カープダイアリー第8600話「午後3時マツダスタジアム開門前、今季2度目の雨天中止から分かること」(2024年4月29日)
明け方から曇り空となった広島市内。午前11時からマツダスタジアム窓口では当日券発売が始まったが、昼前には雨が降り始めた。
それにしても“異常事態”と言っていい。内野自由席のみ、とはいえ大型連休序盤でも「完売」になっていない。5月1日でも内野指定・自由席とも余っている。さすがに3・4・5日のデイゲーム・DeNA戦は、車いす席以外完売となっているのだが…
その車イス席で言えば、先週の金、土曜にマツダスタジアムであったウエスタン・リーグ、中日戦では車イス来場者のための駐車場が確保されていなかった。ファンが球団に問い合わせたところ、適切な配慮もなされなかったという。
二軍戦なら車イス利用者はこなくていい、とそういうスタンス。
いかにもカープ球団らしい、エピソードだ。
球団では公式戦開催日に隣接する「スポーツクラブ&スパ ルネサンス 広島ボールパークタウン24」の敷地内にある立体駐車場の一部を車イス来場者用に借りている。これとて強引に球団側がボールタウン側にねじ込んだものであり、ボールタウン側には何のメリットもない。そればかりか、会員が多数訪れる土日祝日など、無用な混乱の原因になっている。
だがボールタウン側は「カープがあるおかげでそちらが多大なる恩恵を被っている」という球団側の主張に抗いきれないでいる。
ライトパフォーマンス席右に見える巨大広告はボールタウンの施設にあるが、驚くべきことに広告料はカープ球団に入っている。ボールパークタウンの名称は小さくそこに掲示されているだけだ。
赤なのにブラック…
そんな球団経営の下でチームを任される監督、というのは大変な仕事だ。事実、佐々岡前監督はコロナ禍にもモロに見舞われてわずか3年しか持たなかった。
新井監督もアグレッシブなそのコメントとは裏腹に、内心では苦労が絶えないはずだ。1年目に続いて今季も打線の中軸を担う外国人は空砲で、ハッチら外国投手勢も総崩れ。昨秋、広島に呼んだドミニカアカデミー勢に至っては二軍で打率1割前後と話にならないレベルであることがはっきりした。
本拠地に首位を行く阪神を迎えて、この3連戦をどう戦うか?あれこれ思案していると、昼過ぎには雨脚が強まり、午後3時前にはメディアに「雨天中止」が通達された。
開門予定は午後3時だったから、遠方からやってくるファンは比較的早い時間に予定を組み直すことができる。
朝の時点での降水確率は正午からも午後6時からも90%だったからみんな、それなりの予想はしていたかもしれないが、マツダスタジアムでは雨でも平気でプレーボールがかかるから油断できない。
4月3日のナイトゲーム、ヤクルト戦も雨天中止だった。この時は正午からの降水確率100%、午後6時から80%だった。中止発表は午後1時過ぎで異例の早さだった。
おそらく一部メディアに過去の対応の拙さを指摘され、それがネット上に拡散されて、これまでのようにはいかなくなったのだろう。ただし21日の巨人戦のように雨で六回途中、試合打ち切りというケースは今後も頻繁に繰り返されることになる。「一か八か」なら「罰」ではなく「一」を取るのがカープ流だ。
新井監督は早めの中止決定を受けて、予告先発だった大瀬良を5月1日にスライドすることを決めた。開幕以来、火曜日にはずっと床田が投げてきた。そのルーティンは何より優先される。4試合に投げて2勝1敗、リーグトップの防御率0・93をマークする左腕を阪神にぶつけない手はない。
9日の甲子園では7回を投げて8安打されながらも1失点で試合を作った。ただし投げ合った村上の方が7回無失点と一枚上手だった。
確実に雨が上がるであろう、4月ラストゲームも両者の投げ合いになる。村上にはクライマックス・シリーズも含めて昨季から4戦連続で白星を献上しており、バンテリンドームナゴヤで九里を見殺しにした打線の奮起が待たれる。
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