カープダイアリー第8492話「野球どころ三次出身、広陵から明大へ、今秋のドラフト1位候補、宗山塁がもしもカープ内野陣に加わったなら…」(2024年1月13日)
前日に自主トレを公開した秋山は、この日、下田市にある吉佐美グラウンドで野球教室を開き、近隣チームの小学生らおよそ80人が参加した。プロ野球選手という存在が、どんな意味を持っているか?常にそこを意識しての言動はさすが!と言うしかない。
秋山に続いてこの日は菊池が自主トレを公開した。同じく静岡県内にある清水庵原球場がその舞台。今季からウエスタン・リーグに参入するハヤテ223の本拠地だ。
移動が少なくて済むメディアは助かる。そういう配慮がなされている。プロ野球の自主トレ、とはそういうものだ。
秋山と同じように菊池も軍団トレを毎年続けている。今回も阪神・熊谷や前川、矢野らが一緒に汗を流す。
「西川が抜けてしまったんですけど、それがチャンスだと思って今年スタートしている若い選手もいますし、僕たちもね負けないように…」
その思いは秋山といっしょ。そして秋山と同じように、ポジションを脅かされる身でもある。
1月13日付の各紙を見ると、前日12日に第1回目のスカウト会議が開催されたことが紹介されている。
あまり大きく扱っていない社もあるが、「大学ナンバーワン遊撃手」の呼び声が高い明大の宗山塁内野手(3年)がクルーズアップされる形になっている。
多くのプロ野球選手を輩出してきた三次市出身の宗山塁は、広陵高時代から注目される存在だった。1年時からメンバー入りして甲子園には2度出場。明大でも1年春からショートレギュラーに定着した。
昨年11月には主将に指名され大学最終学年で背負うものがさらに大きくなった。しかし明大・田中武宏監督は早い時期から主将指名を決めていたという。「プレーでの発信力」はすでに抜きんでており、さらなる成長を求めていたからだ。
ネットには宗山塁の動画が数多くアップされている。ショートでの動きは誰が見ても安定感抜群、という評価になるだろう。白武スカウト部長が「ドラフト1位は間違いない」と断言するのも頷ける。
抜群のボディバランス+強肩。守備だけならNPBでも即レギュラー!レベル。しかも広島出身、イケメン、キャプテンシー有りの好青年と“欲しいもの”が全部そろっている。
ただし問題は打撃。「好打者」と言われていても現状では「強打者」ではない。そしてカープ内外野に多い左打ち…
広い意味で田中広輔、林、小園、韮澤、矢野、羽月とかぶることになる。
プロアマ野球に通じる関係者のひとりは、今後の課題について次のような見立てをしている。
「打つ方はちょっと伸び悩んでいる感じですよね。どんなタイプのバッターを彼が目指しているかにもよりますが、4年春からの打撃で、どれだけのものを残せるか?東大戦でいくら打ってもプロは評価しないはず。好投手から内容のある打席を増やしていけるような打撃スタイルへ持っていければさらに評価が上がるでしょう」
もしも今秋のドラフトでも新井監督が競合の末、宗山塁を引き当てたなら内野陣は「ショート宗山」を軸にコンバートされる可能性が高い。それに伴い小園はサードかセカンドへ、そうなると菊地は…田中広輔は…
ただしカープドラフト戦略には“天の声”が存在する。白武スカウト部長が「森下翔太」の名を大代的に挙げていたのに斉藤優汰が1位指名された2022年ドラフトがいい例だ。よって、しばらくはその動向を見守る必要がある。ただしそのあたりの特殊事情を考えた上でも、宗山塁がカープの未来に欠かせない逸材であることに変わりはない。
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