カープダイアリー第8523話「高い目標を持って球場に行き、達成して球場から帰るように…それができない選手は…」(2024年2月14日)
内野にできた大きな円陣の真ん中で、栗林のよく通る声が響いた。
「日南市民のみなさまの支えがあったからこそ、集中して練習ができました。ありがとうございました!」
頭を下げた20番は、沖縄2次キャンプでの心構えをナインに説いた。
「質の高い、レベルの高い目標を持って、球場に行くようにしてください!」「より、いっそう高い目標を持って球場に行き、達成して球場から帰るようにしましょう!」
「さ、行こう!」「オー!」
午前9時の野手早出練習から始まった移動日半ドン練習は、午前11時30分の声だしで終了した。
新井監督を先頭にスタッフも含めて全員がハイタッチを交わした。第3クール初日に合流した常廣羽也斗はわずか4日間しか一軍を経験していないから複雑な思いでその輪に加わったことだろう。勝負の舞台はさらに南の空の下へと移る。
「すごくいいキャンプ…どんどん競争してくれと言いたいです、ここまで100点満点の争いを見せてくれています」(新井監督)
指揮官の「100点満点」はいつものことだが、選手それぞれの自己採点はいかほどか?
毎年恒例になっている、解散後のグラウンドで各局による個別インタビュー。そこでは安堵の声、充実した表情、厳しめのコメントなどが入り混じる。
「だんだん慣れて、自分自身を出せたかなと思います、最初は右も左も分かりませんし、先輩方が心配ないよ、と優しくしてくださって、最後の方は楽しくキャンプを送れました」(高太一)
「外野のスタメンを取ろうと思っているので、こだわりを持って率、ホームラン…数字とも戦って目を逸らさないようやっていきたい」(中村健人)
ポスト龍馬…
末包のペースが上がってこない中、沖縄行きを決めた外野陣はほかに久保修、田村俊介、中村貴浩、そして中村奨成 …
「人がどうこうというより、自分が持っている力をしっかり出せるように、実戦が増えてくるので、そこらへんは競争の中でまずは自分のやりたいことができる、持っている力をしっかり出せるようにやっていきたいなと思います」
96番はインタビューの中で「自分のやりたいこと」を強調したが、それは何を指しているのか?
紅白戦2試合ではともに一番を打って初日が左前打、送りバント、一飛、空振り三振。2日目は遊飛、三ゴロ、左飛だった。
ヒットは玉村の初球真っすぐを強く振ったもの。その後も引っ張りが目立ち、一塁に走者がいる場面でも進塁打の気配など微塵も感じさせないまま打ち上げた。
外野でレギュラーと取ろうと思えば、右打ちの末包、中村健人、さらには堂林、そして久保との勝負になる。しかし現状では1学年下の久保修にも大きく水をあけられている。
沖縄では対外試合でもスタメンの機会は必ず与えられる。だがそこで結果が出なければ、どこかのタイミングで主力組と入れ替えられる。