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【医者辞め太郎】医者辞めて1年でCTO。え、マジで?

はじめに

これは2年前に医者を辞めた人の予後報告
先にエクスキューズしておくと、”メンタル”をやったとか"仕事が嫌"で辞めたとかではないよ!

2年前、AIモデルの公開後「医者を辞めてこっちこい」と多方面からのお誘い(ヘッドハンティング)がありAIエンジニアとしてキャリアチェンジした人間

以降の写真は愛機Fujifilm X-E4で撮ったもの


医者辞めて1年でCTO。え、マジで?

ちょっと前まで「先生」って呼ばれてた僕が今やエンタメ系ベンチャー「Livetoon」でCTO(Cheif Technology Officer, 役員)やってます
しかも東大病院のAIチームにも所属して、さらにメディックメディアの社長室でもAI関連を手掛けてる

正直、「ぶっ飛んでる」とか「もう止まれねえなコイツ」なんて思われても仕方ないと思います。正直自分でも「こんな短期間でここまで変わるの?」と驚く日々です

釜山のホテル

AIモデル公開で人生が激変

ファーストインパクト
ことの始まりは2023年1月。「AI美女」の元祖モデルを公開したこと。実はすべてのAI美女はここから始まっています(当時掲示板で「リアルモデルニキ」と呼ばれていました)

2023/1に公開した画像


どんな手応えがあったかって? TwitterのDMが鬼のように鳴りやまなかったですよ。「うちのベンチャー来ませんか?」「一緒に会社やりましょう」なんて引く手あまた

しかも医者だった頃は「病棟業務と当直で死ぬほど疲れた〜」とか言ってたのが急に「AIエンジニアやってください」ってヘッドハントだらけになったわけです。ビビりますよね。でも僕の中では「ここで飛び込まなきゃ男が廃る」という謎の使命感があった

別府鶴見岳山頂


みなさんはどうでしょう? もし自分が医者だったら、「AIエンジニアに転身する」なんて思いつきますか? その一歩を踏み出す勇気、あなたは持てそうですか?

ちなみに両親に伝えたときは呆れ半分でしたが、面白そうだし全力でやってこいと背中を押してくれました

年越し当直で撮った初日の出

前職AIベンチャー時代〜「もっとエンジニア主導でいきたい!」

そんな勢いで2023年5月、医者を辞めてAIベンチャー(エアフレンド)に参戦
実はこれには非常に面白い経緯があるのですが、それはまた別記事に。
アプリのバックエンド書いたり、生成AIの仕組みをいじり倒したり……正直、めちゃくちゃ楽しかった。未経験で異業種(医者)から飛び込みましたが自分としてはかなり能力を発揮できたと自負しています

技術記事を書いたり

ハウステンボスにて


でも同時に「エンジニアリングだけじゃなくて、技術選定やプロダクトの方向性をもっとガンガン主導したい。会社をぐいぐい引っ張るポジションに行きたい」という欲が湧いたんですよ

優秀な作業員として現場を回すだけでは物足りなくなってきた
そこで2024年4月、方向性の違いから退職。恐ろしいことに次を決めずに辞めました
当然給料も0に

転職祝に買ったLeica Q3

無職期間:DMが止まらない謎の状態

医者辞めてベンチャー辞めたら5月〜6月は完全に「無職太郎」状態


でも、そこで謎の現象が起きた。Xで”無職になりました!”と発信すると「お前が欲しい」というオファーが続々舞い込んだ

エンジニアリングの案件から、雇われCEOとして新会社を作らないかなんて話も。
給料のオファーはだいたい年収1500万〜2000万レンジ

これだけ聞くと「夢の話」みたいですけど、僕は「お金よりも自分がどれだけインパクトを出せるか」を重視したかった。だからちょっと迷ったんですよね。お金を取るか、やりがいを取るか

国試勉強中、自分で作ったアイリッシュコーヒー

辿り着いた3つのポジション

悩んでいる最中、いろいろご縁が重なって3つの道を同時に歩むことになりました

1. Livetoon CTO

ANOBAKAというシードVCの小林さんから「イケイケな生成AIスタートアップあるけど興味ない?」と声をかけてもらい、最初は「プレゼン資料に"Ai"って表記してるし大丈夫か?」とツッコミ入れたんですが、即座に修正してくれた彼らのスピード感に惚れました

「こういう人たちとなら、自分が技術と組織を引っ張れるんじゃないか」
気づいたら、「じゃあCTOとして入ってください!」って話になってた。医者からCTOって聞いたことないでしょ? 僕も自分で言ってて笑っちゃう

ハトヤホテル

2. 東大病院AIチーム

一方で「元医者」の肩書きも活かしたかった。前職ベンチャーだとほぼ封印されてたんで(笑)
飲み会を手当たり次第ハシゴしてたら、なんと東大病院循環器の小寺先生に巡り合うという奇跡

小寺研究室といえば医療×生成AIで最先端にいる研究室。医療LLMや医療AIではメッカの一つですよ。そこの先生から「うち来る?」なんて言われて、断る理由が一切ない。ということで二つ返事でJoin
医療AIに情熱を注ぐ場がここにありました

蒲郡プリンスホテル

3. メディックメディア

医学生御用達の「病気がみえる」「Question Bank(医師国家試験過去問集)」や国家試験の動画講座「Q-assist」で有名なメディックメディア

実はTwitterで「清澤先生の声を英語で喋らせることもできますよ」なんて茶々入れたら、そこからご縁があって「ちょっとAIで面白いことやりましょう!」と声がかかったんです


僕も学生時代お世話になった会社だからこそ「ここのAI改革に携われるならやるしかない」って燃えましたね。「学生時代の恩返し」みたいな感じで

東京タワー

「日本を変えたい」 -僕の大義名分-

一見すると「キャリアが華やかですね」と言われることも多いです。でもその根っこには「日本を変えたい」、そして「日本の力になりたい」という想いがずっとあるんです

大雑把に日本という国を考えたときに支出を減らして収入を増やすことが大事です

膨張する社会保障費に対してAIで最適化し、支出を圧縮できないかと考えています。医療AI・DXが広まれば、国家レベルの課題解決に一歩近づくかもしれない

一方で、収入面に目を向けると日本のアニメやキャラクター、ゲームといったIPコンテンツは世界最強クラス。ここに生成AIが組み合わされば、日本のエンタメ産業をさらに加速させて、世界での存在感を高めることができるはず

オーダメイド日田下駄

「支出と収入、両方にAIをブーストして、日本の未来を明るくする」


これが、僕が掲げている大きな人生の目標
ノブレス・オブリージュという言葉が昔から好きなんですが、医師としてのバックグラウンドも含め、僕が持っているスキルや知見を最大限に活かして、少しでも日本の力になりたいと思っています

みなさんはどうでしょう? 医療費が圧縮されて将来に希望が見いだせる。日本のエンタメが世界をもっと熱狂させる未来を想像したら、少しワクワクしませんか?

僕はこのワクワクをリアルに実現するために、AIエンジニアとして走り続けて行こうと思っています


結論:医者を辞めても人生終わらない

医者やめて「これからどうすんの?」って言われたときは正直ビビってました

でも今、こうしてCTOとしてエンタメを開拓し、東大病院AIチームで医療に貢献し、メディックメディアで医療教育のアップデートにも挑んでる

「やりたいこと」をど真ん中に据えて走ったら、それに賛同してくれる仲間や企業が本当に現れるんだなと実感した

バンクーバー(世界最大のAIカンファ: NeurIPSに行ったとき)

最後に:興味あるなら飛び込んでみろ

もし「自分も何か大きいことやりたい」「医者やめたいけど怖い」なんて悩んでる人がいたら、ひと言だけ言いたい

「やりたいなら、やれ!やりながら考えろ!」

僕も医者からAIへと舵を切ったとき「人生終わったらどうしよう」って不安だらけだった。それでも一歩踏み出した先で自分が本当に面白いと思える世界が待っていた

あなたが仮に大きな決断を迫られているなら、一度きりの人生、思いきり楽しんでみてください。そこからまた、新しい道が開けるかもしれません
以上、医者を辞めた男の2年目の報告でした

これ読んで「面白そうじゃん」と思ったなら、あなたも飛び込んでみては? きっと世界がひっくり返りますよ

大分県耶馬渓にて

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