10月9日のひとりごと
ああ。彼のこと、ずっと考えないようにしていたのに。考えないというより、もう彼の存在そのものが、私の人生から消えたはずだったのに。
ずっと鎖で繋いでいた感情が、急に解き放たれたように、彼のことを思い出した。今の私は彼のことで頭がいっぱいだ。朝起きてから一番に思い浮かぶのも、夜寝る前に考えるのも、彼のことだ。
ふと、彼のLINEのアイコンを見た。両手にパンを持ち、ベンチに腰掛けている。オーバー過ぎない白Tにサングラス、程よく光るアクセサリー。
ふーん。なんかスリムになったね。そんなサイズ感の服好きだったっけ?
…で、隣にいるのは誰なんだろう?知りもしない誰かに嫉妬してしまった。
―貴方へ―
…隣にいるのは、どんな人ですか? 貴方を笑顔にできる人ですか?
隣にいるのが私でないとしても、貴方が幸せでいられるなら、それでいい…と言えるほど、私は人間ができていなくて、どうしようもない感情が込み上げてきます。
でも、独りじゃないなら、それはきっと喜ばしいことだと思っています。もう一つ言うなら、心が、独りぼっちじゃないといいなって思っています。
元気でいてほしい。笑っていてほしい。会いたいです。とても会いたいです。
私は寂しいし、今でも諦められずにいるのだと思います。仕事に打ち込むことでしか、自分を保てないのだと思います。
貴方以上の人に出会える自信もありません。
貴方と、貴方の隣にいる人が、私のこれからの人生に関わらないとしても、今の私にとっては、無視しようとしてもできないくらい、ずしんと重く、深く沈み込んで、私の中にい続けます。
どうかずっと元気でいて。幸せでいて。貴方をいろんなことから守ってくれる人と出会って。
その時は心から喜べるように、私も努力するから。