憑依芸

落語をやっている仲間に落語を演じていると憑依状態となる人物がいる。正しくは憑依している状態に見える、である。

それで十分。実際に憑依していようが、そうでなかろうが、観ている側からすると面白いからだ。憑依っぷりに腹を抱えて笑ってしまう。

当の本人は登場人物になり切っているのだろうな、と思って観ている。笑わせる場面でないところでも、憑依っぷりがウケている、演目が終わるまで、ずっと面白い。

本人は、いたって一生懸命演じているだけなので、なんでウケているのかわからない様子だが、存在そのものが面白い。観ている側がハマってしまうのです。

存在であったり、在り方が面白いというのが最強だと思う。僕にない面白さでうらやましく思いながら大笑いしている。