カープダイアリー第8345話「連日の屋外球場酷暑に体力を奪われ、バンテリンドームナゴヤに辿りついた秋山、無念のリタイアへ」(2023年8月11日)

夏休みのバンテリンドームナゴヤには3万3657人のファンが集まった。午後6時開始のナイトゲームは午後9時20分、延長十一回の中日の攻撃を迎えた。マウンドにはカープ7人目の中崎。同じタイミングで京セラドームでは八回裏、阪神の攻撃が始まった。

中崎は3人で片付けてこの日、ターリー、島内、栗林、矢崎に続くホールドをマークした。京セラドームではそれと並行して代打糸原が決勝タイムリー。阪神、破竹の8連勝…

延長十二回、最後の攻撃は龍馬、上本連続三振のあと代打松山が四球で出た。代走羽月の二盗のあと坂倉も四球を選び、七回に同点2ランを放った堂林も四球。

中日ベンチはこの回からマウンドに送った8人目の田島から岡野にスイッチした。一方、新井監督の勝負手はここで代打野間。結果はフルカウントからの空振り三振だった。その裏、益田武尚が投手リレーのラストを飾り試合は3対3引き分けに終わった。

先発の野村祐輔が初回に2点を先制されたことを考えれば最悪の引き分け、とまで嘆く必要なないだろう。

しかし借金23を抱えて迷走中の相手と“互角の継投”を演じているようでは、問題ありとの見方も否定できない。

大量失点ゲームからの修正が効いた一方で、カウンター攻撃が身上の打線は中日の送り込んでくる齋藤、松山、清水、藤嶋のブルペン陣に対して3者凡退の繰り返し。九回のマルティネスには先頭龍馬が右前打して食い下がったが打って出た上本は左飛、途中出場の大盛は併殺網に引っ掛けられた。

チームにとって最もマイナスになったのは三回の守りから秋山がベンチに下がったことだ。

それまでに打席に1度立ち、守備機会は4度あった。そのどこかで右ふくらはぎを痛めた。

本人の希望で始まった今季のフルイニング出場は打撃不振を極めた6月の最終日、30日の神宮球場でストップした。

首脳陣は様子を見守りながら、おそらくどこかのタイミングで代走や守備交代でフルイニングにストップをかけるつもりでいたはずだ。無理が祟ってケガでもしたら元も子もない。

チームでただひとりのフル出場が続く中、7月25日のマツダスタジアムではお立ち台に上がった。

インタビュアーが「完全復調ですね」と振ってきた。しかし3安打の秋山は「外の方が、戻ったとかあまり判断しないで欲しいな、と…ぼくもぼくなりにいい打席と悪い打席があるんで…」と切り返したのだった。

そのあと甲子園へ行き、マツダスタジアムでの6連戦があり神宮球場へ行きやっとバンテリンドームナゴヤに辿りついた。「こんな日程に誰がした?」と恨み節が聞こえてきそうな酷暑に耐え、やっと一息つけるかと思った矢先のアクシデントでフル出場も止まることになった。

「三番秋山」を軸に据えてきた打線は龍馬が戻ってわずか4試合でまた流動化することになった。

8月6日を境にして投打の歯車がかみ合わなくなった。首位阪神までのゲーム差6…

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