友達や指導教員に協力してもらうこともいいでしょう。ここで想定質問に答えられないのであれば、まだ自身が提案した研究テーマに関して理解しきれていないことがわかります。
逆に、想定質問に答えられるのならば当日も問題ないといえるでしょう。

試験当日

5~7人ぐらいの教員(助教から教授まで)の前で10分のプレゼンを行います。その後、情報学コースの教員から質疑応答があります。
ちなみに面接に参加する教員は、希望する指導教員が属する分野の教員が参加している雰囲気でした。

プレゼン(研究テーマ発表)

10分で自身の提案する研究テーマについて話します。指導教員と相談した研究テーマを発表するので、あまり不安になることは無いかと思います。自信を持って発表してください。

質疑応答

さて、問題の30分質疑応答です。質問をしてくる人は国立情報学研究所(NII)の教員ですので、あまり適当なことは言えません。ただし、すべての質問の完璧に答える必要も無いです。

一般的な大学院の筆記試験は6割程度点数を取っていれば合格できると言われています。この面接も同じで、ある程度の正解、もしくは正解に辿り着けそうな過程が見られれば問題がありません。

意識することは、なぜその回答に至ったのか、”理由”も併せて説明するということです。それなりの理由があれば、納得してもらえます。質問には複数の回答があり得る場合もあります。その場合も、いくつかある回答の中で、なぜそれを選んだのかという理由を話して丁寧に納得させてください。

質問の内容ですが基本的には次のようなものでした。

  • 提案した研究テーマについて

    • 現在の技術にどのような解決すべき課題があるのか

    • 上の解決すべき課題を解決する方法

    • 研究の新規性

    • 類似研究の存在

    • 研究の応用

  • 勉学

    • 研究に関係する分野を学べた大学の講義や本

    • 英語の読み・書き・聞く・話すができるか

  • 経済面

    • 学費などは問題ないか

提案した研究テーマに関する質問がメインです。その研究の分野内での立ち位置、現在の技術の課題、類似研究などは知っておいた方がいいでしょう。これらの内容は、入学後にその研究を行うとき必ず考えなければならない内容になります。

まとめ

以上が、総研大情報学コースを受けたときの記録になります。まずは、NIIの教員に連絡してみることから始めてみましょう。NIIの教員と話せることも貴重な機会ですし。

最後になりますが、知りたい情報が無かったという場合にはコメントなどを残してもらえると、新たに情報を伝えられるかもしれません。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

余談

見出し画像にNIIの建物の画像でも貼り付けようとしたんですが、研究室訪問のときに撮影していなかったみたいです。(だからといって、NIIのHPから写真を取ってくるのは駄目なわけで)
代わりに、東京駅とご飯の写真しかない。まあ、気が向いたときに貼り直します。

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