天狗のお面への衝動と恐れ
11月20日(日)に開催するリアライズ文華落語塾発表会。
ぼくの出番は第1部のトップバッターである。会の勢いをつける重責が課せられている。
元氣よく、というのはぼくのキャラではないのだけども、ネタは元氣よくもいける口のようなので、元氣よく、勢いをつけていきたい。
今回演じるネタは「天狗さし」という噺である。
先日、出張の宿泊ホテルに天狗のお面が飾ってあった。
「お面をかぶってもいいですよ。あとは元に戻してください」と書かれてあった。おそらく宴会のときの盛り上げるのに、自由に使わせてくれるのだろうと思った。
その土地は、神楽が盛んな土地であった。宿泊客に貸し出し可能のお面なんて、なんてノリのいい宿なんだろうと思った。
当然、かぶる衝動にかられた。「天狗さし」というネタをやるのだから、かぶるべきだと思った。
だが、かぶらなかった。一度かぶるととれなくなってしまうのではないかと恐れたからだ。
いい面構えをしたお面だった。
衝動を抑えた。かわりに恐れを開放した。
恐れが衝動に勝った瞬間だった。
なぜか、自分が勝利したかのように誇らしかった。恐れたのに。
恐れ万歳。衝動畏るべし。なぜか、そう思った。
いいなと思ったら応援しよう!
もし刺さる根多でしたら、木戸銭歓迎です。寄席代にして、さらなる刺さる根多を仕入れてきます。