チョウカンが身につく落語
落語をやっていると身につくと思われる力があります。
それは「チョウカン」です。
毎朝、配達される紙のことではないです。また、えらい人のことでもなく、お通じに良いものでもありません。
その力とは、鳥瞰する力のことです。
前に、聴くように話すという噺家さんの特殊能力のことについて書きました。
噺家さんの高座を観ていると、演者視点と客席視点とそれらを一望している鳥瞰視点の3つの視点で常に自身の高座を観ているように思います。
自分には、でけへんなと。視点の多さに違いがでるのは、高座を振り返るときに差が出てくるのではないかと考えています。
演者視点のみだと、「セリフをとちった」「セリフ忘れた」など自分が演じたことばかりが気になります。
客席視点だと、「今日の客席の空気ええかんじなや」「いや、ノリがワルいな」と自分も客席にいる感覚で演じられます。
鳥瞰視点だと、他の演者との兼ね合いや、それまでのお客さんのノリなど、番組全体のことを考えて演じられます。
振り返るにも全体の視点からなのか、お客さんの反応からなのか、自分のことなのかによって、得られる成果が変わってくるのではないかと、プロの噺家さんの高座を観ていると、そのように感じます。
仕事や生活においても同じことがいえるのではないかと、落語を通して、「チョウカン」の重要さを学ばせてもらっています。とはいっても自分が演じているときは、そんな余裕は全くありませんけども。。。
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