最初の感染者と感染の起点

それでは、あるエリアでの感染のスタートから広がり方を考えていきます。

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当該エリアの感染強度と人口分布が上のグラフのように分布していたとします。ここに別のエリア(国、県、市等)から最初の感染者が流入してきます。

この、エリアに入ってきた最初の感染者の感染強度をIaとした時以下の3つのパターンが考えられますが、その前に仮定として、

・ある感染強度Ixを持つ人の感染対象者の分布はソーシャル的な壁によりIxに近い感染強度を持つ人が多くを占める(Ixを頂点とする分布をしている)

つまり普段同じような行動様式をとる方と仲がよくて(または同じ職場)、たまにキャバクラに行ったり、アイドルの握手会にでかけたりする感じです。

この仮定を基に最初の感染者が持つ感染強度により以下のように感染が広がると考えられます。

[ Ia<1 の時]

感染者の周りの多くは感染強度が1以下の人が多いため、次に運よくその感染強度1以下の人に感染できたとしても、次の人、次の次の人に感染していくことは確率的にはかなり低く、ごく小規模で自然収束していく。ただし、2か月ぶりに飲みに行ったガールズバーの女性にたまたま感染する事はあり得る。その場合、la > 2 の流れに移行する。

[ 1<Ia<2 の時]

この場合、分布グラフ上でlaより左側(0方向)と右側(∞方向)への感染の広がりを分けて考えると、この感染者の周りには感染強度が 1<Ia<2 の人が多く、左右ほぼ等しく分布していると仮定すると、左方向、右方向のへの感染強度Im、Ipはそれぞれ

0.5<Im<1、0.5<Ip<1

となり、確率的には自然収束していく。また、たまたまIa>2の人に感染できた場合、la > 2 の流れに移行する。

[ Ia>2の時]

この場合、左方向、右方向のへの感染強度Im、Ipはそれぞれ

Im>1、Ip>1 となり左右両方向に感染が広がる、その人の周りには同程度の感染強度を持つ人が多く分布していると仮定すると、感染は収束せずに拡大していく事になる。


ここまでを纏めると、最初の感染者がIa>2の時は拡大、Ia<2の時は基本的には収束、ただし確率のばらつきによりIa>2の感染強度を持つ人に感染を広げる事ができれば、感染が拡大する事になる。

なので、Ia>2の強度を持つ当該エリアの最初の感染者が重要な意味を持つ。この当該エリアの最初の感染者を「感染の起点」と定義する事にする。

感染の起点からの感染の広がり方








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