カープダイアリー第8573話「地元開幕戦白星発進!終盤勝負に勝てた訳」(2024年4月2日)
「田村が苦しんでる中、出塁して、つなでくれたので、何としても還したかったです!」
野間の声がマツダスタジアムに響いた。ホーム開幕戦の決勝打は、オープン戦打率・091のバットから飛び出した。
八回、島内が犠飛を許して試合は1対1振り出しに。直後の攻撃は田村俊介から。2ストライクから三番手清水のフォークに食らいつき、センター前ヒット!開幕から数えて14打席目でHマーク点灯となった。
代走の久保修を菊池が送り、代打松山は遊ゴロ。二死から指3本分短く持った野間のバットがインローの真っ直ぐをミートした。打球は前進守備のライトの遥か向こうで弾み、勝ち越し三塁打になった。
床田は7回115球4安打9三振1四球と期待通りのピッチング。オープン戦と合わせて並べたゼロの数は17個…
左腕の力投に応えたい打線は七回、まず1点をもぎとる。ヤクルト二番手の大西から小園が四球を選んで一死一塁。次打者堂林は空振り三振に倒れたが、ラストボールがショートバウンドした瞬間に小園は二塁へ。
「小園がいいスタートでセカンドまで行ってくれたんで、そこは打つだけだと思いました」
野間とともにお立ち台に上がった秋山はそう振り返って小園を持ち上げた。自身は大西を救援した嘉弥真の外角球をレフト前へ…。開幕戦ベンチスタートだった思いをぶつけるかのように、その勝負強さを見せつけた。
2月のキャンプでは、野手全員で先の塁を狙う意識を高めてきた。“投球がショートバウンドしたら必ずトライする”。シート打撃で一塁走者になったらその動きを頭と身体に叩き込み、その成果をオープン戦でも試してきた。
初回の二盗が失敗に終わった小園は、大事な場面で練習してきたことを実践したことになる。
試合時間は2時間と56分。結果的に勝敗の行方を左右したのは、午後8時ごろからゲームセセットまでの56分前後だった。1球の重みが増す中でのせめぎ合い。タフな方に軍配が上がる。
新井監督は大方の予想を裏切って?“”DeNAとの第3戦と同じ打線を組んできた。
センター野間
サード田中広輔
ショート小園
ファースト堂林
レフト秋山
キャッチャー坂倉
ライト田村俊介
セカンド菊池
“シャイノルズ離脱”を受け田中広輔をサードに起用する一方で「四番堂林」も固定した。菊池の八番は下位打線の一番の役目を兼ね、九番が送って野間につなげる。坂倉はリラックスできる位置で打点を稼ぐことが求められる。
ここまでの4試合、右打者でスタメンに名を連ねたのは“シャイノルズ”と堂林、菊池以外では上本だけ。2024年型打線も、どうやら左打者がカギを握ることになりそうだ。