カープダイアリー第8268話「5日5日以来のマツダスタジアムで林1号特大弾と中村貴浩プロ初安打と…」(2023年5月23日)

5月5日のマツダスタジアムはチケット完売3万1193人が詰めかけた。そこから数えて18日ぶりのホームゲームは2万4224人。G7広島サミットで大いに盛り上がった街中のような熱気はなく、ビジパフォのドラゴンズファンは数えるほどだった。

しかし勝ったのは中日。大瀬良が七回二死無走者から岡林、福永、細川に3連打されて102球降板となった。

六回にも先頭の岡林に中前打され、細川の遊ゴロが矢野の野選を招くという流れの中で大島のピッチャー返しを自らグラブに当てて(記録はタイムリー内野安打)1-1同点にされた。

7連敗中だった中日は、その間わずか16得点。1試合平均2・3点しか取れない打線に3点奪われた。しかも岡林、細川、大島には2安打ずつ。

「チャンスで1本出せるように、必死で食らいついていきました」(左中間への決勝2点適時二塁打の細川)当り前の話だが相手も必死だ。

大瀬良はイニング間のベンチで右ヒジにホットパックを当て続けていた。

ラジオ中継のアナが「アイシング」と紹介して解説者のカープOB天谷宗一郎さんに訂正されていた。肘を冷やすと血行が悪くなる。「骨棘(骨端の一部が分離してトゲのようになる状態)」による炎症の影響で登板間隔を空けてはみたものの、やはり万全とは言い難い状況だった。

中日ベンチに連敗ストップの貴重な1勝をプレゼントする中にあって、打つ方では2つの“ニュース”が配信された。

二回、先頭で打席に入った林が中日先発、福谷の浮いたスライダーをライトスタンドに運んだ。2年ぶりのアーチは二階席の前にある看板を直撃した。そこまで飛ばす長距離砲はそうそういない。

「自分のスイングができました。いい感じで打つことができました」

さらに九回の第4打席では防御率0・00のマルティネスの156キロ低目を右中間二塁打にした。課題の真っ直ぐにも対応できたことは、もしかしたら林にとっては特大アーチより意味のあるものになるかもしれない。

二つ目のニュースは七番ライトで3度目のスタメン出場となった中村貴浩。五回、ボールカウント1-2と追い込まれて福谷の内角ストレートを詰まりながらもレフト前に落として、マツダスタジアムデビュー戦を記憶に残るものにした。

それまでに第1打席の初球打ち(左飛)と合わせて「マツダで1本打ってやろう!」という思いで4度スイングしていた。どんどん振って自分の振りとプロの球の関係を頭の中にデータ化していく。新井監督からしばらく打席を与えられることになるだろう。

ただし個々の選手の活躍もすべてチームの勝利のためにある。

2週間のロードの最後で阪神に負け越し、これでチームは3連敗で借金1。交流戦まで残り5試合で危険水域に足を踏み入れたことになる。

※この記事内で選手などの呼称は独自のものとなっています。

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