カープダイアリー第8552話「滝田×持丸、道産子バッテリーで大志を抱け」(2024年3月13日)

エスコンフィールド北海道のカープファンへ、大瀬良から、ホワイトデー前の嬉しいプレセントだ。五十幡、松本剛の一、二番を連続三振に仕留めると、三番・野村もショートゴロ。わずか13球の立ち上がりになった。

前日には九里が7回1/3を投げて開幕投手として、責任あるピッチングを披露した。アップなどで行動を共にする九里との特別な関係は今も“昔”も変わらない。ふたりで先発陣を引っ張っていく、という役どころも、だ。

遡ると、マツダスタジアムでの中日3連戦は第3戦がトーマス・ハッチ、第2戦がアドゥワ、第1戦が床田でその前の倉敷ではハッチ、九里、森下が先発した。

キャンプ時に「そこの土俵には立ってないと思った…」と悟った大瀬良は、開幕投手争いから距離を置き、右肘の具合を意識しながらマイペース調整を続けてきた。

それもまた新井監督ら首脳陣の配慮があったから。無理をして、またもう一度故障して離脱する事態だけは何としても回避しなければいけない。11年目。大事なシーズンだ。

二回には二死から連続四球を出したが、球数は17。被安打ゼロのまま初の対外試合での試運転を終えた。

キャンプ時と同じように背番号14の背中を見て、二番手でマウンドに上がった斉藤優汰は、これまでの対外試合とは“別人47号”になっていた。

球筋のブレ幅は最小限に抑えられ、「攻めの姿勢」で相手打者との勝負に集中する姿勢ができていた。北海道の空気がそうさてくれたのか、曾澤のリードの妙なのか、2回を投げて無安打1四球、見逃し三振ひとつ、空振り三振ふたつ。

四番・マルテネスの時は自己最速156キロが出たし(ファウル)、変化球が続けてボールになったあと投げた151キロは、真っすぐ狙いの万波にポップフライしか上げさせなかった(捕邪飛)。

打つ方では二回に堂林が先制ソロ、三回にもマット・レイノルズが2ランを左翼越えにかけて、日本ハム先発・根本に十分過ぎるほどのプレッシャーをかけた。

この日のスタメンで左打者は田村俊介だけ。首脳陣としては公式戦前にいいモデルケースを手にすることができた。

スタメン
ショート上本
セカンド菊池
DHジェイク・シャイナー
サードマット・レイノルズ
ファースト堂林
ライト田村俊介
キャッチャー曾澤
レフト二俣
センター中村健人



八回、5対0とリードしてバッテリーがまるごと交代した際には、またファンにとっても新鮮な驚きと喜びがあった。

マウンドには滝田、受けるのは持丸。そう、これが新井流…

先頭の若林に四球を与えたものの、ふたりは結果的に3人で八回を乗り切り、九回も続投!

だが、四球、四球、死球というバタつく流れとなり、そこに持丸の二塁悪送球や頭部死球スレスレのタイムリー暴投などが絡み、そのあと見逃し三振ひとつを奪うのがやっと…

日本ハム打線に迷惑をかける恐れも出てきたことから、益田が救援マウンドへ。

ベンチに戻った滝田は、新井監督から左肩をポンと叩かれた。その大きな手のぬくもりは、どんなものだったか?そして学生時代、バイトしながら見ていた風景は、プロの世界側からはどんなふうに見えただろうか…

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