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【特撰記事#7】まくらを決めておくとコストがかからない
先だって、落語ライフハックのメンバー向けに対話会をおこなったときと、しんちゃんに1on1をおこなったときに、落語のまくらのパートとパワーの話をしました。
せっかくなので、この記事内で深掘りしたものを共有できればと思います。
まくらとは、
落語の演目にはいる前におこない、本編を聞きやすくするための重要なパートになります。
落語はまくらから本編、オチの流れで構成されています。
まくらの役割は、
「自分はこんな人間ですよ~」と、お客さんへ自分のことを知ってもらうというのがあります。
他にも、
本編に入るフリや、時事や時節ネタを通してのお客さんとのコミュニケーションであったりします。
ぼく個人としては、自己紹介の機能としてのまくらに注目しています。
落語家さんの保有している能力でもっとも優れている力は、【観察力】である考えています。
観察力は落語家さんにとって、落語界で生きていくためにもっとも必要な力であるともいえます。
生きるために磨いた能力は絶対的に必要で、かつ、もっとも優れた能力となっていくものだと思うのです。
その観察力を養うのは、観察しようっていう意識だけではなかなかむつかしい。必要性があるから養われるんだと、落語家さんをみてて感じています。
観察力とまくらの関係性をこれから述べていきたいと思います。
1.まくらのパート
1-1.お客さんに知ってもらう
まくらのパートのひとつは、お客さんに自分のことを知ってもらうことであります。「自分はこんな人間なんですよ~」
お客さんにほんのり好意を持ってもらうことが重要となります。
噺を聴いてやろうかと思ってもらえるところまで好意をもってもらうとそのあとがやりやすくなってきます。
1-2.お客さんを知る
まくらのパートのもうひとつは、お客さんを知ることであります。どんなお客さんがいるのか、どんな反応があるのかを探る時間でもあるんです。
年齢層や男女比率、素人さんが多いのか、通な方が多いのか、こちら側からお客さんの目利きをする、観察する時間でもあるんです。
2.まくらのパワー
2-1.話す内容を決めておく
まくらには、鉄板ネタがあります。ベテランの噺家さんですと、その日のその雰囲気でまくらを話されることが多いとは思いますが、鉄板ネタを組み合わせて話しされることもあります。
ぼくたち素人は鉄板ネタを毎回使う方が良いかと思っています。話する内容が決まっていると、考えなくてすむので単純に楽です。
2-2.修正が効きやすい
毎度、話する内容を決めておくと、何が良くて何が良くなかったのかが、検証しやすくなります。検証がしやすくなると修正が容易にできるので、ブラッシュアップがやりやすくなります。
2-3.覚えてもらいやすい
毎回、同じ話をする一番のパワーは、お客さんに覚えてもらいやすいことです。ぼくはここを一番大事にしています。覚えてもらうことを目的にしてまくらを構築しているのです。
3.観察力が養われる
まくらのパート、パワーをお伝えしました。
まくらを決め、ブラッシュアップしていくと、お客さんを観察する余裕が生まれてきます。
この観察する余裕をつくることがとても重要だと考えています。観察する余裕が生まれるから、観察力がついてくる。観察力がついてくると、先読みしたり、予期せぬことが起きても対応できたり、さらには予期せぬことをを利用して、新たな展開にもっていくことも可能となってきます。
実際、うまい落語家さんは予期せぬことを笑いにもっていかれます。観察力があるから落ち着いて対処ができるのですね。
ちなみにこの予期せぬことの対応をぼくは「拾う力」と呼んでいます。
吉本新喜劇を観ていると、予期せぬことが起きてくることが1回は起きています。彼らはそれを「拾う」ための準備を常にしているのですね。「拾って」笑いにして返すと、通常より大きな笑いが生まれてくるのですね。
ただ、それも忠実に台本を守り、鉄板を大事にしているからこそ、予期せぬ展開への対応が、大きな笑いとなっていくのだと思うのです。
それも、観察力がなせる技であると考えています。
4.観察力の養い方
おすすめなのは、自己紹介の内容を決めておくことです。ぼくは、本業の仕事用と個人事業主用を2つ用意していて、いつも同じ自己紹介をしています。ウケるポイントや、相手の印象に残るポイントを自分で把握します。
自己紹介の内容を決めておくことで、観察する余裕があるので、周りの状況と自分を観察しています。
観察したのち、ウケたポイントと、印象に残ったであろうポイントをチェックします。それらを繰りかえしていることで、自然と観察力は上がってくるかと思います。
自己紹介の延長で対話の中であっても観察ができてくるようになってきます。
そのスタートとなる、自己紹介をぜひつくってみてください。
5.まくらをつくる
ぼくとの1on1セッションの時間をつかって自己紹介をつくられるのもいいかもしれません。
1on1セッションで自己紹介となる種を見つけ出し、序破急の流れでつくっていきます。
話す内容が決まれば、1分バージョンや3分バージョンなどはたやすく作れるようになります。
まとめ
まくらを決めておくとコストがかからないです。どんなコストがかからないかというと、頭脳コストと心理コストです。
頭脳コストとは、考えるエネルギーのコストです。一度内容を決めておくとその後の考えるコストはかかりません。
コストがかからないかわりに観察する余裕が手に入ります。
心理コストは、状況によってはハードルが高いと感じたりすることがあるかと思いますが、これも内容が決まっていると、心理的ハードルは下がってくると思います。
観察するためのまくらです。自己紹介は、本編に入るためのまくらです。自己紹介をしっかりとつくり、観察し、対処対応できる状態をつくってみてください。
(1on1の時間をつかって、自己紹介をつくってもらっても良いかもしれません。ぜひオファーしてください~)
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