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【歌詞考察?】大好きな松任谷由実の印象に残るフレーズ
最近ユーミン祭りしてるから、とかでなく、
ずっとずっと以前から抱いていた「ユーミンの歌詞ってすごいよね!」を書きます。
私は小学生の頃は「冷たい雨に打たれて街をさまよった」女の人が赤い靴を見た時の気持ちについて思いを馳せていた。そして大人になって初めてバーに行った時、「グラスに残ったオリーブ」の意味を理解しスッキリしたほどユーミンを聴いて育ちました。
歌のひとつひとつについて書いていきたい気持ちもあるけれど、もうそんなの果てしなくなってしまうので(でも今後書きたい)
ずっと頭から離れないワンフレーズを、そこから抱けるイメージとともに書き残していく😎
最後の嘘
forgiveness
セシルの週末
冬の終り
ひまわりがある風景
輪舞曲
最後の嘘
上手に後悔するために 二人はひたすら黙り込む
えも言われぬ表現だ。
上手な後悔、なんて言葉、聞いたことある?ないよね?私はなかった!
人生には、どうしたって後悔するであろう場面があるけども、そうか上手に後悔すればいいんだと、このフレーズに出会ったとき、ツキモノが落ちたような気持ちになったのを覚えている。
思いの残る恋人との別れ話。伝えたいことはきっとまだたくさんある。でもこの女の人は黙るんです。もしかしたら後から、「ああ言えばよかった、伝えたら良かった」とか思って後悔するかもしれない。でも、その場で何を言ったとしても、結局、別のことを言えばよかったとか言わなきゃ良かったとか後悔するのだ。(経験済)
だからもう、「後悔」はする前提で、「上手に」後悔する。そんな視点は目から鱗だし、この一文の響きもなんだか好きなの。
元SMAP中居さんが事務所退所時の会見でおっしゃっていたな。人生には、後悔するとわかっていても飛び込むことがあっても良い、後悔を受け入れるのが大事なのでは、というようなことを。
上手な後悔というのは、後々自分が受け入れられるような後悔なのかしら?ここまで深くユーミンの歌詞を考察するのは野暮かしら。
そしてわたしは二つほど、上手に後悔できたと思っていることがある。
forgiveness
許しあう微笑みは 神様にもらった最高の贈り物
大好きだった人を許せなくなったとき、とても悲しい。許せたらほんとうは幸せなのに、でも出来なくて。アカデミー賞受賞作品「未来を生きる子どもたちへ」もそんなテーマだった。許すって、自分のためにとても大切なこと。
ちなみにbye bye boy の主人公は彼を許せずにお別れしている。(♪ごめんね許せなくて)
セシルの週末
本気で怒る不思議なひとは初めて
愛をくれる人のことをこんな言葉で表すなんて。逆説的に彼の愛を描く。おしゃれ。
この曲を聞くと、一本の映画を観たあとのような心地になる。それがユーミン。
冬の終り
何を綴っても嘘になりそうで
言葉にできない思いは本当にあるのだ(いしわたり淳治著『言葉にできない想いは本当にあるのか』を思い出して。)
この主人公は女学生で、女友達に仲直りをしたいという手紙を渡せずに疎遠になるお話。彼女は学生だけど、大人になっても、このような場面に出くわすことはある。特に、心を近くした人に対してなんかは。
嬉しいとか哀しいの一言だけでは現れない様々なる感情や理由があるからさ。
余談だが人間の感情は乳幼児の頃から段々細分化されていくらしいですね。生まれたては、お腹すいたとか眠いくらいの思い(というか生理的欲求?)しかないんだとか。
ひまわりのある風景
遠くなっていくあなたをただぼんやりと見送っていた
映画でも観るみたいに
ーーユーミンだ!まさしく視覚的。
映画でも観るみたいに彼を見送る彼女、そこから連想されるのは映画のワンシーンのように鮮やかな光景である。
道の傍にはひまわりが咲き並び、太陽は真っ直ぐに彼らを照らしている。そんな伸びやかで健やかな景色とは裏腹に、彼女から離れていく彼。あまりのミスマッチな状況にどこか非現実的な気持ちで立ちすくむ彼女ーーー。
妄想はどこまでも続く。
輪舞曲
キャンドルに灯をともしましょ
思い出みんな照らすように
あなたのくれた微笑みで
泣き出しそうに見えるでしょ
ーーでた。ユーミンお得意のズルい女!
ずるくて弱くて、側から見るとしたたかで、だけどほんとは自分の傷を癒すのに必死な女。
キャンドルで照らしたのはあなたとの思い出じゃないんだよ。今日決別する「あの人との思い出」なのよ。
ここまで書いてふと思い至ったのだが、もしかしたらキャンドルで照らしたのは「あなたとの思い出」かもしれない。ちゃんとあなたを好きになれるように、あなたとの思い出を浮かべようと頑張っているのか?
いやしかし泣き出しそうってことはやっぱり「あの人」の思い出が心に浮かんでいるのでしょうか。
いずれにせよズルい。気持ちいいくらいに。
酒井順子さんの「ユーミンの罪」もそういうところを突いていたような気もするしそうでなかったような気もする
ユーミンを語るにはあまりにも拙い文章だけれども、
こうして書けて嬉しい。ユーミン大好き。