カープダイアリー第8362 話「末包、マット、堂林で巨人戦3発の8月20日お立ち台その続編そのⅢ…」(2023年8月31日)

試合のない阪神とのゲーム差を4・5にするための8月最後の戦いは長良川球場でのプレーボールとなった。

結果的には“スミ2”で敗れて、チームの連勝が4で止まった。この0・5分の後退が、どんな影響をもたらすか、それはあとになってみないと分からない。

試合開始から1分と経たないうちに一番菊池の強烈な打球が巨人先発、赤星の右肘のやや上部にまともに当たった。しかし、試合の行方を決めた初回の攻防は意外なものになった。

「痛さは少しあったんですけど。痛いなんていってられないので、最低限の仕事はできるように、ファーストから松田さんが1球1球すごい声をかけてくれて、ベンチからもファンのみなさんの声援も力になって、仕事ができました」(赤星)

一度ベンチ裏に下がり、治療を終えて戻ってきた赤星に対して続く野間は粘って8球目でセンターフライ。三番に固定された小園は2ボールから右前打を放ち一、二塁とした。

しかし龍馬は投ゴロ併殺打…甘くきたカーブを豪快にすくい上げるはずが、その上っ面を叩いてしまった。

赤星と投げ合う床田には有利な材料が揃っていた。大学時代慣れ親しんだ球場の空気に加えて、すでに5月9日の中日戦でマウンドにもアジャスト済み。7回7安打無失点で勝ち投手にもなった。

ところがここでも予期せぬことが次々に起こる。

原監督はこの日、思い切った手を打ってきた。一番に高卒新人の浅野。球団では1959年の王貞治以来64年ぶりという大抜擢だ。

その浅野への4球目、低目に投じたツーシームを左前打されたことが結果的には負け投手、への入り口になった。続く北村を2度のバント失敗で追い込んだまでは良かったが、直後のサードゴロがイレギュラーして内野安打になった。

さらに三番秋広の初球バントを床田が三塁へ低く投げたことで小園にエラーがつき無死満塁になった。

こうした展開では床田と言えども平常心がグラつくのだろう。坂本には初球の真っ直ぐを、丸には2球目のスライダーを外野に運ばれて犠飛で2点を失った。坂倉とのバッテリーでこのふたりを料理するための“手間暇”をかける余裕が見られなかった。

二回、三回にももたついていた赤星は、しかし四回になるとストライク先行でテンポ良く投げてきた。二死から菊池が右前打で出塁した五回は、次打者野間の時に菊池に走塁ミスが出て二塁タッチアウトになった。

床田は七回まで投げて自責ゼロのまま降板した。防御率は1・93まで下がり、トップの阪神村上に肉薄だ。

こうした展開で試合をひっくり返そうと思えば、一番手っ取り早いのがドカンと一発!だが、この日は5試合続けて出ていた柵越えなしに終わった。

九回、巨人6人目の中川に対しては、マットと代打堂林の連打で一死一、二塁まで攻めたが末包はボールカウント2-2までバットを振らず5球目で空振り三振…、代打松山も二ゴロに打ち取られて万事休した。

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