カープダイアリー第8514話「天福球場最初のランチ打撃登板の意味」(2024年2月4日)

第1クール最終日。日曜日の天福球場、スタンドに詰めかけたファンにとってはこれ以上ないサービスになった。

ランチタイムに森浦、益田、河野、斉藤優汰が投げて、田村俊介、久保、林、中村貴浩、中村健人、石原貴規が打った。
 
ここまでの3日間でやってきたことを対戦によって表現する。抑えた、打ったよりも内容が重視される。1カ所だけしか使わない“真剣勝負”。しかもゲージの後ろには新井監督と黒田球団アドバイザーと永川投手コーチの目がある。
 
1年前のランチ打撃初日には遠藤、ケムナらが投げた。打撃投手の先頭を切るのはこの時期にその力量を確かめて、開幕一軍に名を連ねる可能性を探り、ぜひとも一軍切符を手にしてもらいたいから。
 
ただし、仮にそうであってもすぐに息切れすることもよくある。シーズンを通してずっと一軍枠というのは経験していない者にとっては未知の世界だし、簡単なことではない。ローテの一角に加わることは期待された遠藤が悔しいシーズンを送ったように…
 
森浦もまた昨季の反省を生かして一軍に居るのが当たり前、という立場を勝ち取る必要がある。キャンプインと同時に新婚の発表があったばかりで、燃えているのは間違いなし。田村俊介、久保、林に5球ずつ25球を投げてほとんどがストライク。ヒットになったのは林の詰まった打球1回だけでチェンジアップで空振りを取るシーンが目立った。
 
右スリークォーターに変えた益田は無難なスタートになった。紅白戦でどうか?155キロ前後の真っ直ぐがありながら新たな形に挑戦!制球力がカギになる。
 
河野もルーキーイヤーは“不発”に近い内容だったから今季、自分の持ち場を掴み取らないと厳しい。久保、中村貴浩、中村健人に投げたあと、新井監督に声をかけられて笑顔になった。
 
最後にファンお待ちかねの斉藤優汰。キャッチャーは坂倉。真っすぐの球速は149キロをマークしており、中村健人のバットに空を切らせた。課題の変化球は次回、シート打撃登板でどうか・
 
休日前の共同インタビューで目立った選手を聞かれた新井監督は「全員目立っていた」といつものように即答した。そう、まだ始まったばかりでみんな最初は勢いがある。しかし途中で悩んだり、時にはどこかを痛めたり、と山あり谷ありの1カ月になる。
 
例えば坂倉は「捕手1本」指令を受け、石原慶幸バッテリーコーチと二人三脚で基礎から作り直したし、あの秋山ですら1年前には最初のランチ打撃に参加しながら新たなスイング軌道の習得に取り組んだ。一日休んでまた南国で鍛え、手ごたえを感じながら沖縄入りするのがベスト!ということになる。

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