カープダイアリー第8395話「予想外の結末でセ・リーグ全日程終了、いざクライマックス・シリーズへ」(2023年10月4日)
マツダスタジアムにカープナインが戻ってきた。2日間のオフを経て、午前11時から全体練習スタート。腰痛の癒えたターリーと左ハムストリングス違和感の消えた野間も合流した。
初日とあって打撃練習はなし。ランニングやキャッチボール、守備練習などをそれぞれのペースでこなし、およそ1時間半で早目の終了となった。
14日からのクライマックス・シリーズ本番に向け、9日の休日まで“5勤”で調整が続けられる。また、7日にはJFE西日本と、8日には伯和ビクトリーズと練習試合が行われる。
もちろん、この日から再始動したのには訳がある。まだ順位が確定していない中では気持ち的にも盛り上がりに欠ける。投手も野手もまずは体を起こすだけにしておき、午後6時からの巨人-DeNAの結果を受けて、ファーストステージへの準備開始!という段取りだ。
自力で2位を確定できなかった新井監督とカープナインにとっては、しかし東京ドームの2時間6分はあっという間だっただろう。
ジャイアンツファンの大声援を受け、先発の山崎伊織が九回のマウンドに上がった時、まだ時計の針は午後7時56分を指していた。
スコアボードに刻まれた得点は巨人、二回の「1」だけ。DeNAの安打数は初回の「1」のまま…
DeNA先発の東も粘り強かったが、投げ合う相手はそれ以上だった。初回先頭の林が右前打したあと八回終了までDeNA打線はひとりのランナーも出すことができなかった。
九回には先頭の代打楠本の左前打と山崎伊織のバント処理ミスで無死一、二塁の絶好機を迎えながら、あとに続く快音はなかった。
打線は水物。首位打者当確だった宮崎も最多安打の牧も、ともに3タコでレギュラーシーズン打ち止めとなった。
セ・リーグは①阪神②広島③DeNA④巨人⑤ヤクルト⑥中日の順位で全日程を終了した。
東京ドームでは試合後にセレモニーがあり、原監督は自ら「辞任」を発表して後任とちて「若い新しいリーダー、阿部慎之助君」の名も口にした。
新井監督より2学年下の阿部ヘッド兼バッテリーコーチの指揮官としての力量は未知数。だが、原監督と読売グループは来季からの巻き返しを託す人材として、巨人では初の捕手出身者を選択した。
それにしても…
NHKが開幕前、3月26日の「サンデースポーツ」でオンエアし2023プロ野球セ・リーグ監督座談会」では明らかに“上から目線”だった原監督が143試合を終えたあとの会見では涙を流すようなことになろうとは…
原監督は座談会の中で「新たに全員がスイッチを持って試合に臨む。オフというスイッチはいらないにしても、オンというスイッチは持たせて戦う」というような話をした。シーズン164本塁打は12球団の中で頭二つ抜けているが、ホームランスイッチだけでは71勝70敗2分けが精一杯だったようだ。
また座談会終了後に「本当にガラケーなの?」と突っ込んできた?高津監督もセ・リーグ最終戦のこの日、阪神にサヨナラ勝ちして勝差で中日を上回り最下位を脱出した。やはりこの世界は恐ろしい。
一方、新監督同士のやり取りの中で岡田監督から散々ジャブをもらった新井監督は、阪神追撃の一番手でレギュラーシーズンを終えて、その先を見据える。
座談会の中で「本音を腹の中をさらけ出して選手ひとりひとりとぶつかっていくことが結束力につながってくれるんじゃないかなと思っています」と話していた、そのスタンスはこの先に待つ大一番でも変わらない。