カープダイアリー第8228話「ベンチを叩く巨人・原監督、ガラケーに頼る広島・新井貴浩」(2023年4月10日)
3勝3敗の勝率5割で広島に乗り込み3連敗で東京に戻った巨人は、順位を3位から5位に下げた。最下位の中日とは0・5差…
さっそくこの日、午後5時1分に「デイリー新潮」が「原監督、巨人76年ぶり“途中退任”の現実味 坂本優遇で若手萎縮…求心力に二重『もう限界』の声」を配信した。
内容は原監督の真骨頂である「動の采配」が裏目に出て、坂本優先の選手起用で若手が委縮している、というもの。確かにマツダスタジアムでは一、二番の顔ぶれが3日とも違った。固定されていたのは岡本和と中田翔の四番、五番だけだった。
その予兆は広島に来る前の、4月5日のDeNA戦(横浜スタジアム)ですでに見られたという。
開幕3連勝で迎えた原監督はこの日、15の0だった坂本をスタメンから外してドラフト4位ルーキーの門脇をショートで起用した。打順は九番。
門脇は第1打席でプロ初安打を放ったが、0対2で迎えた七回の無死一、二塁で左飛。すると原監督は思わずベンチを叩いたのである。
読売グループの広告塔としての立場も兼ね、還暦を過ぎたいい大人がすることか…。「デイリー新潮」でなくとも“やばい”と感じるだろう。
連敗が4に伸びた段階では「三番のブレーキが大きいよね」と開幕から三番に固定していた丸を名指しで攻めた原監督は、連敗5のあと「ちょっと流れがやっぱり良くないですね。何とか、辛抱のところはあるね」と怒りのトーンをかなり下げた。ベンチを叩いたり、名指ししたり、がマイナスに働くから、頭を少し冷やした?
原監督の顔色を伺っているのは選手だけではない。
巨人は開幕直前になって、巡回投手コーチだった久保コーチを投手コーチに、巡回打撃コーチだった石井コーチを打撃コーチに変更した。
64歳と67歳にも一軍でお知恵拝借、という狙いが見てとれる。
しかし巨人はすでに一軍コーチが発表当初からトレーニングコーチ1名を含めて10人いて(ちなみにカープはベンチ入り制限いっぱいの8人、トレーニングコーチ含まない)、原監督も含めて11人。開幕以降、コーチの入れ変えも行われおり、コーチ陣まで戦々恐々、という状況だ。
ところで、プロ野球開幕を前にNHK総合テレビでオンエアされた「サンデースポーツ」では、収録VTRの中での新井監督の素の姿が反響を呼んだ。
NHK取材により、6監督の中で最多のインスタグラムフォロワーを抱えているのが新井監督(フォロワー約10万人)、続いてDeNA・三浦監督(同約4万人)という話になった際、新井監督は「インスタグラマーって何ですか?」と仰天発言。さらに「私ガラケーしか持ってないので」とダメ押し…。SNSに関しては「事務所の方」(avex)に丸投げしていることを明かした。
ガラケーの新井さん、は広島では知る人も多いところだが、全国的にはかなりのインパクトを残したことは想像に難くない。
すると原監督が「珍しいでしょ。誰かいる近くに? いないでしょ?」とその場とファンの思いを代表して突っ込みを入れたのだった。
ヤクルト・高津臣吾監督もそのあと「本当にガラケーなの?」と直接質問。また阪神・岡田監督が「LINEとかは?」と尋ねると「LINE生まれてから1回もやったことないです」と返していた。
こりゃまた、ちょいと変わったのが我々の世界に飛び込んできたな、しかもコーチ経験なしで…
もしかしらた、あくまでもしかしたらではあるが、県工(広島では広島工業高校をこう呼び)の先輩でもある高津監督でも、そんなことを思ったかもしれない。
国内メディアの頂点に立つ読売グループの一員として、百戦錬磨の指揮官として自他ともに認める存在である原監督も“あら、あら…”くらいの印象は抱いたに違いない。
ところがいざ蓋を開けてみると、開幕の硬さもあって高津監督の前にはひれ伏した新井監督は岡田阪神から監督1勝目をもぎ取ると、その勢いで開幕4連敗のあと4連勝…
まとめると、試合中にこれ見よがしにベンチを叩くのと、コミュニケーションを大切にしてコーチ、選手、裏方さんと常に対面でのやりとりを重ねるガラケー流とでは、どちらがベンチのムードが良くなるか?という話になる。