カープダイアリー第8376話「『阪神優勝』の文字が踊り『岡田―っ』の声援が飛び交うマツダスタジアムで大切なこと(2023年9月15日)

6対5で大接戦を制し、9月負けなしだった阪神の連勝を11で止めた。だが、優勝ビールかけのあと、ろくに睡眠時間も取れずに広島入りした相手のことを考えると、改めていろいろ考えさせられる。クライマックス・シリーズで本当に猛虎を倒せるのか…

都内から当日移動の松山や曾澤、磯村らがグラウンドに姿を見せた午後1時前ごろ。9月の陽射しはまだ強烈で、立っているだけでも汗が噴き出してきた。

午後3時の開門と同時に多くのファンがスタンドへ。やがてビジターパフォーマンスも虎ファンでいっぱいになった。その手には「阪神優勝」タオルやプラカード。

メンバー交換の時にも「岡田―!」と大きな声援が飛んだ。

この時、スタメンを確認した新井監督は何を思ったか?

一番近本
二番中野
三番森下翔太
四番大山
五番佐藤輝明

上位5人は不動…

床田がその上位打線にいきなりつかまった。

中野左前打のあと、森下翔太は中飛に打ち取ったが、大山に中前打されて一、三塁。さらに佐藤輝明、小野寺に連打され、立ち上がりで2点を失った。

三回、阪神クリーンアップとの2度目の対戦は三回、森下翔太からで、結果的にはライトライナー。ただしこの日がマツダスタジアムデビューとなったライト田村俊介の好守がなければヒットになっていた。大山は空振り三振、佐藤輝明はセンターへの大飛球。

3対2とリードして迎えた五回、3度目の3人との対戦は、一死一塁から森下翔太には左前打され、大山には同点適時打を、佐藤輝明には勝ち越し打を許した。

1週間前、絶対に負けられない甲子園初戦で5回5安打3失点と乱れ負け投手になった。初回には森下翔太に左翼席に運ばれ、二回には佐藤輝明にバックスリーン右に持っていかれた。

森下翔太と大山の内角を攻めたり、高低を使って佐藤輝明を崩しにかかったり…坂倉とふたり、様々な対策を考えていたはずなのに、しかし虎の牙を剥く相手にはほとんど通用しなかった。

試合は八回、阪神4人目の加治屋から代打松山が勝ち越しタイムリー。6対5として九回のマウンドには栗林。一死一、三塁、打席に小野寺と言う場面で1ストライクから大山がスタートを切った。坂倉が落ち着いて二塁送球して悠々アウト!

ただし、この動きは紛れもなく阪神ベンチが来るべき短期決戦に向けて、相手の動きを探ろうとしていることを示している。一方で岡田監督のこの日の投手起用は、プロ初先発の及川に始まり、高卒ルーキー左腕の門別、調子の上がっていない濱地に登板機会を与える、というものになった。

最初の目標を逃した新井監督は優勝を決めた阪神に関して「成熟している」という表現を使った。

開幕から全試合で四番に座る大山ひとつ取ってもそう。この日の1打点でリーグ単独3位の80打点に達し、キャリアハイだった昨季の84打点越えを見据えているから、皮膚にビールが残っていても?4打数3安打1四球と1打席たりともムダにしない。

どうすればペナントレース終盤で独走した岡田阪神を、短期決戦で倒すことができるのか。

「あと10試合ですが、最後の最後まできょうみたいな全員野球で、何とか次の目標を達成できるようにがんばりたいと思います」(新井監督)

お立ち台に上がったふたりも、また指揮官の思いに応えようとファンに向けて力強いメッセージを口にした。

「残り10試合全部勝って、CSをここでやりましょう!」(松山)

「僕も同じ気持ちで、CSを広島でやりたいので残り全部勝ちましょう!」(38HPでトップを奪い返した島内)

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