登場人物との対話
落語をやるということは登場人物を演じることである。登場人物を演じるのだけども、登場人物を演じているというより、登場人物と対話しているような感覚がある。
最初のうちの稽古は台本に書かれているセリフや他の演者さんの演じられている登場人物を見て、そこへ寄せた感じで稽古をしている。
そのうちに寄せている登場人物とは違う感じで演じるようになってくる。
寄せている登場人物は、こちらがそう思っているため、演じている登場人物から、「ちょっと違うで」と指摘される感じとなる。
そうすると、本当の登場人物は、どんな奴なのかを観察するようになり、そのうち脳内で登場人物と対話をする感じになってくる。
そこからが本当の稽古なのかもしれない。本当の登場人物は寄せていた登場人物と違い、もっと面白い奴で、お客さんを笑わせてくれるのだ。
毎日稽古していると、少しずつ本当の登場人物が出てくる。「天狗さし」では、まだ対話までいっていない。
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